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より多くの国で相互扶助マイクロインシュランスが認可されるべき-ICMIF事務局長

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国際協同組合保険連合(ICMIF)事務局長のショーン・ターバック(Shaun Tarbuck)氏は先週、シンガポールで開催された国際保険学会(IIS)グローバルフォーラムでAM Best TVのインタビューを受けました。このインタビューは6月24日(金)に「相互扶助のマイクロインシュランスと持続可能な開発目標 - 台風ハイヤン後の影響評価」と題されたケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所(CISL)による新しい報告書の発表後に行われました。【関連日本語記事

インタビューにおいてターバック氏は、現在世界の国の45%では協同組合/相互扶助の保険(およびそれらの団体によるマイクロインシュアランス)のビジネスモデルが認可されておらず、より多くの国によって許可が行なわれることを望んでいるとコメントしました。

ケンブリッジ大学サステナビリティ・リーダーシップ研究所による研究は、コミュニティ所有の保険モデルである相互扶助のマイクロインシュランスが、自然災害後の低所得世帯の回復にどのように貢献するかについて初の分析を加えました。この報告書は、国連持続可能な開発目標(SDGs)の観点から相互扶助のマイクロインシュランスについて調査していますが、加入世帯の方が非加入世帯よりも高い回復力があることを示しています。

報告書の重要性についてターバック氏は次のように述べています。「この報告書は、外部の組織が相互扶助のマイクロインシュアランス組織に実際に目を向けた初のケースでありという点で重要です。そして、マイクロインシュランスがどう機能すべきかについて思考プロセスを変えてくれました。」

報告書は、20年前に事業を開始し現在では2,000万人(その35%が貧困ライン以下の生活を送っている)にマイクロインシュランスを提供しているフィリピンのCARD MBA(ICMIF会員)を対象としています。CARD MBAは、今後5年間で保障対象を4,000万人に拡大する計画ですが、これはフィリピンの全人口の40%にあたります。

CARD MBAの成功についてターバック氏は、 「CARD MBAの成長は非常に目覚ましいものです。その成長は有機的で、地域社会のために地域社会と共に成長を遂げてきました。その意味で本当に地域社会に根差した組織といえます。地域社会の強さは、お互いに助け合うことによって自分たちの生活の強靭性を高めようと努力することにあります。」と述べました。

「これが、マイクロインシュランスの掛け値なしの本当の目的です。どのように教育し、権限を与え、困難な時に人々が互いに助け合い再び貧困に陥らないようにリスクプールを提供し共に作り上げるかです」とターバック氏は続けました。

ターバック氏は、CARD MBAの人々がフィリピン中のコミュニティと共同で行なった作業を称賛しました。CISL報告書は、CARD MBAが社会投資と呼んでいるものを通じて地域社会に莫大な金額を還元していることを明らかにしています。それはCARD MBAの組織規模の小ささを考えるとかなりの金額です。

またターバック氏は、この報告書の調査結果、特にCARD MBAが全ての成功および目標を国連持続可能な開発目標(SDGs)に結び付けていることを称えました。彼らの仕事は10のSDGs目標に対して影響を与えています。

ターバック氏によると、CISL報告書から得られる教訓は、CARD MBAの成功した事業モデルが他の場所でも再現されるべきであるということです。しかし彼が認めるように、特に多くの国々で相互扶助の保険組織の活動を認める規制がないという事実によって、それには課題があります。CARD MBAは、彼らの事業の開発部門であるRIMANSIを介して、ラオス、カンボジア、ミャンマー、インドネシアへの参入を試みていますが、法規等が存在せずそれを実現しようとする政府の意思もないことから困難に突き当たっています。

ICMIFの直近の調査によると、世界の45%の国が相互扶助のマイクロインシュランス事業の設立を認めていません。しかしターバック氏は、近年におけるいくつかの成功事例に言及しました。これらの中には、2年前に相互扶助保険を許可する新しい法律を施行した中国が含まれます。中国には現在、相互扶助保険組織が3団体存在します。2019年には、エストニア、ルーマニア、南アフリカが新規に相互扶助のマイクロインシュランスに関する法律を導入しました。ターバック氏はまた、6月28日にバクーで開かれる「アゼルバイジャンの保険:傾向と機会」と題した会議で、ICMIFの国際関係担当ヴァイスプレジデントであるキャサリン・ホック(Catherine Hock)氏が基調講演者の一人となることも強調しました。彼はこのことがいずれアゼルバイジャンにおける相互扶助保険の導入につながることを希望すると述べました。

ターバック氏はさらに、より多くの保険会社やマイクロ保険会社が持続可能な開発目標(SDGs)の達成と報告に取り組むようになれば良いと期待を語りました。彼の見積もりによると、ICMIF会員団体の約2割が現在、SDGsを自らの戦略に組み入れ、その成功につき報告しています。

ターバック事務局長のAM Best TVによるインタビューはこちらで視聴可能です。

国際保険学会(IIS)グローバルフォーラム関連のAM Best TVによる他のインタビュー:

・CISL報告書の筆者-アナ・ゴンザレス-ペレス(Ana Gonzalez-Pelaez)博士はこちら

・CARD MBAのCEO メイ・ダワト(May Dawat)氏はこちら

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2019.6.27

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