デンマークのICMIFメンバーであるLB保険グループ(LB Forsikring)は、40万人を超える会員が怪我、損害、損失を未然に防ぐのに役立つソリューションを見つけることができるよう、新しい知識センター( Knowledge Centre )を設置しました。
「予防のための知識センター」とは、LB保険グループの新たな取り組みの名前で、保険やリスク保護から予防への移行によって、「保険を余分なものにする」という、相互保険会社の戦略的目標に向けて支援するものです。
LB 保険グループは、今後5年間だけで、水害(洪水)や交通被害(事故)などの損害を軽減または完全に防止するための対策に約25億クローネ(437億円)を費やすと見込んでいます。
予防のための新しい知識センターは、予防に関する新しい知識を作成し、記録します。この知識の照合は、デンマーク工科大学(DTU) を含む他のパートナーとの共同作業によって行われます。
DTUと共同で、増水と水害に関連する行動についての最初のプロジェクトが開始されたばかりです。
「屋根の穴を塞ぐには、それらがどこにあるかを知る必要があります。これは個人の住宅所有者にも当てはまりますし、会員の地下水の増加、交通安全、さらには40万人の会員のストレスや福祉などの問題を考えると、保険会社として一般的に当てはまります。」
「予防のための知識センターによって、私たちは現在、会員が直面している課題や社会全体が直面している課題について、知識を外部と共有すると同時に独自の知識を増やしています。」とLB保険グループの戦略・イノベーション部門のディレクターであるミッケル・フロスト・コペンハーゲン(Mikkel Frost Kopenhagen)氏は述べています。
気候行動に関するDTUとの協力
新しい知識センターは、最初の知識創造プロジェクトを開始したばかりです。DTUは気候適応への投資を通じて洪水のリスクを軽減する必要性に対する知覚リスクと態度に関する知識とデータを取得するのを支援しています。
「このプロジェクトは、暴風雨や大雨による洪水や増水のリスクについて、人々がどのような情報を受け取っているかを理解することを目的としています。リスクに関する情報が、人々の行動意欲にどのように影響するのか。もちろん、長期的には洪水を減らすための予防策を講じてもらうことが目標ですが、まずは、受け取った情報に基づいて人々のリスク選好度を調べます。ここでは、全国に分散する大規模なターゲットグループを持つことに大きな価値があり、LB保険グループにはこれがあります。」と、DTUの気候経済学教授のカーステン・ハルスネース(Kirsten Halsnæs)氏は述べています。
「DTUとの共同研究は、私たちが社会全体に価値をもたらす知識を生み出すために、どのように他社と協力していくかを示す良い例です。また、気候、モビリティ、福祉などの分野で活動している他の教育機関やNGOなどと同様の協力関係を結んでいきたいと考えています。」とミッケル・フロスト・コペンハーゲン氏は述べています。
予防のための知識センターは、LB保険グループの戦略およびイノベーション部門の一部として設立され、2021年4月1日からケネス・ウォルストラップ(Kenneth Wolstrup)氏が主導します。
※ 金額は1デンマーク・クローネ=17.48円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.3.26