イギリスのICMIFのメンバーであるロイヤル・ロンドン（Royal London）は、市場をリードするフィンテック(FinTech、注1)業者であるウェルス・ウィザーズ社(Wealth Wizards)の買収を発表しました。
ロイヤル・ロンドンは、ガイダンスや財務アドバイスをより身近で手頃なものにすることに情熱を注いでおり、今回の取引により、ロイヤル・ロンドンとウェルス・ウィザーズ社の文化、スキル、テクノロジー、能力が相互に補完しあうことになると述べています。
この買収は、ファイナンシャルアドバイザーに対するロイヤル・ロンドンのコミットメントを強化するもので、アドバイスの提供の効率化するための高品質でテクノロジーを駆使したソリューションに対するニーズの高まっていることを認識しています。ウェルス・ウィザーズ社の提案は、アドバイスプロセスの主要部分を自動化し、顧客にデジタルインターフェイスを提供することで、アドバイザーが優れた顧客体験( client experience、注2)を提供し、リスクとコストを削減し、アドバイスの規模を拡大するのに役立つとしています。
ロイヤル・ロンドンは、ウェルス・ウィザーズ社の提案により、従業員がより良い財務上の意思決定を行い、より良い財務上の成果を確保することを目指す雇用主やアドバイザーをサポートできるようになるとしています。ロイヤル・ロンドンは、年金プロバイダーの大手として、自動加入によって職場の年金制度に加入した顧客を支援する立場にあります。これらの顧客はサポートを求めており、雇用主やアドバイザーと協力してそのニーズに応えることは、顧客との関係を維持し、深めるために不可欠な要素です。
ロイヤル・ロンドンのCEOであるバリー・オドワイヤー(Barry O’Dwyer)氏は、「私たちは、ウェルス・ウィザーズ社が提供する革新的な技術に感銘を受けており、同社が私たちのビジネスに加わることを嬉しく思います。アドバイスがお客様の生活にプラスの影響を与えることを日々実感しており、英国におけるアドバイスのギャップを克服するためにアドバイザーと協力していきます。」
「今回の買収により、私たちがすでに提供している最先端のサポートとサービスに市場をリードする技術やプロセスを加えて強化することができます。これにより、アドバイザーの効率化や職場のお客様への提案の幅を広げることができます。」
「相互会社として、私たちの投資決定はお客様に提供される利益によってのみ行われており、今回の買収は、これを実践した好例です。ウェルス・ウィザード社をロイヤル・ロンドンに迎えることを楽しみにしています。」と述べています。
ウェルス・ウィザード社のCEOであるアンドリュー・ファース(Andrew Firth)氏は、「ロイヤル・ロンドンは、ファイナンシャルプランナーやアドバイザーをサポートするだけではなく、ガイダンスやファイナンシャルアドバイスをより利用しやすく手頃なものにすることに情熱を注いでいます。長期的な投資が可能で、アドバイスの価値を私たちと同じように強く信じている企業にの一員になれたことを嬉しく思っています。今回の取引は、当社の顧客(clients)、お客様(customers)、従業員、そして事業全体にとって素晴らしい成果となりました。」
「2015年以来、リバプール・ビクトリア(注３)が主要な投資家としてウェルスウィザード社に提供してくれたサポートに感謝しています。彼らの今後の活躍を願っています。」と述べています。
注１： 金融（ Finance ）と技術（ Technology ）を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけた革新的な動きを指す。
注２：商品やサービスに対する金銭的・物質的な価値だけではなく、商品を使用したときやサービスを受けたときに感じる心理的・感覚的な価値を指す。選定、購入、利用、サポートまでの経験を通じ、顧客が感じる経験価値を実現する経営コンセプトで、長期的な企業のファンを増やす経営手法の1つ。
注３：1843年に設立された英国最大の共済組合(フレンドリー・ソサエティ、Friendly Society)で、保険、生命保険、投資・年金を提供している。
ICMIFサイトの英語ニュース記事（以下にリンクを表示）を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.4.9
