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レポート

インシュアテック投資が2019年に過去最高を記録 - ウィリス・タワーズワトソンが報告

保険ブローキングや各種ソリューションの提供も行なうグローバルなコンサルティング会社ウィリス・タワーズワトソンが発表した最新の四半期インシュアテック・ブリーフィングによれば、第4四半期における75件のプロジェクトに対する19.9億米ドルの記録的な投資額を受け、2019年通年のインシュアテック・セクターに対する世界全体の新規資金調達のコミットメント額は合計で63.7億米ドルとなりました。これは、過去からの投資合計額の33.9%に相当します。

年間を通すと8件の「ユニコーン企業づくり」を目的とした投資ラウンドがあり、新たなユニコーン企業(評価額10億米ドル以上の未上場のスタートアップ企業のこと)が5社誕生しましたが、このレベルに達したインシュアテック企業は世界でもわずか10社のみです。また、2019年には4,000万米ドルを超す投資ラウンドの数が90%も増加しました。

レポートによれば、インシュアテック企業は2019年第4四半期において24,400万米ドルのアーリーステージの資金調達を行ないました。損害保険のスタートアップ企業は、インシュアテック投資総額において生命保険や医療保険よりも大きな比率を占めており、2016年第3四半期以降この傾向が続いています。損害保険関連のアーリーステージ資金調達は69%となり、2019年第3四半期と比べわずかに増加しました。販売およびMGA(保険引受、保険金の査定、支払いまで行なう代理店)に特化したインシュアテック企業が取扱い件数全体の57%を占めています。

ICMIFの協賛会員であるウィリスリーでインシュアテック部門のグローバルヘッドを務めるアンドリュー・ジョンストン博士は次のように述べています。「2019年は、事業分野や使用するテクノロジーを問わず、個々のインシュアテック企業が市場の特定分野をリードし始めた年でした。例を挙げると、英国を拠点とするConcirrus社は、今や明らかに専門保険市場向けの行動ベースの分析の先駆者であります。ところが、インシュアテックに関するニュースは、可能性の技術の途方もない評価と仮定で溢れかえっている一方で、個々のインシュアテック企業の業務停止という、あまりポジティブではない非常に現実的な話もあります。その数の把握はとても困難ですが、私たちのデータによると、資金提供を受けたインシュアテック企業約184社が過去3年間で事業を停止した可能性があります。」

最新のウィリス・タワーズワトソンの報告は、保険金請求・支払いに焦点を当てた「機能チェーン」の1年間のレビューを締めくくります。また、インシュアテック企業10社(MetromileBenekivaClaimVantageClaimspaceClaim CentralDeepFraudGlobal ParametricsAdjointBanquSpixii)についての詳細な議論が含まれます。さらに、この報告にはミュンヘン再保険のラリー・カルホーン氏およびローマン・ビュグラー氏との、同社の自然災害損害評価システム「Remote Industries」に関する議論や、グローバルな生命・医療保険サービスの提供にフォーカスしたインシュアテック企業による2019年の大規模な資金調達ラウンドの検証、そしてウィリス・タワーズ・ワトソンの保険コンサルティング・テクノロジー部門のクレーム・コンサルティング責任者であるトム・ヘルム氏による、エンドツーエンドの保険金請求テクノロジーに関するソートリーダーシップも含まれています。

ヘルム氏は次のように述べています。「自動車のフロントガラスなどの極めて単純で共通する保険金請求は、保険会社によっては既にシステムで処理が完全自動化されているかもしれませんが、たとえ消費者向け保険種目であっても、あらゆるシナリオにおいてエンドツーエンドの自動化が機能することはありません。請求プロセスの一定の局面において、人間による複雑な判断または調査が必要です。また、サポートが必要な顧客に共感を示す必要性など、その他の場面においては人間味が要求されます。そのことは、保険金支払い担当者が今後も必要なことを意味します。人の介在が必要な状況を自動化されたメカニズムが識別でき、担当者と機械の相互作用の効率的な管理を十分に考慮できるようにすることが不可欠です。」

レポート(英語)はこちらから。 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2020.2.7

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