レンス生命保険(LänsförsäkringarLiv)は、投資家指針(The Investor Agenda)の「気候危機に関する政府へのグローバル投資家宣言」に署名しました。この宣言は、気候変動への取り組み目標とそのペースを速めることを求める世界的な気候変動への5つの要求が含まれており、COP26気候サミットに先立って世界各国の政府に向けて発信されています。この宣言には、46兆米ドル(5,044兆8,200億円)相当の運用資産を有する587の投資家が署名しています。レンス生命保険は、スウェーデンのレンス保険(Länsförsäkringar)グループの一員です。
この宣言は、さまざまな投資家の取り組みをもとにまとめられた投資家指針に基づいており、政府の気候変動対策に対する5つの包括的な要求を掲げています。その内容は以下の通りです。
- 今年後半に開催されるCOP26気候サミットに向けて、2030年までに地球温暖化を1.5度に抑えるための各国のCO2排出目標を明確化し、2050年までにCO2排出量正味ゼロに到達することを目指す。
- 2050年までにCO2排出量を正味ゼロにすることを約束し、そこに至るまでの中間目標を定めたロードマップを作成する。
- 気候目標を達成するための意欲的な国の対策や規制を実施し、気候効率の高い技術への投資を可能にし、例えば2030年までにCO2排出量の価格を設定するなどの野心的な措置を保証する。
- Covid-19パンデミックをきっかけに開始された措置や再スタート対策が、パリ協定の目標をサポートし、変革に貢献するようにする。
- TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連の財務開示に関するタスクフォース)の提言に沿った気候報告義務の導入を約束する。
地球温暖化を1.5度に抑えるというこのメッセージは、レンス保険自身の気候に配慮したビジョンや経営にかかわる気候問題に焦点を当てた活動、継続的な支持活動(advocacy work)と重なります。このビジョンは、レンス生命保険のポートフォリオが、2030年にパリ協定の目標である地球温暖化を1.5℃に抑えるという目標に沿った排出レベルになることを意味します。現在の目標に基づくと、ポートフォリオのCO2排出量は年間平均7%削減されます。
投資家指針(The Investor Agenda)の創設メンバーは、投資家とともに活動する次の7つの主要グループです。気候変動に関するアジア投資家グループ(Asia Investor Group on Climate Change)、CDP(Carbon Disclosure Project:投資家、企業、国、地域、都市が自らの環境影響を管理するための情報管理システムを運営するNGO)、セリーズ(CERES;Coalition for Environmentally Responsible Economics,企業行動を環境保全の面から監視するNGO)、気候変動に関する投資家グループ(Investor Group on Climate Change)、気候変動に関する機関投資家グループ(Institutional Investors Group on Climate Change)、責任投資原則(Principles for Responsible Investment )、UNEPファイナンスイニシアチブ(UNEP Finance Initiative)です。
世界的な気候宣言(the global climate appeal )に署名した他のICMIF会員団体は、Folksam(スウェーデン)、Royal London(イギリス)、Unipol Group(イタリア)です。また、Achmea(オランダ)とLocal Tapiola(フィンランド)の投資運用事業部門も署名しています。
※ 文中の金額は1米ドル=109.67円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.9.20