アフリカン・リスク・キャパシティ( African Risk Capacity(ARC)Limited)は、世界の保険業界で最高の環境・社会・ガバナンス(ESG)総合スコアを獲得しました。
オランダ本社を構えるサステナリスティック(Sustainalytics)のESGリスク・スコアは、気候変動、規制リスク、風評被害などの将来リスクとリスク機会に対する企業の対応準備状況を総合的に評価するものです。
また、サステナリスティックスのESGリスク・スコアは、企業の持続可能性パフォーマンスを第三者が検証するとともに、特定のESGの問題が企業にとって重要であると考えられる理由や、それらのリスクをどの程度管理しているかについての洞察を投資家に提供します。
ARC LimitedのCEOであるレスリー・ンドロフ(Lesley Ndlovu)氏は、「保険業界における最高のESGリスク・スコアは、アフリカ大陸の気候変動の影響を緩和・管理する上で組織が果たすリーダーシップの役割を反映しています。他の著名なグローバル保険会社に先駆けて、保険業界で最高のESGランキングを獲得できたことを誇りに思います。」と、述べています。
「私たちの事業に関する第三者による検証は、ESGを意識した再保険会社や投資家と提携し、アフリカ大陸に変化をもたらすことを目指している私たちにとって大きな財産になります。」とンドロフ氏は言います。
今回のESG評価により、ARC Limitedは、アフリカで最も弱い立場に置かれている人々へ支援を行う志を持った組織にとって、より魅力的なパートナーとなりました。これらの強力なパートナーシップにより、ARCは自然災害の影響を軽減するための迅速な資金支援を行うことができます。
ARCグループの商業子会社として2014年に設立されたARC Limitedは、リスクプールや再保険市場へのアクセスを通じて、アフリカ諸国にリスク移転サービスを提供する共済組織です。ブルキナファソ、マリ、モーリタニア、ニジェール、セネガル、ガンビア、マラウイ、ケニアなどのアフリカ連合加盟国に自然災害保険を提供しています。保険会社は、プレミアムサポートを提供するパートナーとともに7か国に6,500万米ドル(71億4,025万円)以上を支払い、干ばつ被害の救済やこれらの国の最も弱い立場にある人々が直面する経済的な問題に対処しています。
最近では、壊滅的な干ばつ影響を受けた60万人以上の食糧安全保障ニーズに応えるため、マダガスカル政府に210万米ドル(2億3,068万円)を支払いました。
「パラメトリック保険会社(事前に取り決めを交わした規模の災害が発生して被害を受けた場合、契約者に一定額が自動的に支払われる保険)としてのARC Limitedの役割は、回復力を高め、自然災害の後に国が迅速に立ち直ることができるようにする上で非常に重要です。しかし、それを超えて、事業者とのパートナーシップを通じて中小規模の農家に革新的な対応策を提供することや、地元の保険会社に再保険を提供することに重点を置いています。」と、ARCLimitedのCOO、アンゲ・チタテ( Ange Chitate)氏は述べています。
ARC LimitedのESGリスク・スコアは、同社の事業慣行と方針に対するの独立監査を経て計算されました。この評価は、ESG調査、格付け、データ提供の大手会社であるサステナリスティックスが行っており、企業のリスクを0〜100のスコアで評価しています。
ARC Limitedのリスク評価は10,3で、世界の同業他社の中で最も低いものです。利害関係者、環境、または会社の運営に悪影響を与える可能性のある事象や方針は確認されませんでした。ESGリスク管理に関しては、ARC Limitedは66.3の高いスコアを獲得しました。これは、同社のESGプログラム、慣行、および方針が強固であることを示しています。
ARCは、人的資本、ビジネス倫理、コーポレートガバナンス、およびESG統合の観点から、リスクが低いまたは無視できると評価しました。
今回の独立機関による評価は、ARC グループがCOP26に向けてその知名度を高めていく上で、非常にタイムリーなものです。
※ 文中の金額は1米ドル=109.85円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.8.21