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MAIF(フランス)が「使命を持つ会社」としての正式なステータスを公表

フランスのICMIF会員MAIFは、定款にその目的ならびに社会的および環境的なコミットメントを明記し、自らの行動を測定可能かつ執行可能にすることにより、その行動の影響を強化する選択を行なったと述べています。この決定は、2020年7月11日にリモート開催された臨時総会において行われ、選挙で選ばれたMAIFの役員らが、相互扶助の保険会社が正式に「使命を持つ企業」)になるという提案を採択しました。

「使命監視委員会」および独立した第三者機関は、会社の将来の行動がその表明された使命に沿っていることを確認する責任があります。また、MAIFは個人だけでなく法人にも商品提供を拡大していますが、これにより、同じ考えを持ち、社会に良い影響を与えたいと願う組織がMAIFのメンバーになることができます。

  MAIFはそのコミットメントを公にし定款にそれらを明記

MAIFは、持続可能なパフォーマンスがすべてのステークホルダーおよび世界に対し払われる心からの注意に基づいたビジネスモデルを開発することを望んでおり、その存在理由と社会的および環境的な目的を追求することへのコミットメントを組織の定款に盛り込みました。これは、「使命を持つ会社」として分類される要件に沿ったものです。それらには以下のようなものが含まれます。

      • メンバーの利益をその活動の中心に据える
      • 献身的な集団内で真摯な注意を払い、内部のステークホルダーの育成を促進する
      • 活動を通じてより一体感のある社会の構築に貢献する
      • 活動を通じて気候変動対策に貢献する
      • 良い影響を調査するビジネスモデルの開発を推進する

これらの目標は、7月11日に総会の承認を求めて提出された際に、投票権者のほぼ99%の賛成により採択されました。

  公益のために行動したいという願望を再確認するコミットメント

MAIFによれば、これらの目的の公表は同社にとって目新しいものではなく、アプローチの拡大、再確認、深化はすでに開始されており、MAIFの2019年~2022年の戦略計画に織り込まれています。例えば、この1年間、MAIFグループは以下のような施策を実施してきました。

1. グループのイノベーション・キャピタル・ファンドであるMAIF Avenir は、「使命を持つ会社」のステータスを採用して、投資テーマ(investment thesis)を策定しました。同社は、社会や環境の問題をプロジェクトの中心に据えたスタートアップ企業を対象としています。
2. 2019年6月に同グループは、フランスのエネルギーと農業の移行のための投資ファンド「MAIF Transition」をAkuo Energyと提携して立ち上げました。4億ユーロ(492億円)まで増額することを目標に、5,000万ユーロ(61.5億円)を拠出する同グループのねらいは、土地利用の紛争を解決する革新的な方法のおかげで、再生可能エネルギーの生産と質の高い農業を促進することを目的としたフランス全国のプロジェクトに資金を提供することです。
3. 以下に示すように、これらの積極的な取り組みは、2019年のMAIFのすべての活動において積極的な結果につながりました。
        • 会員へのサービス提供 – MAIFメンバーの忠誠率95.6%
        • 人事面のコミットメント – 障害を持つ従業員の比率が6.49%と多様性が高まり、ペニコー(Pénicaud )指数のスコアは99/100(男女の賃金が同一であることを示す)
        • 責任ある投資 – エネルギーと気候の変動にソリューションを提供するプロジェクトや企業への資金提供を意図した11億8,000万ユーロ(1,451億円)の投資。これは2018年と比較して2億3,800万ユーロ(293億円)の増加
        • 自動車修理にリサイクル部品を使用 – MAIFは2019年に中古自動車部品の比率を7.70%に拡大
        • 調達品 – 購入の97.7%はフランスで実行、サプライヤの97%はフランスに拠点
        • エネルギー転換 – Énergie Partagéeと協力し、太陽光発電エネルギーの国内利用を支援するためのテーラーメイドの保険を設計
  MAIFの目的の遂行を監視する使命監視委員会と独立した第三者機関

組織の使命遂行を監視する使命監視委員会の設置により、MAIFは優れた成果を達成する義務を自らに課しました。委員会は約10名のメンバーから構成され、2名のMAIFの従業員と独立した外部専門家を招集します。この委員会のメンバーは2020年10月に招集されます。

また、MAIFは、使命の遂行を検証し、その遂行について意見を出す独立した第三者機関を任命する義務を定款に盛り込んでいます。

実際に、対象となる会社が1つ以上の目的を満たしていないとこの第三者機関が判断した場合、その会社は、「使命を持つ会社」のステータスを主張する権利を失う可能性があります。

  MAIFのメンバーシップを他組織に開放

MAIFは、より一体感のある持続可能な社会を構築するためには、他企業との協働が不可欠であると考えています。そして同グループは、類似の存在理由と価値観を持つ他の組織と協力し、これらの組織がメンバーになることを望んでいます。同グループのねらいは、開発戦略を通じ、そしてB2Bを優先させることによりビジネスモデルを支援することです。

  MAIFの存在理由

「他人と世界に心からの注意を払うことでのみ、公共の利益の真の拡大を確かなものとすることができると確信した私たちMAIFは、この意図を、私たちのコミットメントと行動のそれぞれの中心に位置づけます。」

MAIFグループ会長のドミニク・マエ(Dominique Mahé)氏は、「私たちは、多くの企業が行動する私たちの意志を共有し、より人道的で、より持続可能な、より団結した社会にコミットする準備ができていると確信しています。私たちは、彼らが私たちに加わり、MAIFメンバーになってコミットメントと運命の共同体を作ることを奨励したいと思っています。私たちにとって、これは公共の利益に向けて前向きに行動し、革新的なモデル企業としての私たちのステータスを再確認する方法です」と語りました。

MAIFグループのパスカル・ドゥマルジェ(Pascal Demurger)マネージングディレクターは次のように述べています。「私たちは、倫理とパフォーマンスを両立させることが可能であることを私たちの行動によって実証したかったのです。今日、私たちの社会的、環境的な目的を公にすることによって、私たちはさらなる一歩を踏み出し、私たちの行動と使命の間の一貫性を測定する機会を第三者に与えています。それは誠意の証しであり、ビジネス界における新たな要件です。」

   フランスの「使命を持つ会社」とは

フランス人の大多数は、たとえ顧客、従業員、株主よりも優先されたとしても、会社は社会全体にとって有用なものでなければならないと考えており、フランス当局は、フランスの法律における会社の定義は社会的利益の概念を認識していなかったと指摘しています。

会社の成長と変革に関する2019年5月22日施行の法第176条(Pacte法として知られる)は、「使命を持つ会社」としての位置づけを導入しました。この法律は、会社が、その存在理由と、会社が自らの使命の一部として設定した1つ以上の社会的および環境的な目的を明記することにより、自らを「使命を持つ会社」であると公に表明できるようにします。

2020年1月2日の法令2020-1では、会社が「使命を持つ会社」として登録申請する際に行うべき宣言と、会社が定款で述べている社会的および環境的な目的の執行について、独立した第三者機関により実施されるべき検証について規定されています。

※ 文中の金額は1ユーロ=123円で換算

  
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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