フィンランドのICMIF会員団体ローカルタピオラ(LocalTapila)のダイレクターであるLauri Saraste氏は、「未来の相互扶助の新たなビジネスモデル」と題した最近の ICMIFウェビナーで、新型コロナウィルスのパンデミックにおいて会員やコミュニティを支援するために行ってきた多くの取り組みについて語りました。いくつかの取り組みを説明する前にSaraste氏は、「フィンランドは遠隔地にあり、コロナウイルスのパンデミックによって他国ほどの大きな打撃を受けていませんが、経済と社会の両面で大きな影響があったため、さまざまな方法でお客様を支援することは私たちにとって非常に重要でした」と述べました。
ローカルタピオラは、企業顧客に柔軟性を提供しようとしています。顧客は保険料納入について追加的な猶予を申請することができ、それはケースバイケースで認められています。さらに、融資を受けている顧客は返済の条件緩和を申し込むこともできます。中小企業が融資を受けやすくするため、ローカルタピオラはFundu(フィンランドの法人向け融資会社であり、ローカルタピオラのパートナー組織)を通じ提供している法人向け融資への投資を増やしました。
ローカルタピオラグループは大手の不動産投資家であり、テナントを支援するする努力をしてきました。例えば、ローカルタピオラが所有する建物にテナントとして入居している飲食店やカフェは、5月末までの賃料が無料となります。その他の施設のテナントには、追加的な返済猶予や家賃の減額が認められる場合があり、これもケースバイケースで承認されます。
ローカルタピオラは国内で100万ユーロ(約1億1,550万円)のコロナウイルス関連援助を提供しました。フィンランド赤十字社への寄付が大半を占めています。例えば、ローカルタピオラの支援はコロナウイルス・ヘルプラインの立ち上げに活用されています。
フィンランドが現在経験しているパンデミックによる例外的な状況は、人々に多くの不安感をもたらしています。ローカルタピオラは、コロナウイルスに関連した最新トピックのウェビナーを開催することで、顧客の支援に努めてきました。これには、経済や投資マーケットへの影響、企業が危機を乗り越えるために活用できる方法、コロナウィルスの危機が農家の日常生活に与える影響などを論じたウェビナーが含まれます。
ローカルタピオラはフィンランド全土に地域企業を有しており、それらの多くは、コロナウイルスとの闘いを支え、地域の活力と人々の幸福を増進させるために現地で行動してきました。それらには以下のような例があります。
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- コロナウイルスの検査とサンプル分析の推進 - コロナウイルスのサンプル分析を支援するために20万ユーロ(約2,310万円)をユヴァスキュラ大学に寄付
- 医療の支援 - コロナウイルスとの闘いを支援するために地元の病院に寄付
- 地元企業の支援 - サービスやギフト券の購入により中小企業を支援
- 食糧援助団体を支援
- タブレット端末の寄付を通じて在宅教育を受けている生徒を支援
- 若者の悩みを専門の相談員と内密かつ安全に話し合うことができるチャットサービスを通じ若年層のカウンセリングを支援
- 医療スタッフ・老人ホーム・ケアハウス・家族への寄付と表彰
- ケアハウスの利用者が家族とビデオ通話をするためのタブレット端末の提供
- 老人ホームやケアハウスの利用者を元気づける花の配達および医療スタッフへのフラワーギフト券の提供
- オンラインによるファミリーコンサートの放映
※ 文中の金額は1ユーロ=115.5円で換算