慈善セクターはパンデミックの被害を最も大きく受けた分野の1つであり、今年(2020年)、英国の慈善団体の10分の1が破綻に直面しています。NFUミューチュアル慈善信託(NFU Mutual Charitable Trust)は10の英国の慈善団体を支援するために2020年末に23万5千ポンド(3,290万円)の寄付を追加しました。
これにより、2020年の同信託の寄付総額は109万2,500ポンド(1億5,295万円)となり、年間で20組織が資金を受け取りました。この寄付の増額は、農村を基盤とした保険団体でICMIF会員でもあるNFUミューチュアル(NFU Mutual)からの、パンデミックにおいて慈善団体が回復力を維持できるよう支援することを目的とした、75万ポンド(1億500万円)の追加拠出の約束によって可能になりました。
今年、この資金拠出は、孤立の問題に取り組み、メンタルヘルスと福祉を支援し、農業教育とイノベーションを通じて若者の生活を豊かにするプロジェクトなど、さまざまな取り組みを支援するのに役立ってきました。
これらの取り組みの効果には次のようなものが含まれます。
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- RSABI(土地で生計を立ててきた人々の苦難と貧困の救済に取り組むスコットランドの慈善団体)からの523世帯に対する支援
- サマリア人協会(Samaritans)(イギリスとアイルランドにおいて、精神的苦痛を抱える人、どうしたらよいか悩んでいる人、自殺の危険にさらされている人などに精神的サポートを提供する慈善団体)による、電子メール、電話、手紙を介して100万回以上提供された支援
- LEAF Education(持続可能な食料生産と農業に関するバランスが取れかつ情報に基づく洞察を若者に提供するために活動する慈善団体)が提供する教師向けの延べ16,309時間に及ぶ継続的な専門能力開発
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直近の寄付の恩恵を受けることになった慈善団体は以下のとおりです。
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- Addington Fund
- LEAF Education
- National Federation of Young Farmers’ Clubs (NFYFC)
- Open Farm weekend NI
- Prince’s Countryside Fund
- Royal Agricultural Benevolent Institution (R.A.B.I)
- RSABI
- Rural Support
- Samaritans
- YFCU
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寄付はすでに利用可能となっており、通常の募金活動の多くが中止された困難な一年を経た後であっても、各慈善団体が大事な支援サービスを提供し続けることを可能としています。
NFUミューチュアルのグループ最高経営責任者(CEO)であり、ICMIF理事会のメンバーでもある、グループ最高経営責任者リンゼイ・シンクレア氏は次のように述べています。「NFUミューチュアル慈善信託が1998年に設立されて以来最大の寄付額となりましたが、NFUミューチュアルは、生活を変えより良い未来への希望を与えるイギリス各地の慈善活動を支援してきたことを誇りに思います。」
「今年は多くの募金イベントが中止を余儀なくされましたが、これらの慈善団体のサービスに対する需要は高まっています。私たちは、彼らがそのニーズを満たし、将来に向けた回復力を構築するのを支援し、特に困難な時期において地域社会に対する実践的で精神的なサポートを維持したいと考えています。」
※ 文中の金額は1ポンド=140円で換算