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JA共済連開発の「農作業事故体験VR」が2020年度グッドデザイン賞を受賞

日本のJAグループに所属しICMIF会員であるJA共済連は、農作業事故を疑似体験できる「農作業事故体験VR(バーチャル・リアリティ)」が、この度、公益財団法人日本デザイン振興会が運営する「2020年度グッドデザイン賞(カテゴリー20:取り組み・活動・メソッド)」を受賞したことを発表いたしました。

このVRは2020年4月より運用を開始し、全国のJAにおける研修会やイベント、農業関連団体による講習会、農業大学校等で活用されております。

JA共済連が2018年に実施した共済金支払データを活用した分析では、農作業事故は年間約7万件発生していると推計されます。そのうち、死亡事故発生率は建設業の2倍、全ての産業と比べると10倍以上となっており、事故の低減が喫緊の課題です。事故の多い背景には、農業では個人経営や家族経営が多く、他産業のような安全教育が行き届きにくいという構造上の課題があると考えられます。

こうした状況を踏まえて、JA共済連では、共済による事故時の保障の提供だけではなく、事故そのものを減らすことにより社会に貢献するため、「農作業事故体験VR」の開発に着手いたしました。

この度の受賞は、“農作業事故を自分ごと化できるVR”という「農作業事故体験VR」のコンセプトが事故未然防止に有用であるという点が審査委員から高い評価を受けたものです。

また、審査委員は「まるで免許講習時の映像の様な学習プログラムであり、毎年多くの被害者が出ている農作業中の事故を防ぐのに役に立つと思う。とりわけ、昨今増えている都市生活者による週末の農作業を思い浮かべると、単に映像として見せるだけでなく、VR体験に変える事によって、より具体的に事故を防ぐ事につながることが想像でき、とても大切な試みだと感じる。」と講評しております。

JA共済連では、「『農作業事故の未然防止活動』と『保障提供』を車の両輪と位置付けて、この度の受賞を機に、さらに農業生産者のリスク軽減・回避につながる活動に取り組んで参ります。」とコメントしております。

グッドデザイン賞について(参考)

グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。デザインを通じて産業や文化を高める運動として国内外の多くの企業・団体やデザイナーが参加しており、受賞作品を示す「Gマーク」は優れたデザインを示すシンボルマークとして浸透しています。

「農作業事故体験VR」について(参考)

経緯と経過

農作業事故未然防止にかかる学習プログラムは多くの農業関係者に認知されるとともに、最終的には農業者にしっかりと活用してもらう必要があります。そのため、農業関係者の関心を惹き、高い予防効果をもたらすことができるよう、従来のテキストや映像ではないVR体験型学習プログラムの開発を目指しました。

内容は、過去の共済金支払データの分析による根拠にもとづき選定。シナリオは専門用語を極力使用せず、理論的かつ平易なわかりやすい内容とし、農研機構の監修により品質を高めました。実際の農機・特殊撮影・CG合成を駆使して製作したコンテンツは、専用のVRゴーグルを用いた本格的な体験に加えて、スマートフォンにVRグラスを付けて無料の動画サイトの視聴を通じて簡易に体験することができるため、必ずしも十分でなかった学習機会の増大に貢献しています。

「農作業事故体験VR」の内容

重大事故につながりやすい農機の事故に注目して、「乗用型農機の転倒」、「歩行型農機の制御」、「さまざまな農機との接触」の3つのテーマでコンテンツを開発。「VR映像」に加えて、事故の発生原因や安全対策にかかる「学習動画」を合わせて製作しました。

 

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

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