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活動の記録

AOAセミナー2016 のご報告(概要・講演資料など)

AOAセミナー2016のご報告

国際協同組合保険連合アジア・オセアニア協会(AOA)は、会員団体の役職員を対象とする「AOAセミナー2016」を2016年10月25日(火)、26日(水)の2日間にわたり開催しました。その内容などについて以下にご報告いたします。

このセミナーは、アジア・オセアニア地域の協同組合保険・共済団体の発展のため2年に1度開催されるものです。専門家による講演や加盟団体の優良事例の発表等を交えながら、社会・経済の最新の情報や加盟団体に共通する課題への対応等について考えを深めていただくとともに、会員相互の理解と交流を図ることを目的としています。

1.日程・場所

平成28年10月25日(火) 9:15~17:30

セミナー  於:JA共済ビル カンファレンスホール(東京都千代田区平河町) プログラム

平成28年10月26日(水)

JA甘楽富岡(群馬県富岡市)、コープぐんま・コープ藤岡店(同藤岡市)を視察

2.テーマ

「明日の利用者を今日つかむ」

3.主催・ホスト団体

主催     国際協同組合保険連合アジア・オセアニア協会(AOA)

ホスト団体  日本コープ共済連全労済JA共済連

4.主な内容

AOA Seminar 2016 in Tokyo
セミナー会場風景

世界の共済団体に共通の課題である『デジタル技術の活用』と『若年層による参加』について、1日目は都内でアジア・オセアニア地域におけるこれらの課題に取り組んでいる優良事例の報告を中心に会員間の情報共有を行い、2日目は、群馬県内の農協および生協を訪問して、具体的な取組み事例を学びました。

2日間という短い日程ではありましたが、上記の課題について様々な事例紹介や問題提起がなされ、懇親の場を含めて活発な意見交換がなされました。

なお、会場で記入いただいたアンケートには、国内外を問わず、「新たな気づきがあった」「自国で取り組みたいので勉強させてほしい」のほか、「他団体と交流する場が少ないので、大きな刺激となった」「現地で頑張っている職員の意気込みに負けないようにしたい」などといった、積極的なご意見が数多く寄せられました。

 

(1)「明日の利用者を今日つかむ」をテーマに事例報告

初日は、JA共済ビルカンファレンスホールに9か国29組織から200名を超える関係者が集い、共済・保険分野でのデジタル技術の現状と、デジタル技術の利用が生活の一部となっている若年層へのアプローチ方法等について講演と会員による事例報告がなされました。

総合司会は全労済生澤 千裕 常務理事が務めました。

全労済 生澤 千裕 常務理事 Chihiro Ikusawa Zenrosai

 

a. 基調講演等

JA共済連 勝瑞 保 理事長 Tamotsu Shozui Zenkyoren

セミナーの冒頭、AOA会長であるJA共済連の勝瑞保 代表理事理事長が挨拶を行い、「今回のセミナーは、従来の規模をはるかに上回る参加者となり、関心の高い話題であることを改めて実感した」と語りました。

 

 

 

 

 

全労済 中世古廣司 理事長 Hiroshi Nakaseko Zenrosai 続いて、ホスト3団体を代表し全労済中世古廣司代表理事理事長が挨拶し、「デジタルや若年層への対応が急務である一方、実践を通じて共済団体の意義や価値を社会に広く伝えることも大切」と強調しました。

 

 

 

 

 

Liz Green ICMIF  リズ・グリーン基調講演では、ICMIF上席部長のリズ・グリーン氏が、「近年、ICMIFを中心に協同組合保険組織が国連や世界銀行の総会等に招聘されていること等、社会的影響力が増大している」と報告。

グローバル評判レポート 2016
日本語版 (PDF) ダウンロード(610KB)

英語版(PDF) ダウンロード(452KB)

 

Yuji Ohkita Accenture Japan 大喜多雄志 アクセンチュア続いて、アクセンチュア株式会社大喜多雄志 マネージング・ディレクターが、「デジタル技術の発展に伴って共済・保険業界のあり方が大きく変容すること、生き残りのためにはデジタル技術の応用を前提とした仕組開発、販売チャネルの構築、付加価値の提供が不可欠となることを、様々な事例を用いて解説しました。

従来の「保険」の先へ
– デジタル・イノベーションが実現する保険ビジネス進化論

 

 

b. 取組事例の報告(域外ICMIF会員)

Bill McKinney Thrivent Financial

アジア・オセアニア地域以外のICMIF会員の優良事例として、スライベント・フィナンシャル社(米国)のビル・マッキニー 副社長が、若者を惹きつけるための取組み等を紹介しました。

「若者にとって働きたくない職場の第3位が保険業界である一方、今の仕事を選んだ理由の第2位が『組織の評判』という調査結果を受け、若手職員が企画したボランティア活動を通じて『組織の評判づくり』に取組んだ結果、4年前は僅か20件で開始した改革プロジェクトの活動が、今や11万件を超えるまでになり、協同組合運動の促進に大きく寄与している」と報告しました。

若者を惹きつける取り組みとデジタルイノベーションの活用
資料・日本語版(PDF) ダウンロード(9.13MB)
資料・英語版(PDF) ダウンロード(8.03MB)

スライベント・フィナンシャルの歴史(動画)
日本語字幕版(MP4) ダウンロード(47.7MB)
英語版(MP4) ダウンロード(48.0MB)

 

c. 取組事例の報告(AOA会員

Ken_Ng_NTUC_Income午後には、AOA会員が取組事例を報告しました。まず、シンガポールのNTUCインカム社のケン・ウン CEOが同社の取組みを発表。「共済団体が生き残るためには、消費者の行動変化に応じた組織改革が必要」と語り、同社の過去・現在そして未来に向けた改革について紹介しました。

