スイス再保険総合研究所(スイスRE総研)は本日、世界の保険料の動向をまとめたシグマレポートの最新版を発行しました。1968年以来、シグマレポートは保険料データの最高の情報源であると多くの人に支持されています。このレポートには、国別の保険料、普及率、保険密度(人口一人当たり民間生損保保険支出額、insurance density)、および主要なマクロ経済指標が含まれています。また、保険業界を取り巻く経済的・社会的背景についても詳細に分析しています。
2021年のレポートでは、COVID-19からの力強い世界経済の回復により、2021年の世界の実質国内総生産(GDP)の成長率が5.8%と、歴史的に高水準になると予測しています。スイスRE総研の調査結果によると、世界の保険料はこの力強い成長に追随し、2021年には3.3%増加して総額6.9兆米ドルになると予想されています。レポートでは2022年の保険料の伸びを3.9%と予測しています。2021年には、主要市場の保険料成長率は中国が6.3%、米国が1.7%、西ヨーロッパが2.8%、新興市場は5.6%と予測しています。
また、インフレやデジタル化などの要因が保険業界の発展に影響を与えているかを検証しています。スイスRE総研によると、保険会社にとっての重要な機会は、COVID-19パンデミックによって強化された消費者意識の好転です。レポートは、パンデミックにより健康保険や保障型商品の価値に対する認識が高まったことで、2020年に世界の健康保険の保険料が1.9%、保障型保険の保険料が1.7%増加したことを紹介しています。
スイスRE総研のグループチーフエコノミスト、ジェローム・ヘゲリ(Jerome Haegeli)氏は次のように述べています。「2022年末までに世界補保険業界は過去最高の7兆米ドル(775兆2,500億円)を獲得すると予想しています。次の経済ショックへの最善の備えは、経済的バッファーを用意しておくことです。しかし、財政・金融面でのバッファーが枯渇しつつあるため、民間保険セクターの重要性はますます高まっています。保護格差の縮小を経済政策の目標とする必要があります。
ヘゲリ氏は次のように続けています。「2021年と2022年に予想される景気回復は順調に進んでおり、これが世界中の保険料の伸びの重要な要因となっています。予想される世界の保険景気回復は順調に進んでおり、これは世界中の保険料の伸びの重要な要因です。注目すべき主な市場は中国で、経済成長と再保険料の成長の両方が力強いペースで続いています。消費者の意識は明らかに重要な成長要因であり、これはパンデミックによって促進されました。民間の医療保険であれ企業のサプライチェーンの中断であれ、人々は保険とは何か、そしてそれがそのような危機からの回復にどのように役立つかについて、より深く認識するようになりました。」
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※ 文中の金額は1米ドル=110.30円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.7.14