ブラジルのICMIF会員であるウニメド保険(Seguros Unimed)は、世界最大の医師協同組合であり、ブラジルの3大医療保険団体の1つです。ウニメド保険は、医療サービスと経済的な保障範囲の拡大による未来の変革に取り組んでいます。
現在の新型コロナウィルスのパンデミックに直面して、ウニメド保険はブラジル保健当局や国際機関のガイドライン、そして危機の間に急速に浮上したその他の科学的根拠に従いました。
ウニメド保険は、従業員の安全、保険契約者への支援、事業の持続可能性を最優先課題としています。これらはすべて、ステークホルダーや社会全体に対する組織の責任を果たすために不可欠です。
ウニメド保険の危機管理委員会は2020年3月12日から毎日会合を開き、(1) 顧客重視、(2) 雇用確保、(3) プロジェクトの継続性、(4) デジタル化の加速、(5) 経営の健全性と効率性の5つの優先課題に基づいてプログラムを策定しました。
これらの優先事項を満たすためには、1,400人以上の直接・間接の従業員が在宅勤務できるようにするための組織内での強力な動員が必要でした。また、顧客に特定の医療プランを提供するとともに、パンデミックに関する除外条項を外すために生命保険契約や所得補償契約を見直しました。
また、ウニメド保険は傘下の資産運用会社 InvestCoop を通じて、金融市場の変動から各医療協同組合の技術的準備金を守るための保守的な投資ファンドを立ち上げました。
より幅広いブラジル社会のためにウニメド保険は、(今まで支援を行なってきた)社会の脆弱なセグメントのニーズに対応する社会的共済組織への支援を増やし、ウイルスへの対処方法に関する情報キャンペーンを組織しました。
支援戦略と需要のモニター
ウニメド保険は、保険アプリを介して保険契約者にオンライン支援を提供しており、24時間体制の電話医療ヘルプラインにより、病院に行くことで感染のリスクにさらされる顧客の数を減らします。ウニメド保険アプリは、パンデミックの際に人々を支援するための新機能を装備しましたが、その中心は、専用コンテンツとツールを備えた「Covid-19セクション」と、病気の疑いや症状が発生した場合に安全に相談を受けるための24時間オンライン情報サービスです。また、会員は家を出ずにアプリから直接に専門家との医療テレサービスを利用することができます。
リスクの高い保険契約者、またはウィルス感染の兆候があり合併症を起こすリスクが高い保険契約者に対しては、オンラインサービスデスクにより提供される顧客向けのケアプログラムを開発しました。
また、ウニメド保険は予測モデルを用いて、新型コロナウィルスに関するさまざまなシナリオが顧客ポートフォリオに与える影響と、想定される入院需要をシミュレーションしています。これまでのところ、これらの予測は、ウニメド保険が顧客にサービスを提供するのに十分な病床を保有していることを確認しています。
保健セクターへの影響
ウニメド保険によれば、新型コロナウィルスはブラジルの補完的な保健システムのあらゆる側面に影響を与えています。ウィルスは国民を攻撃しただけでなく、資金不足で非効率、そして細分化されているブラジルの国家保健システム全体の構造的な弱点を浮き彫りにし、それを増大させました。ウニメド保険は、最前線の医療専門家の多くが感染リスクにさらされていると報告しています。
ウニメド保険は、このウイルスが一時的な活動停止により経済的・財務的影響も及ぼして、失業と所得の減少が債務不履行や保険請求のリスクにつながるだろうと述べています。