自営業女性協会(SEWA:Self-Employed Women’s Association )協同組合連合会は、世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum )よりインドのラストマイルCovid-19対応企業の一つに認められました。こラストマイルCovid-19対応企業のリストには、4つの優先分野で迅速な行動をとることで、到達困難な「ラストマイル」での到達範囲と規模を拡大できることを実証した地元の組織や社会起業家が載っています。WEFは、SEWA協同組合連合やその姉妹協同組合組織などの組織の取り組みが、Covid-19の新しい波と戦っている他の地域に貴重な教訓になると考えてています。インドのICMIF会員団体であるNational Insurance VimoSEWA Cooperative Ltdは、SEWAの姉妹協同組合組織です。
SEWA協同組合連合会は、WEFが発表した「COVID-19ラストマイルレスポンダー・トップ50のリスト(List of Top 50 COVID-19 Last Mile Responders)」にランクインした数多くの社会起業家/イニシアチブの1つです。WEFによると、これらの組織は合計で1億7,100万人に支援を行っており、そのほとんどは社会的に疎外されたコミュニティに属しています。WEFのCOVID Response Alliance for Social Entrepreneursの86人のメンバーによって推薦されたSEWA協同組合連合会のような組織は、インドの現場で4つの優先分野(予防と保護、COVID-19の治療と救済、包括的なワクチンの入手、生計の確保)で支援を行っています。
SEWA協同組合連合会は、自営業女性協会(SEWA)が推進する協同組合を支援するために1992年に設立されました。同連合会は非正規女性労働者の完全雇用と自立の達成を目的として、女性が所有し、女性が主導する100以上の協同組合を支援し、セクター全体で30万人の非正規女性労働者に手を差し伸べています。
同連合会は、これらの協同組合をはじめ、非正規女性労働者の集団事業が実行可能になり、革新を起こし、規模を拡大できるようにする支援サービスを提供しています。
Covid-19への対応
SEWA協同組合連合会によると、Covid-19パンデミックによる影響は偏っており、特に非正規女性労働者が影響を受けています。同連合会は、その姉妹組織であるSEWA Bharat、Lok Swasthya、SEWA Trust、Mahila Housing SEWA Trustと協力して、パンデミックに対応してきました。
同連合会の活動は、これらの女性が基本的な医療資源を利用できるようにすること、情報を提供すること、意識を高めること、そして生計をたてなおすことに焦点を当てていました。SEWA 協同組合連合会とその姉妹組織は、個人や地域での活動を通じて、インドの14州で19,311,926人の非正規労働者に支援を行ってきました。
SEWA協同組合連合会、自営女性協会(SEWA)の会長であるミライ・チャタージー(Mirai Chatterjee)氏は、次のように述べています。「インドで発生したCovid-19パンデミックは、予想、確信、私たちの準備を超えたものでした。私たちは協同組合のリーダーを通じて、最も貧しい人々や困っている人々に健康支援活動を行いました。また、協同組合に運転資金を提供し、パンデミックの間も事業活動を継続できるよう支援を行いました。女性たちは私たちの活動の中心的な存在であり、地域社会を重点に公正な復興への道を示してくれました。」
COVID-19期間中におけるSEWA協同組合財団の活動については、チャタージー氏が2021年6月にWEFに寄稿した記事で詳しく紹介されています。
ICMIFアジア・オセアニア協会が支援を提供
ICMIFの地域協会であるアジア・オセアニア協会(AOA)は最近、チャタージー氏に連絡を取り、インドの最近の状況と低所得コミュニティがCovid-19によってどのように影響を受けているかについて深い懸念を表明しました。アジア・オセアニア協会の柳井二三夫会長は、次のように述べています。「SEWAが、この困難な時期に組合員や地域住民を支援するために最前線で懸命に活動されていることを知っています。AOAを代表して、Covid-19感染被害地域にお住まいの方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、再建のためのお見舞金をお渡ししたいを思います。」
お見舞金は、SEWA協同組合連盟を代表してチャタージー氏が受け取られ、感謝の意を表されました。そして、「私たちはまだ再建の段階にあります。私たちの最新調査によると、インタビューを受けた家族の99%が仕事や収入を失ったと答え、69%がいまだに仕事や非正規労働者としての仕事に戻れていないと答えています。女性は特に大きな影響を受けています。」と、述べました。
チャタージー氏は、保険に関しては、大手保険会社から在宅療養と病院療養の両方に対応した、非常に優れたcovid保険を得ることができたと説明しました。これによりSEWAは、Covid患者の予防とケアの両方に携わる5,000人の最前線の労働者に保険をかけることができ、チャタージー氏はこれを「小さな始まり」と表現しました。
チャタージー氏は、予防医学教育と保険教育の両方にAOAのお見舞金を活用して、今回のようなCovid-19パンデミックなどの災害や危機に見舞われた場合にインドのより多くの家族を守りたいと考ていることを明らかにしました。
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.10.8