仕事の成功を祝うには、リラックスできる年末イベントが一番です。会社の同僚と集まって食事をしながら、お互いに感謝の気持ちを伝えあうことは、通常、1年の仕事を締めくくるのに最適な方法です。しかし、南アフリカのAVBOBの情報通信技術(ICT)チームにとって、2020年は特別な年であり、特別な終わり方を求められました。
ICT部門は、COVID-19のパンデミックの初期段階とその後の全国的なロックダウンの間、事業継続性を確保する上で重要な役割を果たしました。パンデミックの結果として生じた問題を解決するために、部門は精力的に取り組みましたが、そのためには職場だけでなく、地域社会などの重要な分野でもパンデミックの影響を認識しなければなりませんでした。
年末をどのように祝うかについてICTが話し合ったとき、ある提案が目に留まり、最終的にICTのメンバー全員に支持されました。パンデミックのために問題が山積していることを踏まえ、チームは年末の行事に割り当てられたお金を価値のある目的のために寄付することに決定しました。最終的に選ばれたのは、知的障害と身体障害のある子供たちに教育と訓練を提供しているプレトリアのアルマ スクール(Alma School in Pretoria)でした。彼らが緊急に必要としていたコンピューター教室は、ICTチームが独自に解決することができる問題でした。
「知的障害や身体障害を持つ学習者が尊厳を持って生活できるようにく」という学校のビジョンは、ICTチームの心を動かしました。学校では、子供たちを気遣うだけでなく、学校が適切に運営され、学校に寄付されたすべての資材を適切に管理する、プロフェッショナルで献身的なスタッフが働いています。
学校でコンピューターを学ぶことは簡単なことではありません。その後の学校訪問では、完了する必要のある作業規模の大きさに驚かされました。学校で行われているコンピューターの授業は、子どもたちがテクノロジーに触れることで成長を助けるだけでなく、年長の子どもたちは管理やITのスキルを身に付けることで、将来的に収入の手段として活用できるようになるため、非常に重要なものとなっていす。
学校のコンピュータ教室の問題は、教室の広さでした。学校には、とても小さくて設備の整っていないコンピューター教室が2つありました。車椅子は教室に入ることができないため、車椅子を使用する子どもたちは教室の前の方に座らなければならず、クラスメートが正面のスマートボードにアクセスできないようにするか、授業を完全に欠席しなければなりませんでした。歩行補助器具を使用する子どもたちは、教室の前の数席に制限されていました。
AVBOBのICTチームが学校に資金を寄付のの意向を伝えたとき、20人の生徒を楽に収容できる十分な広さの部屋が見つかりました。しかし、この部屋を設備の整ったコンピューター授業用の教室に変えるには、ネットワークケーブルの敷設や設置、ネットワークキャビネットの設置など、多くの作業が必要でした。さらに、教室のカーペットは徹底的に掃除する必要があり、壁はペンキを塗り直す必要があり、最後に老朽化した木の床の張り替えも必要でした。
幸いなことに、ネットワーク配線はAVBOBの自社リソースを使用して行われ、クリス・キース(Chris Keetse、ネットワークおよびテクニカルサポート担当)氏とウィリアム・ケケ(William Kekae、ネットワークおよびテクニカルサポート担当)氏は、ネットワークのインストールを専門的かつ驚くべき方法で完了させました。チームは残りの改装サービスのための材料を購入し、学校の職員は塗装などの追加支援を行いました。
2021年5月6日(木)、AVBOBのICT部門は教室のお披露目に出席して大喜びしました。チームのメンバーは、子供たちをきちんと収容できるようになった美しい新しい教室をようやく目にすることができ、本当に素晴らしい瞬間だったと報告しました。校長のピートマン・スワンフォエル(Pietman Swanepoel)氏は、達成された仕事に心から感謝の意を表しました。「AVBOBは「私たちはあなたのためにここにいます(We’re Here for You )」という言葉で知られていますが、今日、私たちはAVBOBが私たちのためにここにいることを実感しています。」
この教室で学ぶ生徒たちへのメッセージとして、ICTチームがデザインしたプレートを教室の入り口に取り付けました。「恐れなし、限界なし、言い訳なし、信じる(NO FEAR, NO LIMITS, NO EXCUSES, BELIEVE”)」という言葉がこの教室で学ぶ生徒たちが夢の実現に向けて一生懸命努力するためのヒントになることを願っています。
