フィンランドのICMIFメンバーであるローカル・タピオラ(LocalTapiolaGroup)は、フィンランドの2つの林業組織、「Metsänomistajat(森林所有者)」と「MTK-säätiö(MTK Foundation)」と協力して、2021年5月にすべてのフィンランドの高校に気候変動に関する本を寄贈しています。
本の寄贈の目的は、気候変動とそれに影響を与える問題に対する若者の意識を高めることです。フィンランド語圏の高校に、ペッテリ・ターラス(Petteri Taalas、Secretary-general of the World Meteorological Organization:世界気象機関・事務局長)の著書「気候科学者の目で見た気候変動」(Climate Change the Eyes of a Climate Scientist)が寄贈されます。また、スウェーデン語圏の高校には、ビル・ゲイツの著書「気候災害を回避する方法:私たちが持っている解決策と私たちが必要としているブレークスルー」(How to Avoid a Climate Disaster:The Solutions We Have and the Breakthroughs We Need)のスウェーデン語版が寄贈されます。両言語圏の高校に、合計7,600冊の本が5月中に寄贈されます。
受け取った本は、教育目的や6月に卒業する学生へ配布(するなど、高校側で自由に活用することができます。
「気候変動は私たちの時代で最も深刻な問題の1つであり、そその対策には行動と知識が必要です。私たちは、気候変動とそれがもたらすリスクについての知識と理解を深めるために、その役割を果たしたいと考えています。責任ある業務遂行を通じて、お客様と社会全体の安全性、経済的成功、および幸福の向上を目指しています。」と、LocalTapiolaの責任および広報担当部長(Director of Responsibility and Public Relations )であるイーヴァ・サルメンポーヤ(Eeva Salmenpohja)氏は、述べています。
「大雪の冬、大雨や暴風雨、強風、長時間の暑さなど、気候変動によって引き起こされる異常気象の増加は、すでに様々な怪我や安全のリスクとして人々の日常生活に現れています。将来的には、気候変動の影響はフィンランド社会でもますます顕著になるでしょう。」
「生命保険会社である私たちは、リスク管理の専門家です。リスクを特定することで、たとえば責任投資を通じて解決策に対応することもできます。」と、サルメンポーヤ氏は述べています。
「森林は気候変動を緩和する上で重要な役割を果たしています。森林が二酸化炭素を封じ込め、木質バイオマスや土壌に蓄える能力は、大気中の二酸化炭素の量を減らします。同時に、再生可能な原材料を生産することができ、気候変動の影響を受けず、森林の生物多様性を維持することができます。」と、MTKの森林局長であるユハ・ハッカライネン(Juha Hakkarainen)氏は述べています。
この図書寄贈は、フィンランドの「研究情報年2021」に含ます。教育文化省、フィンランド・アカデミー、科学協会の代表団によって主催される「研究情報年2021」は、研究情報とその役割についての多様なイメージを形成するイベントや行動を集めたものです。研究データ、統計、調査、分析などの情報源は、年間を通じて、特に子供や若者に創造性、熱意、未来への信頼を提供することを目的としています。
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.5.20