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スウェーデンのフォルクサム(Folksam)社 ユルヴァ・ウェッセンCEOが交通安全向上のための投資機会の必要性を強調

持続可能な開発のための2030アジェンダの達成には、大手投資家が考慮すべき要素に「交通安全」を含めることが大切。これは、フォルクサム(スウェーデンのICMIF会員)の社長兼CEOであるユルヴァ・ウェッセン(Ylva Wessén)氏が、交通安全に関する第3回グローバル閣僚会議(ストックホルムで2020年2月19日・20日開催)で講演した際のメッセージです。

世界中で毎年100万人以上が交通事故で命を落としています。そのようななか、今週スウェーデンは交通安全に関する第3回グローバル閣僚会議(スウェーデン政府と世界保健機関の共同開催)の開催国となりました。この会議の目的は、2030年に向けた世界的な交通安全目標を策定することでした。会議で検討された重要な問題の一つは、民間部門が投資を通じて交通安全の向上にどのように貢献できるかということでした。

この会議の中心議題は、交通事故による死者数の削減と、持続可能性への取り組みに交通安全を組み込むことに関連したものでした。持続可能な開発のための2030アジェンダの一部である17項目からなる国連持続可能な開発目標(SDGs)は、その全てがより持続可能な社会への変革を目指していますが、より優れた交通システムならびに交通安全の向上は、その多くの目標に適合するものです。

スウェーデンには「ゼロ・ビジョン」と呼ばれるものがありますが、これは交通量の増加にもかかわらず同国の交通事故による死亡率を半減させることに貢献し、現在では交通事故による死亡率が世界で最も低い国の一つに数えられています。スウェーデンの交通安全への取り組みは他の国々にとってのモデルであると広く認められており、同国産業省がグローバル会議の開催を引き受けた理由となっています。

スウェーデンのICMIF会員であるフォルクサムは、40年以上にわたって交通安全研究の分野で非常に積極的に活動してきました。この取り組みは、より安全な車とより安全な交通環境の両面で貢献しています。フォルクサムは、4,550億クローナ(約5兆1,550億円)の資産を運用する大手機関投資家でもあり、人権、気候変動、腐敗防止などの項目を含む明確な投資基準を持っています。

会議におけるフォルクサムのメッセージは、「今こそ、交通安全への取り組みを、責任ある資産運用への取り組みとより明確に結びつけるべき時である」ということです。

「私たちは投資家として、交通安全の向上を狙った投資機会の増加を望むとともに、企業が事業を行なうにあたって交通安全への責任をいかに果たしているかをより明確に報告することを希望します」と、ウェッセンCEOは述べます。

これを達成するため、2つの具体的な措置についてフォルクサムは実現を望んでいます。それらはウェッセンCEOが会議初日の専門家パネルで提案したものです。このパネルには、世界銀行、欧州投資銀行、各国の閣僚が参加しました。

「交通安全ボンド」

フォルクサムは、気候変動への重要な取り組み支援を目的とした既存の「グリーンボンド」に類似した「交通安全ボンド(債券)」の導入を望んでいます。交通安全の向上に基づくこの債券は、フォルクサムや他の投資家に対し、気候と健康の両面でのメリットを伴ったプロジェクトへの投資機会を提供します。

サステナビリティレポートにおける「交通安全」のパラメーター化

フォルクサムは責任ある投資家として、持続可能性への取り組みの改善と発展のために、投資先企業と対話し要望を行なっていくつもりです。交通安全は、気候と人間の健康の双方に影響を及ぼす持続可能性上の大切な課題であり、自社とバリューチェーンの両面で「交通安全」にどのように取り組んでいるかの報告を企業に求める、新たなサステナビリティレポート指標をフォルクサムは求めています。

フォルクサムによれば、同社では投資先企業に関する検討項目の1つとして「交通安全」がすでに組み込まれています。

「私たちは他の大手投資家にも参加を求めています。2030アジェンダの達成と企業からのより明確な報告の一環として、皆が交通安全に目を向け始めれば、私たちは一段と持続可能な世界に向けてお互いに貢献できるのです」と、ウェッセン氏は述べています。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2020.2.21

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