イギリスの専門保険会社でICMIF会員のエクリージアスティカル保険グループ(Ecclesiastical Insurance)は、英国の慈善セクターが直面するリスクを特定する2回目のチャリティ・リスク・バロメーター(Charity Risk Barometer)を公開しました。その調査結果は、ブローカーがチャリティ顧客を支援する役割を果たしていることを示しています。
主な調査結果は次のとおりです。
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- 資金調達の喪失はチャリティ団体にとり依然として最大の脅威です
- 新型コロナウィルスの悪影響は、次の5年間の計画よりも、次の6か月の存続がチャリティ団体にとってより重要であることを意味します
- 世界的パンデミックは、チャリティ団体がサービスを提供し続けるために適応し、革新しなければならなかったことを示しました
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この詳細な調査では、慈善セクターが直面する差し迫った新たなリスクを検証し、ブローカーが顧客にリスク管理のガイダンスを提供するのを支援する独自の洞察を提供しています。
新型コロナウィルスが避け得ぬ物語の糸であることが判明し、チャリティ団体が直面する最大のリスクである資金調達の喪失などを含む既存の懸念が高まっています。パンデミックが経済的懸念を増幅させる中で、英国のチャリティ団体の4分の3弱(71%)が、新型コロナウィルスの直接的結果である資金調達の喪失についてより懸念していると述べています。
チャリティ団体はより少ない費用でより多くを行おうとしており、ロックダウンを通じてリモートで活動するという課題も相まって、チャリティ団体の44%がストレスによる心身の疲労を彼らの活動に対する重大な脅威としてランク付けしました。
調査により向こう12か月間において特定される上位5つのリスクは次のとおりです。
1. 資金調達の喪失 55%
2. 従業員の心身疲労 44%
3. 政情不安 43%
4. 新型コロナウィルスの制限によるサービス利用者のニーズへの対応 42%
5. ブレグジット 35%
レポートは、短期、中期、長期にわたるチャリティ団体の主要な懸念事項を捉え、その調査結果はチャリティ団体が直面する問題の概観を示し、ブローカーが顧客と協力してこの困難な時期を乗り切るのに役立つ解決策を見つけるための洞察を提供します。
エクリージアスティカル保険グループのチャリティ担当ダイレクターであるアンガス・ロイ(Angus Roy)氏は次のようにコメントしています。「チャリティ団体は課題への対処に慣れてきましたが、今年は募金活動による資金調達の喪失、企業パートナーや一般の人びとからの寄付の減少という最悪の状況になり、ニーズの高まりのために多くのチャリティ団体が危機的状況に置かれています。」
「英国のチャリティ団体の主要な保険会社の1つとして、エクリージアスティカルの目標は、慈善セクターの戦略的パートナーになることです。私たちの目的は、お客様が自らのリスクを特定して管理できるようにするだけでなく、お客様と協力してより長期的な解決策を提供することです。それは、新型コロナウィルスの霧から抜け出す際に重要になると私たちが信じるものです。」
「ブローカーは、チャリティ顧客がリスクを理解し管理するのを助ける上で重要な役割を果たしています。この新しいレポートがお客様に貴重な洞察を提供できることを願っています。」
当レポートの完全版は、https://www.ecclesiastical.com/insights/charity-risk-barometer-2020/ でご覧いただけます。
このバロメーターの発表は、英国のチャリティ団体を支援するためのエクリージアスティカルによる昨年の数々の取り組みに続くものです。これらの取り組みには、2020年9月に行われた、英国を拠点とするチャリティ団体が貴重な資金を調達するのに役立つさまざまなリソースを備えた資金調達ハブの開発にかかる発表も含まれます。
2020年11月、エクリージアスティカル保険グループは、120の異なるチャリティ団体に1,000ポンド(14万3千円)の寄付という早いクリスマスプレゼントを贈ることとし、2020年12月7日~22日の平日に毎日10人の当選者を発表することを明らかにしました。また同じく先月、全国の10のチャリティ団体が、エクリージアスティカル保険グループによる「慈善活動賞(Movement for Good awards)」の一環として、それぞれ5万ポンド(715万円)の贈り先として選ばれたことが発表されました。この賞によって、昨夏イギリス全国のチャリティ団体には総額で100万ポンド(1億4,300万円)が贈られ、うち500のチャリティ団体にはすでに2020年前半に各々1,000ポンド(14.3万円)ずつが授与されました。
※ 文中の金額は1英ポンド=143円で換算