イギリスのICMIF会員であるワンファミリー(OneFamily)は、新しい株式型 ISAおよび既にあるライフタイム ISAを支援する新たな持続可能な気候ファンド戦略を2020年9月1日からスタートすると発表しました。
これらの口座は、保有するチャイルド・トラスト・ファンドが9月上旬から満期を迎える、倫理的志向の強いティーンエイジャーに特に興味を持ってもらえると、ワンファミリーでは考えています。
ワンファミリーによると、口座保有者には次のような選択肢があります。口座保有者は資金の全額を持続可能な気候ファンドに投資することを選択できます。あるいは、全額を株式に投資したくない場合には、35%を新たな気候ファンドに投資し、残り(少なくとも65%)を固定金利の商品に投資することができます。
ワンファミリーは、この持続可能な気候ファンドが、気候変動に取り組む決意のあるグローバル企業にのみ投資することを確実にするために、投資マネージャーであるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(State Street Global Advisors)と緊密に連携してきました。
ワンファミリーの投資提案部門責任者のジョン・リー(Jon Lee)氏は次のように述べています。「私たちは相互扶助組織であり、株主に配当を払う必要がありません。そのため、会員の意向が事業上の意思決定に直接的に影響します。」
「私たちの推定では、9月以降毎月約8万件のチャイルド・トラスト・ファンドが満期になります。それらの口座には平均して2,000ポンド(27万円)の残高があります。そして、口座を保有するティーンエイジャーは気候危機について非常に意識が高く、自分の志向を支援してくれる説得力のある提案を求めています。」
「グレタ効果は、自分たちの生活のあらゆる側面にかかるティーンエイジャーの考え方に大きな影響を与えました。彼らは自分たちの信念を反映する企業に投資したいと言っています。」
「10人中ほぼ8人(79%)* のティーンエイジャーは、チャイルド・トラスト・ファンドの資金の一部または全部を貯蓄したいと言っています。それで、私たちは彼らのためにちゃんと対応し、当社のISAやライフタイムISAで運用する資金を気候変動の抑制に関する国連パリ協定に確実に整合させたかったのです。」
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのヨーロッパ・中東・アフリカ担当責任者であるクアン・コールター(Cuan Coulter)氏は付け加えました。「ワンファミリーと緊密に連携し、いまの投資家の志向とうまく調和したこの取り組みを開発できたことを嬉しく思います。この戦略は、責任ある投資を行うという私たちの使命を果たすのに役立つとともに、ビジネスにおける私たちのESG投資への注目と合致しています。」
「この持続可能な気候戦略は、低炭素投資を先導するものです。これは、CO2排出原単位を削減するとともに、今後の低炭素経済への移行に適応しそれを具体化している企業への投資を促進するように設計されています。」
このファンドはMSCIワールド・インデックスをベンチマークとしていますが、CO2排出原単位の70%削減、環境に優しくない収入の90%削減、環境に優しい収入の300%増加の達成を目指します。
持続可能な気候ファンドの投資先の各企業は、5つの特定要素に合致する必要があります。 すなわち、「CO2排出原単位」、「環境に優しくない収入」、「化石燃料」、「環境に優しい収入」、そして「適応」です。各企業は年に4回再評価され、グリーン基準を下回った企業はファンドから除外されることかから、持続可能性を維持するよう努力し続ける必要があります。
ICMIFは、持続可能な投資について詳しく知りたい会員を対象に、「ICMIF持続可能な投資リーダー」ウェビナーシリーズを開催します。この一連の4つのウェビナーは、協同組合/相互扶助セクターや保険業界のその他のリーダーからベストプラクティスを聞く機会を提供し、ICMIF会員が持続可能性への取り組みを強化し、責任ある投資と持続可能な財務のあらゆる側面でリーダーシップを推進できるように手助けします。これらのウェビナーは、特にICMIF会員組織の投資、財務、持続可能性の専門家を対象としていますが、これらのトピックに関心のあるICMIF会員組織のすべての従業員が参加できます。
※ 文中の金額は1英ポンド=135円で換算