スウェーデンのICMIF会員であるフォルクサムグループ(Folksam Group)は、不動産クレジットファンドのブランズウィック・リアルエステート・キャピタルIII(Brunswick Real Estate Capital III:BREC III)に対する100億スウェーデン・クローナ(1,220億円)の投資を発表しました。これは、フォルクサムにとって一回の投資で過去最大額となります。このファンドは明確な持続可能性の目標を持つ商業用不動産に重点を置いています。
フォルクサムやKLPなどの投資家が参加することにともなう強力な制度的資本基盤を通じて、当ファンドは最長10年の不動産ローンを実行できます。ファンドの当初募集の正式な締め切りはこの秋の予定です。フォルクサムはこの投資で、持続可能な不動産投資を原資産とするローンの残高を積み上げることにより、資産ポートフォリオの分散を図っています。
ブランズウィック・リアルエステートは、120億クローナ(1,464億円)の投資家のコミットメントを確保しています。
フォルクサムグループの社長兼CEOであるユルヴァ・ウェッセン(Ylva Wessén)氏(写真)は、今回の投資について次のように述べています。「歴史的に見て多額のこの投資は、有利子資産、株式、不動産への投資を補完できる方法として優れた実例です。これは成長が著しい分野であり、この投資により低リスクで魅力的なリターンを得ることができます。」 ウェッセン氏はICMIF理事会のメンバーでもあります。
「この投資は、お客様に可能な限り高いリスク調整後リターンをもたらすという私たちの目標の一部です。BREC IIIは、不動産ファイナンスのための担保付きローンを提供する確立されたファンドです。また彼らは、持続可能性の取り組みに前向きな野心を持っており、その水準を高めるために継続的に取り組んでいます。たとえば、グリーンローンの枠組みが開発されています」とフォルクサムの副CEOで資産管理・持続可能性担当責任者のマイケル・ケラー(Michael Kjeller)氏は述べています。
フォルクサムはプレスリリースの中で、同社がBREC IIから良い経験を得たと語っています。BREC IIは、同様の不動産クレジットファンドで、フォルクサムは2016年から合計30億クローナ(366億円)を投資しました。ブランズウィック・リアルエステートは北欧地域において北欧不動産市場への主要な投資家の1つであり、不動産投資とクレジットファイナンスによる資金運用などのサービスを提供しています。
ブランズウィック・リアルエステート・キャピタルのCEOであるポンタス・サンディン(Pontus Sundin)氏は次のように述べています。「借り手が測定可能な前向きの変化に貢献できるように積極的に取り組んでいます。二酸化炭素排出量の削減やエネルギー使用のスマート化などの環境面の課題に加えて、あらゆる投資が社会の持続可能性の側面を改善することにつながることを確認したいと思います。」
ウェッセン氏は、この後開催されるICMIF「持続可能な投資リーダー」ウェビナーシリーズの一コマで話しをする予定です。この全4回のウェビナーシリーズ(2020年9月21〜23日)は、協同組合/相互扶助セクターや保険業界のその他のリーダーからベストプラクティスを聞く機会を提供し、ICMIF会員が持続可能性への取り組みを強化し、責任ある投資と持続可能な財務のあらゆる側面でリーダーシップを推進できるように手助けします。これらのウェビナーは、特にICMIF会員組織の投資、財務、持続可能性の専門家を対象としていますが、これらのトピックに関心のあるICMIF会員組織のすべての従業員が参加できます。
ウェッセン氏は、9月22日(火)午前10時(英国時間)からの「グリーンボンドおよびそれに投資すべき理由」に関するウェビナーに参加します。
今年5月、フォルクサムはスウェーデン地方金融公社(Kommuninvest)が発行したグリーンボンドに25億クローナ(305億円)を投資したと発表しました。これにより、フォルクサムグループによるグリーンボンドへの投資総額は 300億クローナ(3,660億円)となり、グリーンボンド投資において主要な保険会社に加わりました。
フォルクサムは今年3月、世界銀行グループの国際金融公社(IFC)が発行した社会貢献債に7億クローナ(85.4億円)を投資し、新型コロナウィルスのパンデミックで影響を受けた企業に財政支援を行ないました。さらに4月には、北欧投資銀行(NIB)が発行した債券に9億クローナ(109.8億円)、欧州投資銀行(EIB)が発行した債券に1億クローナ(12.2億円)を投資しました。
※ 文中の金額は1スウェーデン・クローナ=12.20円で換算