ICMIF賛助会員であるAMベストは、長期的な妥当性を下回る水準ではあるものの安定したプライシング環境、既存資本サードパーティー資本の間の継続的なアラインメントや、グローバルな生命再保険セグメントにおける足元の安定を理由として、2020年の世界の再保険業界の市場セグメントの見通しを安定的に維持しました。
「市場セグメントの見通し:世界の再保険」と題した最新のBest’s Market Segment Reportは、損害保険の再保険市場のレートは緩やかに改善したものの、ハリケーンイルマおよびマリア、台風ジェビなどによる損害発生、およびハリケーンドリアンなど最近の災害による潜在的な損失が示すように、再保険価格は変化するリスクのダイナミクスに十分に追いつけていないと述べています。プロパティカタストロフの価格設定は、引き続きサードパーティー資本の流入動向に左右されていますが、ジョイントベンチャー、再々保険および直接所有を通じた、従来のキャパシティとサードパーティ資本の相互依存性の上昇は、市場全体のリターン目標のより一層の整合性向上をもたらすでしょう。
また、サードパーティー資本がテールリスクを引き受けることによって、格付け対象企業の収益が安定化されるという形でのメリットを及ぼします。
全体的な市況は改善しているものの、AMベストは、米国の特定の損害保険ラインにおける不十分な価格妥当性、有利な準備金取り崩しのメリットの継続的な縮小、および低金利環境の広がりを引き続き懸念しています。それらの要因の総合的な影響を踏まえると引受けにおける規律が必要であり、また、これらの圧力にうまく対応できないとセグメントに悪影響を与える可能性があるとAMベストは述べています。
このレポートには、以下に列挙されるような、市場セグメントの安定的な見通しを裏付けるその他の要因の概要が記載されています。
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- 大規模災害による損害がここ数年続いたものの、代替的なサードパーティー資本は将来の収益期待値のラインを維持するだろうとAMベストは考えています
- 再々保険プログラムでのサードパーティー資本の利用の増加に一部起因した、資本消費の減少および収益ボラティリティの低下
- 金利への圧力と世界的な経済成長の鈍化の可能性を受けた引受規律の一層の重視
- 損失準備金の余裕の減少と損失コストの増加によりもたらされる価格設定モメンタムの改善
- 元受企業が最近被った損失および新たなリスク移転の機会ならびに合併・買収に起因する、損害保険分野の再保険に対する需要増加
- 生命再保険会社は、安定した営業実績により市場での地位を維持し続け、新規参入者への障壁となるようなリスク移転を超えたサービスを提供します
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AMベスト アソシエイト・ダイレクター Scott Mangan氏(写真)による、世界の再保険市場セグメントの見通しに関するビデオを見るには、http://www.ambest.com/v.asp?v=globalreoutlook1219をご覧ください。
AMベストが今年発表した特別レポート、解説、および業界分析をご覧できなかった方は、それらの要約がここ(Best’s Industry Research 2019)で入手できます。