ICMIF協賛会員のAMベストは、世界の再保険業界についての見通しは引き続き安定的であると本日の発表の中で述べました。これは主に新型コロナウィルスのパンデミック、ソーシャル・インフレーション、昨年の財物にかかる壊滅的なイベント発生によって引き起こされた負の市場の力が、再保険市場のハード化および業界外の投資家の資本投資意欲の回復により相殺されていることを反映しています。
AMベストの市場セグメントレポート「世界の再保険会社は新型コロナウィルスの乱気流の中で平衡を保つ」で、同社はパンデミックの最終的な影響はまだ見えていないものの、一部の会社は他に比べこれらの市場の状況にうまく対応できる位置にいるようだとコメントしています。予想はバランスシートの左右で大きく異なり、各社の商品構成（イベント・キャンセル保険、米国以外の事業中断保険、会社役員賠償責任保険、労働者災害補償保険、フィナンシャルラインが最も影響を受ける可能性が高い）や株式保有の度合、およびヘッジ戦略からの何らかの救済の有無などの要因に大きく依存します。
同時に、価格条件のハード化が機会を生み出しています。財物にかかる異常災害、スペシャルティ保険、一部の米国のカジュアルティ保険は、価格設定と補償範囲の条件で待望された改善が示されています。リスクは、良好な市場の勢いが長続きせず、過剰な再保険能力が再拡大することです。このため市場のハード化は、以前の保険引受損失の影響ならびに法的紛争のためロングテールになる可能性が高い新型コロナウィルスの不確実な影響を相殺するために十分な期間持続される必要があると考えているとAMベストは述べています。再保険会社がより強気の価格設定を維持しない場合、彼らは投資家の信頼を失うリスクがあります。
グローバルな再保険コンポジットは、5年間（2015-2019）の平均でコンバインドレシオが99.6％、株主資本利益率は5.7％となりました。ただし、このレポートでは、コンバインドレシオのパフォーマンスの3〜4パーセントは、順調な損失準備金の積み上げに起因していると指摘しています。この恩恵は減少し続けており、迅速な是正措置がなければ、業績の足かせとなるでしょう。
ハード化する市場環境を利用する企業の個々の能力は、質への逃避により影響される可能性があります。3年にわたる大きな業界の損失の後、堅実な財務力、堅固な評判と市場での地位、安定した一貫性のある透明性の高い業績を持つ企業は、引受リスクポートフォリオを最適化し、資本を引き付け有効に利用し続けるのに最適な位置にあるでしょう。AM Bestは、中期的にはセクター全体がこの困難で（かつ有望な）市場環境をコントロールできると考えています。
今回のレポートのその他のハイライトは次のとおりです。
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- スイス・リー・リミテッド（Swiss Re Ltd.）は、高い評価を受けているAMベストのグローバル再保険グループ・トップ50の年間ランキングで、引受総再保険料で世界最大の再保険者としてトップの座を維持しました。ミュンヘン再保険（Munich Reinsurance Company）は、この最新のランキングで再び2位になりました。トップ10の顔ぶれは昨年からほぼ変化がありませんでした。このレポートでは、世界の再保険会社の損害保険および生命保険の分野別のトップランキングも載せています。
- 新型コロナウィルスのパンデミックにもかかわらず、保険リンク証券（ILS）業界のCATボンドのセグメントは2020年前半に反発しました。ただし、同時に2020年第2四半期の延滞率が大幅に上昇したことは、再保険セグメントの住宅ローン関連活動に対するパンデミックによる継続的な負荷を反映しています。
- このグローバルな再保険レポートでは、ロイズと生命再保険市場、そしてラテンアメリカ、中東・北アフリカ、アジア太平洋などの地域についても詳しく説明しています。
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AMベストのシニアディレクター、カルロス・ウォンフイ（Carlos Wong-Fupuy）氏およびアソシエイトダイレクター、スコット・マンガン（Scott Mangan）氏によるレポートについての短いビデオインタビューはここで見ることができます。
AMベストは、2020年9月13日（日）午前10時15分〜午前11時45分（中央ヨーロッパ夏時間）に、毎年恒例の再保険市場説明会をバーチャルイベントとして開催します。詳細と登録については、こちらをクリックしてください。AMベストは、9月22日（火）に第2回のバーチャル市場説明会を開催します。詳細と登録については、こちらをご覧ください。
