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新型コロナウィルスに際し立ち上がる米国の相互扶助保険組織

ICMIF会員の全米相互保険会社協会NAMIC)は、米国の相互扶助損害保険業界の業界団体であり、会員である相互扶助の保険会社から集めた35件以上の新型コロナウィルスへの対応事例一覧表をまとめました。

NAMICがまとめた対応事例(2020年4月14日現在)の大半において、米国の相互扶助保険会社は個人の自動車保険加入者に保険料の軽減を行ない、新型コロナウイルスによる運転行動の変化による事故保険金の減少分を会員・契約者に還元しています。

その一例が、個人の自動車保険顧客に対し4月と5月における月額保険料の30%を返還することを4月に発表したICMIF会員のシェルター保険です。同社は、顧客へのこの保険料返還で代理店の報酬が減らないようにすることで代理店を支援しています。シェルター保険はまた、同社がサービスを展開する15の州の地元コミュニティを支援するため、総額150万ドル(約1億6千万円)の寄付を行います。

他の米国の相互扶助保険会社も、自動車保険加入者に相当の保険料救済パッケージを提供しています。米国損保最大手で世界最大の相互扶助保険会社であるステートファームは、3月中旬から5月にかけて、平均25%の保険料払い戻しを通して自動車保険顧客に20億ドル(約2,150億円)の配当を還元しています。この救済プログラムは4,000万台の車両に適用され、およそ2,100万世帯に恩恵をもたらします。その他では、USAAが自動車保険契約者への配当を通じて会員に5億2千万ドル(約559億円)(さらに5月に第2弾の保険料配当2億8千万ドル(約301億円)を追加発表)を還元することを発表し、アメリカンファミリーは、個人自動車保険の対象となる車両1台につき50ドル(約5,400円)の一括払いという形で、約2億ドル(約215億円)を自動車保険の顧客に返戻します。

米国消費者連盟(CFA)と 経済的正義センター(Center for Economic Justice(CEJ))による調査によると、新型コロナウィルスによる運転の減少をきっかけに、全米の自動車保険会社が保険料の返金、割引、クレジットを通じて顧客に返戻することを約束した総額は70億ドル(約7,528億円)を上回ると見込まれます。ICMIFによる分析は、顧客に還元されるこの金額の半分以上(40億米ドル(約4,302億円))が、相互扶助保険会社によるものであることを示しています。

また、CEJとCFAは、保険料の軽減額、救済対象となる期間、救済措置の実施方法に基づいてスコアを付け、各自動車保険会社の保険料の救済措置を等級付けしました。最新のランキングによれば、上位5社はすべて相互扶助の保険会社(ステートファーム、アメリカンファミリー、テネシーファーマーズエリー保険、シェルター保険)でした。

NAMIC会員によるその他の取り組みには、パンデミックにより経済的課題に直面している保険契約者に安心を提供するための、追加的な保険契約者支援の提供、解約や保険料支払期限にかかる調整、猶予期間の延長などがあります。また、多くの人々がパンデミックとの闘いを助けるためにさまざまな緊急基金に寄付をしています。

NAMICは1,400以上の会員企業を代表し、全米各地域の典型的な相互扶助保険会社と、米国の全国的大手保険会社の多くを支援しています。NAMIC会員企業は年間2,680億ドル(約28兆8,207億円)の保険料を受け入れ、ホームオーナー保険市場の59%、自動車保険市場の46%、ビジネス保険市場の29%を占めています。

NAMIC理事長兼最高経営責任者のCharles Chamness氏は、新型コロナウィルスに関連する声明の中で、「新型コロナウィルスのパンデミックへの対応による前例のない経済的混乱にもかかわらず、NAMIC会員企業は引き続き契約者へのサービスという唯一の使命に力を尽くしています。相互扶助保険会社は、柔軟性の向上、リモートでの検査や損害調査を可能にする手続きの採用など、会員・契約者がこの危機を乗り切る手助けをするための措置を講じてきました」と述べています。

ICMIFのさらなる調査によれば、生命保険と損害保険の両セクターにおいて、保険料の軽減、援助、支援によって米国の相互扶助保険会社が供与した総額は43億ドル(約4,624億円)でした。

新型コロナウィルス発生に対する米国のICMIF会員による対応の詳細は以下のとおりです。

保険料払戻しを通じて自動車保険契約者に保険料軽減を提供した米国以外のその他のICMIF会員についての詳細は以下のとおりです。

※ 文中の金額は1米ドル=107.54円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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