スイスのICMIFメンバーであるモビリア(LaMobilière)は今週、Flatfox不動産ポータルを買収したと発表しました。Flatfoxは、不動産の無料マーケットと、オンライン不動産レンタルプロセスのためのインテリジェントツールを提供します。今回の買収により、モビリアは住宅関連のサービスを拡大し、この市場での地位を確固たるものにしていきます。
Flatfoxは、スイスを代表する不動産プラットフォームです。15人の従業員を擁するチューリッヒに本拠を置くこの会社は、個人や企業が不動産広告を無料で掲載できる市場を提供しています。また、不動産業者などのビジネス顧客にオンラインレンタルプロセス専用のソフトウェアを提供しています。特に、不動産会社は、自社の管理ソフトウェアをスイスの主要な不動産ポータルにリンクさせ、テナントとのすべての通信を1つののプラットフォームで管理することができます。これにより、賃貸プロセスの効率化が図られるだけでなく、積極的な行動が可能となり、新しいテナントをより迅速に見つけることができるようになります。
Flatfoxの買収は、モビリア住宅(Mobilière Habitat)のエコシステム(注)事業の発展にとって重要なステップです。このエコシステムの主な柱は、自動車、不動産、求人広告、保険・金融などのプラットフォームを含むオンライン市場「Scout24SuisseSA」(スイスを拠点に活動するメディアグループのRingierとモビリアのジョイントベンチャー)、ユーザーがスイス全土の職人を探すことができるオンライン職人プラットフォームの「Buildigo」(Buildigo online craftsman platform)、そしてモビリアが少数株主として出資する不動産管理ソフトウェア会社である「GaraioREM」と共同で立ち上げたテナントポータル「aroov」です。
完全なソリューションの開発のためのFlatfoxとaroovのコラボレーション
モビリアには、GaraioREMと共同で所有しているaroovテナントポータルがすでにあります。Flatfoxとaroovは、引き続き独自のブランドで運営を続けていきます。モビリアによると、このオープンなエコシステムの中で、それぞれのサードパーティとのパートナーシップを継続または促進していきます。
「Flatfoxには魅力的な機能、強力な顧客基盤があり、そしてやる気のある創設者のチームが残ってくれています。」とモビリアのCOOであるアンドレア・クレイナー(Andrea Kleiner)氏は述べています。「aroovとFlatfoxの連携により、消費者に興味深いサービスを提供することができます。不動産関係者は、適切なタイミングで入居者に適切な提案をするできる包括的なソリューションの恩恵を受けています。」
テナント市場に焦点を当てた行動をとるFlatfoxやAroovとは異なり、Liivaプラットフォームは住宅所有者に焦点を当てています。このプラットフォームは、モビリアとライファイゼン(Raiffeisen)の提携により実現したもので、現在の予定では2021年夏にサービスを開始する予定です。FlatfoxのCEOであるベルンハルド・メーダー(Bernhard Mäder)氏は次のように述べています。「モビリアのような強力なパートナーを得たことで、aroov社と力を合わせてデジタルレンタル市場の可能性を最大限に引き出すために、市場調査や製品開発に共同で取り組むことができます。」
「Flatfoxとのコラボレーションに満足しています。それぞれがそれぞれの強みを発揮することができ、同時に、私たちはお互いにメリットを享受することができます。お客様にとっても、より優れたサービスを利用できるようになるため、メリットがあります。」とAroovの常務取締役であるマティアス・フリーデン(Matthias Frieden)氏は付け加えます。
注: 事業の枠や国境などを超えて企業同士が連携・共存していく仕組み を指すマーケティング用語。
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
https://www.icmif.org/news_story/la-mobiliere-acquires-the-flatfox-real-estate-portal/
掲載日付2021.4.9