ニュージーランドのICMIF会員MASは、新型コロナウィルスのロックダウン中に自動車に関連する保険金請求が減少したことに伴う節約分のうち170万ニュージーランド・ドル(1億1,900万円)を会員に割り戻すと発表しました。
この割り戻しは、MASが4月に発表した救済パッケージの主要な柱であり、会員が新型コロナウィルスのロックダウンの経済的影響に対処するのを助けるために打ち出されました。
MASは、このような節約分の割り戻しを約束するだけではなく、ロックダウンによる経済的困難に苦しむ会員のために200万ニュージーランド・ドル(1億4,000万円)の困窮基金を設定したり、いくつかの健康・福祉の取り組みを行なったりしています。
ニュージーランドでは、ロックダウンの警戒レベル3~4が発出されている間、会員が車を運転しなかったことから自動車にかかる保険金請求は通常よりも少なくなりました。
2020年9月から、MASは次年度の自動車保険契約の基本保険料を7.2%引き下げます。この引き下げは、年次の契約更新時に適用されます。
MASによると、完全な引き下げを受けるためには、会員が1年間契約を継続する必要があります。
他のICMIF会員組織もこの春以降、自動車事故の請求が減ったことを受けて、自動車保険料を保険契約者に還元する同様の取り組みを発表しました。
フランスではMAIFが、8週間のロックダウン期間中に自動車事故報告の件数が大幅に減少した後、得られた節約分の推定約1億ユーロ(125億円)を自動車保険の契約者に割り戻すと発表しました。
カナダでは、デジャルダン損害保険グループ(Desjardins General Insurance Group)が個人および企業の顧客に自動車保険料の割引を提供しました。これは3か月の期間で計算され、保険契約で言明されているとおり顧客の年間移動距離を反映します。
また、カナダではコーポレーターズ(The Co-operators)が、新型コロナウィルスがらみの制限が保険契約者の運転距離に及ぼす影響を認識し、同社の運転減少割戻し(Reduced Driving Refund)により自動車保険料を引き下げました。
アメリカのシェルター保険(Shelter Insurance)は、新型コロナウィルスが発生して以来影響を受けてきた個人の自動車保険顧客に対し4月と5月における月額保険料の30%を返還することを発表しました。
イタリアのウニポール(Unipol)は、1,000万人の自動車保険契約者に1か月分の保険料を返済すると発表しました。合計3億ユーロ(約375億円)の保険料が、新型コロナウィルスの緊急事態への対応支援のために顧客に対し返還されたと推定されます。
※ 文中の金額は1ニュージーランド・ドル=70円、1ユーロ=125円で換算