組織の変化とデジタルイノベーション
資料・日本語版(PDF) ダウンロード(3.77MB)

資料・英語版(PDF) ダウンロード(3.65MB)
スライドショー(MP4) (日本語) ダウンロード(59.8MB)
スライドショー(MP4) (英語) ダウンロード(58.5MB)

 

日本のAOA会員からは、「大学生協共済連」・「全労済」・「日本コープ共済連」・「JA共済連」の4団体が、それぞれの活動を報告しました。

 

大学生協共済連は、大学というコミュニティを活用して学生自らが主体的に共済の推進を実施する事例を学生委員が自らの体験を交えて紹介しました。

お話しいただいたのは、大谷 光一役員室室長と副学生委員長の 升本 有紀氏のお二人でした。

大学生協共済連の特徴・課題と学生の生活実態

 

Shigefumi Miyamoto Zenrosai 宮本滋史 全労済全労済は、普及推進部WEB推進課課長の宮本 滋史氏が、加入者獲得の新たなチャネルとして構築した「WEBサイト」の現状と課題を紹介しました。

ベネフィット訴求とWEB接客について

 

 

 

Kaori Tamanaga JCIF 玉永香織 コープ共済連コープ共済連は、購買事業の中で共済事業の拡大を目指して、親しみやすいキャラクター「コーすけ」を作成し、主婦や子どもたちといったターゲット層との接点拡大を図る取組みにつき、渉外・広報部広報グループの玉永 香織氏から紹介がありました。

若年層へのPRについて
資料(PDF) ダウンロード(2.06MB)


 

JA共済連は、普及部普及広報グループ 課長の 川村晃司 氏が、妊婦や子どもとその家族を対象とした「JA共済アンパンマンこどもくらぶ」などの取組みを紹介しました。

明日の利用者を今日考える

 

 

 

この他に、AOA事務局の髙橋成人から会員向けに実施したデジタルと若者に関するアンケート調査の結果につき報告がありました。

「デジタル化」・「若年層」への取り組みにかかるAOAによる
会員アンケート(2016年3月実施)結果報告

資料(PDF) ダウンロード(573KB)

 

d. 取組事例の報告(単位協同組合)

JAおちいまばり 西坂文秀初日のしめくくりは、日本の協同組合の優良事例としてJAおちいまばり西坂文秀 直販開発部長が講演を行いました。日本最大級の規模を誇る直売所「さいさいきて屋」の誕生から現在までの取組みや子どもたちへの農業体験等ユニークな施策を次々と展開し、農業振興と地域活性化につなげている活動を紹介しました。西坂部長は、「『地域との共生』には、地域と農協とのウィン・ウィンの仕組みづくりが必要。農協は、地域の農業を強くする(農強)ところであり、農業を教える(農教)ところでなければならない」と強調しました。

地域との共生を考えた販売戦略 – 農協・農強・農教
資料(PDF) ダウンロード
(3.29MB)

 

e. 参加者の感想発表

参加者を代表し、タイUnion Life Insurance Public Company LimitedSahaphon Sangmek マネジングディレクターと、コープ共済連荻原多加資 代表理事専務からそれぞれ一日の感想を披露いただき、セミナー第1日目が終了しました。

Union Life Insurance Public Company Limited, Sahaphon Sangmek      コープ共済連 荻原多加資 Takashi Ogihara JCIF

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(2)地域に根ざした協同組合の推進現場を視察

セミナー2日目は、6か国16団体の約30名が群馬県のJA甘楽富岡とコープぐんま藤岡店を訪問し、地域に根ざした協同組合の活動を視察しました。海外からの参加者の多くが初来日であり、車窓に広がる日本の田園風景に目を凝らしながら、一路群馬県へと向かいました。

a. 強い農業作りと共済の普及推進 ~JA甘楽富岡~

JA甘楽富岡では、最初に黒澤賢治理事が「家族農業が中心の日本では、働き手に万一のことがあれば農業の継続が困難に陥り易い。共済による保障提供や高齢者介護施設の運営は、その後の家族農業の大きな支えになっている」と述べ、強い農業作りと共済の普及推進とが密接な関係にあることを説明しました。

また、吉田営農部長と飯野直販センター課長から強い農業作りの事例として、首都圏のスーパー52店舗にファーマーズマーケットを展開している取組みの紹介があり、コープみらいにも展開していることに話が及ぶと、参加者の間で「農協と生協の協同組合間連携が直接消費者の目に見える形で具体化されている」と評判になりました。

地域農業・社会を支えるJAの事業活動については、特に海外の参加者から「自国での取組みにとても参考になる」との声が数多く聞かれました。

 
 

b. スーパー内の共済相談コーナー ~コープぐんま藤岡店~

その後一行は、平日で2千人、週末で3千人を超す集客力を有するコープぐんま藤岡店を訪問し、共済部の長谷川直樹課長に店内をご案内いただきました。

店舗の入口や、広い店内に設けられた共済受付コーナーには、ゆるきゃらグランプリ企業部門で優勝した「コーすけ」が飾られており、子どもや主婦層が気軽に立ち寄れる親しみやすい雰囲気のため、買い物のついでに共済の加入や請求の相談に訪れる方も多数いらっしゃるとのことでした。

日本のスーパーマーケットでの買い物体験を皆さん大いに楽しんでおられました。

 
 
 
講演資料、写真等は講演者・関係団体の許可を得て提供しております。
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以 上     

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