日本のICMIF会員であるJA共済連と、同じJAグループの一員である農林中央金庫は、気候変動に伴う環境・社会課題への対策のための上場投資信託(ETF)へ各100億円、計200億円の投資を行ったことを公表しました。本ETFはグループ会社である農林中金全共連アセットマネジメント(NZAM)が運用し、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数に連動する投資効果を目指します。温出効果ガス排出量が少ない会社への投資を実施することにより、多くの企業に対して温出効果ガス削減や情報開示向上を促します。また、JAグループ内で協調し、農業に大きな悪影響をもたらす気候変動への課題解決に貢献することを狙いとしてます。
JA共済連と農林中央金庫は、農林水産業を支える協同組合組織の一員として、農林水産業と国民経済の健全な発展に資することを目的としています。現在、JAグループの事業基盤となる国内農林水産業・地域社会において、温暖化による豪雨や台風などの自然災害の増加をはじめとする、気候変動リスクが高まっています。この協調投資はJAグループとして気候変動対策に関わる姿勢をより強く打ち出したものです。
本ETFは、企業の炭素効率性(売上高当たり炭素排出量)と環境情報の開示状況に着目した商品であり、東証株価指数(TOPIX)に連動する商品と比較して、炭素効率性は約20%の改善が期待されます(農林中央金庫調べ)。加えて、こうした投資の普及は、炭素効率性と情報開示が十分でない業種・企業に対しても改善を促すような投資家の関与を喚起する要素を備えており、低炭素社会の実現に寄与する商品です。
また、本ETFは幅広い銘柄(TOPIX構成銘柄)を投資ユニバースとし、気候変動リスクを注意深く吟味して銘柄選択しつつ、TOPIXと同程度のリスク/リターン特性を有することから、日本株パッシブ運用においてTOPIX連動型商品の代替としての活用余地を備えている点も評価されています。加えて、本ETFは当該指数に連動する投資信託・ETFの中では最も管理コストが安い(農林中央金庫調べ)ことも踏まえ、東京証券取引所にて、機関投資家から個人投資家まで幅広い投資家が安定的に取引に参加しうる商品となることを期待し、200億円の投資を行いました。NZAMが組成・運用する本ETFへの投資により、JA共済連と農林中央金庫のESG投資が進むとともに、株式市場の活性化、ひいては企業の炭素効率性向上や情報開示に取組むきっかけ作りにも貢献するものと考えられます。
JA共済連は「気候変動のリスク軽減は重要です。JAグループとして大規模な投資をすることは意義深いものがあります」(調査広報部)と強調しています。
JA共済連は、今後も様々な環境・社会課題の解決に貢献する投資に取組んでいく予定です。