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ダーン・ファンデーション(インド)が新型コロナウイルスのパンデミック下で低所得コミュニティへの支援を広げる

インドでの新型コロナウィルス・パンデミックの感染拡大を考えた時に、現地のICMIF会員であるダーン・ファンデーションThe DHAN Foundation/以下、「ダーン」)はインド社会における2つの大きな影響を観察しました。1つは、新型コロナウィルスの影響を受けた個人の健康に関するものであり、もう1つは、主に日雇労働者と小規模/零細企業経営者からなる、貧しく最低の生活を送る労働者の生計に対する影響でした。ダーンは、インドの草の根レベルで活動しており、インド政府の支給プログラムを通じてコミュニティがうまく支援を得られるよう尽力するとともに、ウィルス終息後には生活を立て直せるように貧困層を支援したいと述べています。

インドの現状を迅速に評価した結果、ダーンは、移り住んだ場所で立ち往生し故郷に戻れなくなったかなりの数の出稼ぎ労働者が、パンデミックにより多大な被害を受けていることをかなり速やかに認識しました。そのため、パンデミック中のダーンの活動の一環として、このような貧しい脆弱な出稼ぎ労働者に特別な焦点が当てられています。

現在、ダーンのプロジェクト分野において、以下のような活動を行っています。

    • ダーンの現場スタッフは、パンデミックへの意識を高めるためにコミュニティで活動しており、さまざまな媒体を通して、予防策とそれに関連する保健指導がコニュニティの中で共有されてきました。
    • ダーンでは、3,000名の現場スタッフと専門家が、モバイル通信を通じて、自宅にとどまり定期的に手洗いや消毒を実践するようにコミュニティに対しアドバイスをしています。約1万人のコミュニティ・ボランティアもこのプロセスに参加しました。ダーンのプロジェクト拠点では、50名の現場保健員とコーディネーターが、約3万世帯に手を差し伸べる活動を行っています。
    • マドゥライおよび他の4州7か所で、ダーンはコミュニティ病院を活用して、病気や指導について医療的な相談を必要とする地域住民に医療電話相談を実施しています。現在、約15名の医療専門家が活動しています。ほとんどの医療は停止されており、人々は持薬を入手するのに苦労しています。薬は、マドゥライ市を含む4州の8か所において、移動式臨床車両を通じて配布されています。
    • ダーンは、マドゥライ市と、マドゥライ市保健局を支援し、洗浄殺菌用の上衣と噴霧器を提供しています。

ダーン職員の現場からの報告では、ダーンは会員の多くが農業に携わっており、多くの家族の生活が新型コロナウィルスの影響を受けているとのことです。多くの人びとが働くことができず、ロックダウンのため中小企業は機能せず、小規模な生産者は牛乳や野菜などの産品で十分な収入を得られていません。家畜を飼っている会員は、現在のロックダウンのためにエサを与えることができず、野菜生産者が農作物を販売可能な場所に持っていくことは不可能です。これらすべてのことは、人々が基本的なニーズを満たすことができず、また、現時点ではいかなる融資の返済もできず、いかなる貯蓄プランにもお金を預けることができないことを意味していると、ダーン職員は語ります。

ダーンの現場スタッフは、会員や地域コミュニティとの間でウィルスに関する重要なメッセージを共有するために、電話やWhatsAppを使用しています。地域の会員の一部では、ウィルスに関する正しいアドバイスを広めるための委員会を設置する動きもありました。ダーンは、マスクや消毒液をすべての現場スタッフに提供し、彼らの保護に努めています。

かなり遠隔な部族地域では、多くの出稼ぎ労働者が他州から村に戻ってきていると、ダーンのスタッフは報告しています。それらの村では、ほとんどの人が隔離のガイドラインに従わないためウィルス陽性となるケースが増加する可能性が高く、仮に従おうとした場合でも、家の中に仕切られた部屋がないため遵守は非常に困難です。ほとんどの部族民は、一室に一家で暮らしています。また、70%以上の部族民が新型コロナウィルスの原因、症状、予後、予防措置について知らないことも判明しました。彼らは、新型コロナウィルスが海外諸国でのみ拡大しており、自分たちの地域で感染は起こらないと信じています。また、多くの部族民がロックダウンのために働くことができないため、貧困も問題となっています。

ダーンは、インド国内の部族民の人々の意識向上に努めてきました。地域の保健師を対象に、原因・症状・予後・予防措置を理解し、地域の部族民への教育につなげるための研修を実施しましたが、ロックダウンにより、残念ながら全員に連絡することができませんでした。

ダーンはまた、山車「ラタ(Ratha)」を使用して村々を運行し、ウイルスとその影響についての認識を深めるというインドの伝統的な方法による啓発キャンペーンを実施しました。このラタは、40以上の村を対象に約3万人の部族民の意識向上を図る取り組みを行ないました。

また、マスクの縫製や、マスク製造のための原料を提供するための人材育成なども行っています。3月末現在、1,000枚以上のマスクが作られ、部族民の村々に配布されています。ダーンでは、新型コロナウィルスの認知度に関するメッセージのリーフレットを1,000冊作成し、部族の人々に配布しました。

マスクの着用方法、手洗いの方法、社会的距離の確保のデモンストレーションを行い、また、現地の部族コミュニティのメンバーの関与のもと現地語によるドキュメンタリーフィルムを作成し、部族民の意識を醸成しました。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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