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レポート

AMベスト 世界の再保険市場に対する見通しを「安定的」に維持

 

ICMIF協賛会員であるAMベストAM Best)は、良好なプライシングのモメンタムなどの要因が、よりタイトな取引件と結びつく一方で、前年度のプロパティカタストロフ・イベント、社会的インフレーション、より最近の新型コロナウィルスに関連する事業中断保険および損害保険などに伴う支払準備金の水準にかかる不確実性により若干相殺されたとし、2021年の世界の再保険業界の市場セグメントの見通しを「安定的」に維持しました。

市場セグメントの見通し:世界の再保険」と題した最新のBest’s Market Segment Reportは、現在の市場のハード化が当セグメントに有意義な影響を与えるには、少なくともそれが2~3年は続く必要があると述べています。さらに、プライシングのモメンタムは、新型コロナウィルスの影響や社会的インフレーションによる継続的な影響などの近年における損失を相殺するに十分なものでなくてはなりません。同時に、プライシング環境と市場規律の改善、損害クリープと担保の拘束の影響を受けたサードパーティーの資本提供者の役割の再評価、および世界の生命再保険セグメントの継続的な安定性は、プラス要因と見られています。

新型コロナウィルスのパンデミックは、近年損失の動きが増大しているセグメントにさらに不確実性を加えました。その結果、前年度の良好な支払準備金の水準に頼る再保険者の能力は着実に低下しています。米国のハリケーンなど、最もよく理解されているリスクに対するモデリングの堅牢性が疑問視されていますが、山火事、サイバー、パンデミックなど、モデル化がより困難なリスクの発生率は引き続き増加しています。世界の生命再保険会社は、2020年の最初の9か月間において、新型コロナウィルス関連の支払いにより収益性に悪影響が及んでいると報告しています。ただし、この影響は通常、それらの会社の損害保険事業部門におけるよりもはるかに小さいものです。

再保険に特化した資本について、AMベストの最新の推計値は2020年末時点で4,700億米ドル(48兆8,800億円)を超えています。これには約850億米ドル(8兆8,400億円)のサードパーティー資本が含まれ、この数字は数年間にわたり急伸した後は落ち着きを見せています。サードパーティー資本の流入は、過剰なキャパシティを促進し、資本コストを充足するための再保険会社による取り組みの要因となりました。しかし、頻度と支払額の増加はこれらのダイナミクスを混乱させ、拘束された資本および損害クリープに関連した問題によって、一部のサードパーティー資本投資家は自分たちの立場を再評価することを余儀なくされています。AMベストはまた、今年行われた数多くの資金調達の取り組みや、プライシングのモメンタムから恩恵を受けることを期待したいくつかのスタートアップ企業の市場参入にも注目しています。新規市場参入者は、個々の規模は大きいものの、市場全体の価格動向を変える可能性は低いです。

すべての企業が改善された市場環境を活用できるわけではありません。事業構成ならびに事業種目別の最近の引受実績が重要であり、そして「質への逃避」が役割を果たす可能性は高いです。財務力、評判、市場での地位、商品の多様性、健全なバランスシート、一貫し透明性のある引受実績が、勝者と敗者の差別化要因となるかもしれません。

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AMベストのアソシエイトダイレクターであるマリザ・コスタ(Mariza Costa)氏による世界の再保険市場セグメントの見通しに関するビデオを見るには、こちらをクリックしてください。

米国のすべての主要な保険セグメントおよび世界の再保険業界に関するAMベストの2021年の見通しについて聞く、AMベストの最高格付責任者であるステファン・ホルツバーガー(Stefan Holzberger)氏へのビデオインタビューはこちらでご覧になれます。

※ 文中の金額は1米ドル=104円で換算

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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