スウェーデンのICMIF会員であるフォルクサムグループ(Folksam Group)は、保険業界で持続可能性のリーダーになるという目標に沿って、四半期ごとに自らのカーボンフットプリントの報告を開始しています。2020年第1四半期の中間報告では、持続可能性の取り組みに関連する主要な数値を初めて公表しました。フォルクサムグループは、業界で初めてこの持続可能性データを四半期報告書に掲載しましたが、伝統的にこの種の報告書には経済的な主要数値しか含まれてきませんでした。そして同社では他の保険会社がこれに続くことを望んでいます。
「私たちが野心的な目標を達成するためには、あらゆるレベルで持続可能性の側面を統合できることを示す必要があります。そして、私たちの報告が持続可能性の数値も示すことが重要です」と、フォルクサムグループのサステナビリティ・マネージャー、カリン・ステンマー(Karin Stenmar)氏(写真)は言います。
ステンマー氏は、資産運用・持続可能性部の同僚たちと共に、事業活動におけるCO2排出量(目標は10年後のネットゼロエミッション)、保有不動産におけるエネルギー消費量、投資ポートフォリオにおけるカーボンフットプリントなどの、フォルクサムグループが報告を行なう分野について調整しました。
「私たちは気候問題を非常に真剣に受け止めています。それは保険会社の将来にとって、そしてとりわけ顧客と次世代の生存のために極めて重要な問題です。現在フォルクサムグループは、自らの属する産業とその他の産業の両者を前進させています。なにかを測定すれば、それは実行されるからです。そして、それが焦点になります」とステンマー氏は述べます。
フォルクサムグループはこれまで、ビジネス界におけるジェンダー平等、労働災害規制における環境的側面、顧客のためのセキュリティ確保のための労働災害防止対策の重要性などの最前線にあり、社会の発展を推進してきました。
同社は、直接排出量と間接排出量の両方を報告しています。自らの事業活動の目標は、長期的目標であるゼロエミッションを2030年に確実に達成できるようにするために、科学的な方法で設定されています。一般的にいうと地球温暖化を1.5℃に制限するというパリ協定の野心を支持するということです。
「今年第1四半期の結果は好調に見えます。自社事業からの排出量を2019年の数値と比較して14%削減しています。これは、新型コロナウィルスのパンデミックによる移動制限により大きくなっている部分はありますが、最も重要なことは私たちが目標を達成することを示す長期的なトレンドがあるということです」と、ステンマー氏は言います。
フォルクサムグループは、国連が招集した「ネットゼロ資産所有者連合(Net-Zero Asset Owner Alliance)」の創設メンバーの一員です。世界有数の年金基金や保険会社と共に、同社は2050年までに投資ポートフォリオを温室効果ガス排出量ネットゼロに移行させることを約束しています。
今年3月には、同社で責任投資の責任者を務めるエミリー・ウェストホルム(Emilie Westholm)氏が、「気候変動対策を推進するための責任投資」に関するICMIFウェビナーに参加しました。このウェビナーでウェストホルム氏は、ESG問題をすべての投資決定に組み込み優先化することから、グリーンボンド投資のグローバルリーダーになり、そして気候変動への取り組みを推進する気候スマート・ファイナンスの有力な提唱者になることまで、フォルクサムグループの「持続可能な投資」と「責任ある資産所有」の道のりを共有しました。