イギリス議会では今週、協同組合へのさらなる出資促進を目的とする新法案が提出されました。カーディフ・ノース選出の国会議員アンナ・マクモリン氏によるこの議員立法法案は、2月5日(水)に庶民院(下院)で第一読会が行なわれました。
この「協同組合および地域共済組合(環境的に持続可能な投資)法案」は、協同組合が組合員による所有と統制に対するコミットメントを強化しつつ、事業を成長・発展させる方法について提案しています。グリーン・シェア法案としても知られ、この重要な事業セクター(協同組合)内の環境的に持続可能な投資に新規資金を集中させるものです。
協同組合/相互扶助組織へのコンサルタント会社 Mutuo によれば、この法案では協同組合の株式会社化ならびに受け継がれてきた資産の分配に制限を加えるオプションを含む新たな規定も導入しています。
Mutuoによると、当法案はオーナーシップ・コミッションの重要な勧告を推し進めるもので、世界の他の地域で見られる同様の立法に立脚するものです。
イギリス協同組合連合会も法案の趣旨を支持しています。(会員による発言を踏まえた)同連合会の証言によると、法案の規定はイギリスの協同組合部門で十分な支持を得ており、同連合会はこの法案が非常に強いプラスの影響を及ぼすと確信しています。同連合会によれば、この法案はイギリス政府による以下のような委任立法を可能とします。
・解散時の剰余金(出資金返却後の残余)の組合員間分配を法的に防止する選択肢の組合への付与
・将来の株式会社化を法的に防止する選択肢の組合への付与
・出資者の選択によらず、組合側の選択による払戻しが可能な新たな出資商品の提供
イギリス協同組合連合会の事務局長エド・メイヨー氏は、次のように述べています。「私たちはこの法案を全面的に支持します。当法案は、より多くの協同組合が社会的目的のため資本調達することを助けるとともに、株式会社化に対する防衛策も追加してくれます。 アンナ・マクモリン議員がこれを前進させ、立法化の過程で私たちの会員が発言できるようにしてくれることを喜ばしく思います。」
Mutuoのマネージング・パートナーであるピーター・ハント氏は次のように述べています。「協同組合と地域共済組合の出資関連法制を改正し、外部資本の取り込みを可能としつつ相互扶助を強化することが課題でした。既にカナダ、オーストラリア、オランダなどの他国には、この成功例が存在しています。
アンナ・マクモリン議員の法案は、これらの協同組合のための大切な一歩を提供し、組合員・利用者の間の自分たちへの高い信頼感を活用しようとする協同組合にとっては、そのビジネスモデルをより評判が良いものとしてくれるでしょう。」
イギリス協同組合連合会のウェブサイトで法案の詳細をご覧ください。