教育と識字率の向上はAVBOBにとって非常に重要な課題であり、2012年にAVBOB財団を正式に設立し、企業の社会的投資(CSI)への取り組みを行っています。同財団は主に識字率向上に力を入れており、学校や図書館の建設を主導し、芸術面でも大きな支援を行ってきました。
この財団の取り組みのハイライトは、「AVBOBコンテナ・ライブラリ・プロジェクト」です。このプロジェクトは、南アフリカのハウテン州テンビサにある小学校に最初の図書館が寄贈された2013年に始まりました。これらの図書館は、輸送用コンテナを改装して作られており、ソーラーパネル(コンピューターや照明に電力を供給できる)、木製の積層床、本棚、黒板、テーブルと椅子、約3,000冊の新しい本が備えれています。このプロジェクトは大成功を収め、その後、基礎教育局(DBE、Department of Basic Education)に9年間で60の図書館を提供することが約束されました。
AVBOBは、教育は社会問題であり、コンテナ・ライブラリ・プロジェクトは何千人もの若い生徒の生活に長期的に良い影響を与えると考えています。このプロジェクトはすでに南アフリカ全土の地域社会に利益をもたらし、AVBOBをDBEの戦略的パートナーとして位置付けています。
2021年の初め、AVBOB財団が45,000 南アフリカ・ランド(33万300円)相当のトロリー(コンテナ)図書館を学校に寄贈した後、イシフェトュ・センフント(Isiphethu Semfundo)小学校での読書と学習に弾みがつきました。この学校には、企業の社会的投資の一環として500冊以上の本を揃えたトロリー(コンテナ)図書館が設置されています。引渡し式は3月23日(火)に行われました。
もこのイベントには、AVBOBコマーシャルディレクターのデノ・ピレイ(Deno Pillay)氏をはじめとするAVBOBスタッフに加え、学校と関係の深い地域社会の人々も参加し、生徒たちの教育の発展における明るい章の始まりを告げました。
学校のフィリピン・ネネ(Philipine Nene)校長は寄付を喜んでいました。「これは、読書が大好きな生徒たちにとって、新しいことを学ぶ絶好の機会です。これからの可能性は無限大です!」彼女は言いました。「識字能力は子供たちの成長に欠かせないものですから、これらの新しい本は子供たちの学習体験を豊かにするためにまさに必要なものです。」と彼女は語りました。
ネネ校長はAVBOB財団に感謝の意を表しました。「学校は地方にあり、生徒たちが直面した課題の1つは、本の数が限られていることでした。私たちは、同じ学習教材をある生徒たちから別の生徒たちに回していく必要がありました。ですから、AVBOB財団を通じて恵まれない地域に手を差し伸べてくれたAVBOBに感謝しています!良い仕事を続けていただきたいと思います。」とネネ校長は語りました。
KZN(クワズール・ナタール州)担当のAVBOBの地域マネージャーであるヴァシ・カチ(Vusi Khathi)氏は、同校が質の高い生徒たちを輩出するために献身的な取り組んでいることが評価されたと考えています。「私は、彼らの業績と業績が認められるに値する学校と提携できたことを誇りに思います。AVBOBがトロリー(コンテナ)図書館を作るきっかけとなったのは、イシフェトュ・センフント小学校です。この図書館が子供たちの中に深く読書文化が根付くことをことを願っています。」
この記事はAVBOBのスタッフ誌の7月号に掲載されたAVBOBのジョアン・バン・グリューネン(Joanne van Greunen)氏とブリジット・サカティ(Bridgette Sekati)氏の記事を元に、両氏のの許可を得て掲載しています。
写真:イシフェトゥ・センフンド小学校へのコンテナ図書館の寄贈式にて。T. ンダバ氏(T. Ndaba 、KZN州教育省・巡回マネージャー); P.ガズ氏(P. Gazu 、AVBOBキーアカウントマネージャー); P.ネネ校長(Isiphethu Semfundo小学校); V.カチ氏(V. Khathi、AVBOB KZN州マネージャー)
※ 文中の金額は1南アフリカランド=7.34円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
https://www.icmif.org/news_story/avbob-champions-education-and-literacy-in-south-africa/
掲載日付2021.8.18