デンマークのICMIF会員であるLB保険グループ(LB Forsikring)は今週、新しいスマートフォンのテレマティクス・アプリをリリースしました。これにより、同グループの会員は自分の運転についてより多くの洞察が得られるとともに、免責金額を低く抑えることができます。Bilist+と名付けられたこのアプリが、将来交通事故の防止に役立つかどうかを確かめることが目標です。
Bilist +は、さまざまなアルゴリズムを介して、わき見運転、急ブレーキ、走行距離、時間帯など、LB保険グループ会員の運転行動を評価します。ドライバーは、このアプリ上で自分の行程、運転スタイル、注意力の度合を監視することができます。Bilist+によりLB保険グループの会員は、上手く運転しているときとそうでないときの全体状況が良くわかると同時に、免責金額を割り引き可能なポイントが獲得できます。安全運転のドライバーは、毎月の免責金額の割引を貯めると、最大1,500クローネ(24,900円)の節約ができます。
「交通安全の向上と事故防止に貢献したいと私たちは考えています。それがBilist +をテストする主な目的です。会員に自分の運転についての洞察と金銭的インセンティブを与えることで、より多くの人たちに自分の運転の仕方について考えてもらい、運転行動を少しでも変えてもらいたいと願っています」と、LB保険グループで戦略・イノベーション担当ダイレクターを務めるミケル・フロスト・コペンハーゲン(Mikkel Frost Kopenhagen)氏は言います。
会員に好ましい交通行動を促すために、スコアが70を超えると初めて免責金額に変換されます。Bilist +の利用者は、交通に潜在的に危険な状況が発生したときに、アプリでスコアの状況を自分で確認できます。アプリは、利用者ができる範囲まで上手く運転していない可能性がある時に、彼らにそれを知らせることができます。
「私たちはBilist+で、保険を不要にするという私たちの目的に真剣に対処しています。もちろん私たちは会員が受傷した場合のセーフティーネットですが、事故による傷害を防ぎ、事故を防ぎたいと思っています。会員が最も多く経験する被害は交通事故とそれによる負傷ですが、同時にこれは、怪我が最も致命的な結果をもたらす可能性がある領域の1つです。そのため、私たちは現在Bilist+で全く新しい手段を試し、この分野で違いを生むことができるかを確認しています」とミケル・フロスト・コペンハーゲン氏は言います。
今後9か月間の実験プロジェクト
Bilist+は現在、実験段階を開始しており、今後数か月でLB保険グループ会員の集団に提供されます。実験グループに参加するのは任意ですが、目標は今後9か月間で5,000人の会員が参加してアプリの集団テストを行うことです。
「Bilist+によって、私たちは新しく刺激的な場所に移ろうとしています。私たちは、会員に自分の運転についての洞察と金銭的インセンティブを与えることでその行動を変えられるかどうかを調査します。多くの人はすでに、ランニングやサイクリングあるいは移動の様子を教えてくれるアプリをスマートフォンに入れています。その考え方を活用して、同じことがここでも当てはまるかどうかの検証を今後数か月にわたって行ないます」と、LB保険グループのイノベーションハブであるLBetaの共同ヘッド、ロバート・キーラースタイン(Robert Kielerstajn)氏は語りました。
このアプリが集めたデータは、会員に自分の運転行動に関する洞察を提供したり、スコアを計算したり、ソリューションの技術的なメンテナンスとトラブルシューティングしたりするために使用され、実験への参加者全員にアプリが収集するすべてについて情報が伝えられます。
「保険金支払対応にBilist+のデータは使用しません。私たちは、上手に運転する人にご褒美を与えるためにデータを利用しますが、それほど上手く運転しなかった人を罰したりはしません。同時に、交通の動きに関する情報を取得しますが、これを使って運転をより安全にし、危険な状況を回避することができます。私たちは、会員がそこにメリットを感じることができると考えています」と、ロバート・キーラースタイン氏は言います。
デンマーク交通安全協議会によると、デンマークのドライバーの30%は時々わき見運転をすることがあります。2019年の致命的な衝突事故の3分の2は、わき見運転によるものでした。LB保険グループのBilist+プログラムは、デンマーク政府がハンズフリー法を強化してから1年後に開始されます。
※ 文中の金額は1デンマーク・クローネ=16.6円で換算