AOA

ICMIFサイトへ

その他のニュース

セキュリアン・フィナンシャル(アメリカ) 米国の元受生命保険会社で初の死亡率リンク証券を発行

米国のICMIF会員であるセキュリアン・フィナンシャルSecurian Financial)は、関連会社のミネソタ生命保険会社(Minnesota Life Insurance Company)を通じて1億米ドル(105億円)の保険リンク証券(ILS)の発行を成功させ、これにより同社は極度死亡率債券(extreme mortality bond)のスキームを初めて使った米国の元受生命保険会社となりました。

特別目的保険会社ラヴィ・リー(La Vie Re、セキュリアンの非関連会社)は、10月23日に投資家に対する1億米ドルのシリーズ2020-1・クラスAノートの発行を完了しました。この取引は、ウィリス リー証券Willis Re Securities)が、ICMIF協賛会員のウィリス リーWillis Re)と連携して、組成・販売されたものです。

この取引は、年間損失率ベースの実損填補トリガーを特徴とし、極端な死亡率リスクにリンクされた初のルール144A(米国内で適格機関投資家に限定して販売する私募形式の募集方法)の異常災害債券(キャット・ボンド)です。ラヴィ・リーとの契約により、ミネソタ生命は、3年間にわたって同社の団体保険事業に対して1億米ドルの完全担保付き超過損失再保険のカバーが得られます。

セキュリアン・フィナンシャルの副社長兼最高財務責任者のウォーレン・ザッカロ(Warren Zaccaro)氏は、「ラヴィ・リーの債券発行により、当社のバランスシートを守ると同時に、資本ポジションを強化し、資本効率を高めることができます。この初めての保険連動証券の発行に関し、資本市場の投資家からの歓迎を受けとても嬉しく思います。このことは、当社のポートフォリオの質と新たなリスクに対する市場の関心を確認するものです」と述べました。

「資本市場へのアクセスにより当社の再保険能力を多様化することは、当社の伝統的な再保険プログラムの自然な補完となります。この革新的な取引を通じて、当社は足もとおよび長期の財務上の柔軟性を高めます」と、ポール・ルディーン(Paul Rudeen)バイスプレジデント兼再保険担当責任者は付け加えました。

ウィリス・リー証券のシニア・バイスプレジデント、クエンティン・ペロー(Quentin Perrot)氏は、「セキュリアン・フィナンシャル初のキャット・ボンドの発行をお手伝いできたことを誇りに思っています。引受されたこのルール144Aキャット・ボンドが提供する強固な構造のおかげで、投資家はこの初の実損填補トリガー極度死亡率債券を支持しました。これは、保険リンク証券市場の開放性が高まったことを示しています。そして、想定リスクの範囲を広げるだけでなく、ミネソタ生命のポートフォリオの強さを認識した保険リンク証券市場の開放性の高まりを物語っています」と述べました。

ウィリス・リー執行副社長のジム・ファロン(Jim Fallon)氏は、「ラヴィ・リーのキャット・ボンドは、セキュリアン・フィナンシャルがより幅広い資本市場の投資家に対し長期的かつ持続可能性の高いアクセスを可能にするものです。これは、セキュリアンが利用可能なすべての再保険資本の資源を戦略的に活用していることを示しています。私たちのチームの生命、事故、健康リスクに関する深い技術的知識、クライアントと協力する能力、最適な解決策を見つける決意は、現在の市場環境の課題をうまく乗り越えるのに役立ちました。このキャット・ボンドの発行を通じて、セキュリアン・フィナンシャルとの関係を強化でき喜ばしく思っています」と付け加えました。

  キャット・ボンドの発行をアナウンスした他のICMIF会員団体

今年前半、ウィリス・リーとウィリス・リー証券は、ICMIF会員であるオランダのアクメアAchmea)とイタリアのウニポールUnipol)のために、キャット・ボンドを組成し販売したと発表しました。

ウィリス・リーとウィリス・リー証券は6月に、アクメアの再保険部門であるアクメア再保険会社(Achmea Reinsurance Company)のために1億ユーロ(123億円)の保険リンク証券を組成・販売したと発表しました。このWindmill II Re DACは6月22日に受け渡しされ、ヨーロッパの暴風雨リスクに対する1億ユーロの完全担保付きの単一トランシェによるカバーを、4年間にわたりアクメアに提供するものです。

その後、ウィリスは7月に、イタリアの大手金融グループであるウニポールの保険部門であるウニポール・サイ(UnipolSai)の保険リンク証券を1億ユーロ追加発行すると発表しました。このAzzurro Re II Series 2020-1は7月10日に受け渡しされ、イタリアおよび近隣諸国における地震リスクに対する1億ユーロの完全担保付きの単一トランシェによるカバーを、3年半にわたりUnipolSaiに提供するものです。

どちらの仕組みも、それぞれの財産災害再保険プログラム内での効果的な統合を確実にするために、伝統的な再保険取引に沿った条件によるオカランス方式の実損填補トリガーを特徴とするものでした。

※ 文中の金額は1米ドル=105円、1ユーロ=123円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

ページの先頭に戻る
トップページに戻る