AOA

ICMIFサイトへ

AOA会員ニュース

1CIS(フィリピン)は新しい事業提携により、貸付の信頼性と総合金融を高めます

1CISP partnership with TransUnion - August 2021

フィリピンの1CISP( 1 Cooperative Insurance System of the Philippines )とそのパートナーであるTraXion Techは、情報・洞察力に優れた企業であるTransUnionと、フィリピンの銀行サービスが行き届いていない地域の協同組合に同社のソリューションを提供することで合意しました。1CISPの組合員は、より豊富なデータソリューションにアクセスできるようになるため、地域社会や見込み客へのサービスを向上させ、総合金融(Financial inclusion)を促進することが可能になります。

1CISPは、主に恵まれない地域の協同組合に対して、生命保険・損害保険や幅広い金融サービスを提供すること支援を行っています。この2つの組織が協力して、保険、ローン、投資、請求書への支払い、その他の金銭サービスの利用、DigiCoop仮想市場へのアクセスなどの機能を持つDigiCoop Webサイトを立ち上げ、運営しています。その技術パートナーであるTraXionTechは、取引管理システムを専門とするシステムインテグレーション企業です。このウェブサイトは、農村地域での総合金融をサポートする便利なオンラインプラットフォームを提供します。

今回の提携により、TransUnionは、1CISPとその会員の協同組合に、DigiCoopプラットフォーム内で統合されすぐに使用できる信頼性の高い信用スコアリングおよびレポートシステムを提供します。これにより、協同組合は組合員の簿外の信用行動を可視化できるようになり、既存の借り手や新規申込者の信用力をより効率的・効果的かつ低コストで評価できるようになります。そして、協同組合のポートフォリオ管理が改善され、協同組合の競争力が高まり、地域社会への信用供与の幅を広げることができます。

フィリピンには約3,000の協同組合があり、農民、公務員、教師などの個人会員にサービスを提供しています。1CISPの会員協同組合は、TransUnionのソリューションを通して、より迅速で便利なローン申請プロセスを提供しながら、会員の個々の財政を反映した、よりカスタマイズされた製品やサービスを人々に提供できるようになります。

「テクノロジーはサービスの提供という点で大きな役割を果たしており、パンデミックの最中でもDigiCoopプラットフォームやその他の取り組みが重要な役割を果たしました。TransUnionのソリューションが加わることで、私たちはサービスを提供する地域社会と組合員に保護とリスク軽減を提供する責任を果たすことができます。」と1CISP社長のロイ・ミクラット(Roy Miclat)氏は述べています。

COVID-19の期間中、草の根ファイナンス(Grassroots finance)は好調に推移しており、私たちはこのポシションを強化したいと考えています。TransUnionとの提携により、協同組合の貸付能力をさらに強化することができます。より良い洞察があれば、すべてのローンを手作業で処理する必要がなくなり、クレジットサービスを拡張する際の意思決定が加速されます。」

協同組合は主に農村地域を対象としており、経済的・人的資本の開発の機会を提供することで地域社会の生活を維持し、社会的に疎外された組合員の権利を高めるうえで重要な役割を果たしています。パンデミックの間、1CISPの下のほとんどの協同組合は会員数が8-10%増加しました。これは、COVID-19が地域社会や家計に及ぼした経済的影響に対処するため、多くの消費者が金融支援を求めたためです。組合員の急増に対処するため、1CISPTraXion TechDigiCoopプラットフォームを立ち上げ、社会的に距離を置く習慣がある協同組合にも参加してもらい、この困難な時期にもクレジットおよびデジタル金融サービスへのアクセスを継続的に提供できるようにしました。

「技術提供者として、地域社会にサービスを提供する上での最大の問題点は、インフラストラクチャの不足です。1CISPやTransUnionとともに、協同組合は以前は対面でしか提供できなかったサービスをバーチャルに展開できるようになりました。TransUnionのサービスをDigiCoopプラットフォームに統合することで、協同組合は組合員に必要なローンを提供することに伴うリスクを軽減し、検討するのに役立つ、より優れた洞察力と情報にアクセスできるようになりました。同時に、組合員は能力を高め、協同組合が提供するさまざまな金融サービスへのアクセスを拡大することができます。」と、TraXionTechCEOであるアン・クイジア(Ann Cuisia)氏は述べています。

データ共有契約の一環として、1CISPTransUnionのデータベースにデータを提供し、分析力を強化します。最終的には、地方の開発と国づくりの目標達成に向けてすべての利害関係者が力を合わせて取り組み、特定の目標を達成するための共同体としての団結・仕事・協力の精神を意味する、「バヤニハン」の取り組みになるでしょう。

「この提携は、サービスの行き届いていない消費者に必要な金融サービスへのアクセスができるようになるため、大きな節目になります。私たちは、1CISPTraXionTechのように、フィリピン人が誰も取り残されないように総合金融を向上させるというビジョンを共有する組織と協力できることを誇りに思います。これは序章に過ぎません。さらに多くの協同組合をTransUnionに加盟させ、それぞれのニーズに合わせてソリューションをカスタマイズする中で、常に進化し続けることになるでしょう。」と、TransUnion Philippinesの社長兼CEOであるピア・アレリャーノ(Pia Arellano)氏は述べています。

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/new-partnership-for-1-cooperative-insurance-system-of-the-philippines-1cisp-to-boost-lending-confidence-and-financial-inclusion/

掲載日付2021.8.11