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第76回国連総会(UN)で、ICMIFは相互保険会社および協同組合保険会社による気候変動への影響についてデモンストレーションを行います

Aerial view overhead flooded houses after a cyclone

ヒルデ・フェルナイレンICMIF会長は、第76回国連(UN)総会のハイレベル・パネルディスカッションで、ICMIFの会員団体がどのようにグリーンボンド、ソーシャルボンド、レジリエンスボンドなどの責任投資に総額5700億米ドル(65兆598億円)を投資しているかを明らかにします。

相互保険会社と協同組合保険会社は、世界の保険市場のほぼ30%を占め、その資産総額は10兆米ドル(1,141兆4,000億円)に上ります。そして、気候変動対策の実現を支援するユニークな立場にあります。なぜなら、保険業界は、投資する資産と人と地球の回復力を高めるためにマクロレベルと地域社会レベルの両方で軽減する必要がある多くのリスクに関する深い知識を持っているからです。

ICMIF会長であり、P&Vグループ(ベルギー)の管理委員会の委員長であるヒルデ・フェルナイレン氏は、2021年10月26日火曜日の夜遅く、国連総会の気候変動対策に関するハイレベル講演を行います。気候変動対策の実施の一環として、「1.5度目標へのギャップを埋めるためのマルチステークホルダー・パネル–人々、地球、そして繁栄のために-(stakeholder Panel on Bridging the Gap to 1.5 Degrees Target as part of the Delivering Climate Action ) 」参加します。このセッションは、ニューヨーク時間午前11時35分(BST午後4時35分、日本時間10月27日午前0時35分)からオンラインで視聴できます。また、国連WebTVでも放送されます。

気候変動への行動-人々、地球、そして繁栄のために(The Delivering Climate Action – for People, for Planet & for Prosperity)」イベントでは、2015年のCOP21で合意された1.5度目標を達成するために現在の技術的・財政的能力と必要な能力とのギャップを狭めることに焦点を当て、気候に取り組んでいる先進事例を紹介とします。フェルナイレン会長は、パネルの中で相互保険および協同組合保険セクターの活動について話します。

フェルナイレン会長は、「ICMIF会員団体における投資額は上記のように非常に大きなものですが、ICMIFが国連防災局(UNDRR)と行っているパートナーシップ活動こそが、地球が必要とする体系的な変化をもたらす可能性があります。」と説明します。ICMIF / UNDRRのパートナーシップは2019年11月に始まり、2021年4月に出版されたICMIFとUNDRRによる共同報告書「保護から予防へ:災害リスク軽減における協同組合と相互保険の役割」では、災害リスク軽減を支援するためにICMIF会員団体が取り組んでいる7つのメカニズムをまとめています。

ICMIF / UNDRRパートナーシップは、会員団体の投資部門とリスク部門を統合するパイロット・イニシアチブを展開しています。保険会社はその投資を活用して、持続可能な投資メカニズムを介した気候、災害リスクの軽減、および/または回復力の結果をもたらすインフラ・プロジェクトに投資し、それを実現します。これは、必要性の高いプロジェクトへの資金提供を行うと同時にサプライチェーン全体に持続可能性と回復力を組み込むという、独自の方法です。

パイロットケースでは、各利害関係者が異なる方法で投資を検討し、回復力のある結果をもたらすためにパートナーシップを組むことが求められます。また、他の民間セクターの資金を活用して、公共プロジェクトが回復力のある気候変動に配慮した対応が確実に提供されるようにすることを目指しています。これは7つの災害リスク削減メカニズムと持続可能な開発目標を組み込むことができるパートナーシップであり、他の国でも拡張可能であつため、最終的に地域社会の回復力を高め、人、地球、繁栄のために気候変動対策を実現します。

10月26日火曜日のニューヨーク時間午前11時35分(BST午後4時35分、日本時間10月27日午前0時35分)からオンラインで1.5度目標へのギャップを埋めるマルチ・ステークホルダー・パネルをご覧ください。このリンクには、イベントが発生した後のセッションの記録も含まれます。このイベントは国連ウェブテレビでも放送されます。

第76回国連(UN)総会について

気候変動という世界的な脅威に立ち向かう取り組みの一環として、第76回国連総会議長のアブドゥラ・シャヒド(Abdulla Shahid)氏は、2021年10月26日火曜日に開催されるイベント「気候変動対策の実施–人々、地球、そして繁栄のために」を招集しました。

シャヒド氏はこのイベントについて、国連加盟国や市民社会などが一堂に会し、2021年11月初旬に開催される「グラスゴー(スコットランド)で開催されるCOP26に向けた野心的な取り組みをを評価する機会になる。」と述べました。

気候変動は私たちの時代の最大の課題であり、COP26気候会議まであと数週間となった今、国連総会議長イベントでは、1.5度目標を達成しするためのコンセンサスを得るための緊急の必要性に焦点を当てます。この重要な目的の達成するために、より広範な国際社会におけるの多部門のパートナーシップの構築を奨励します。

1.5度目標のギャップを埋めためのマルチ・ステークホルダー・パネルでは、1.5度目標と公正な移行に必要な資金調達、人材育成、技術的能力に到達するために、投資可能で銀行可能なプロジェクトの創出を飛躍的に何が必要かについて議論します。また、最も効果的で革新的なグリーンファイナンス商品を特定し、拡大する方法を検討し、緩和と適応のための既存の技術をより革新的に適用してトレード・オフを管理する方法を検討します。

パネルディスカッションは、ユニセフのサラ・マリア・コグナック・ゴンザレス(Sara Maria Cognuck Gonzalez)氏が司会を務め、フェルナイレン氏とともにパネル・ディスカッションに参加するのは次の方々です。

  • リチャード・マティソン(Richard Mattison)博士:S&Pグローバルサステナブル1社長、S&PグローバルトゥルーコストCEO。
  • アレン・ブルー(Allen Blue):LinkedInの共同創設者兼製品管理担当副社長。
  • ダミロラ・オグンビイ(Damilola Ogunbiyi):国連事務総長特別代表、国連エネルギー共同議長。

ICMIFとこれまでの公約について

ICMIFは、相互保険会社と協同組合保険会社を代表する唯一の国際組織で、創立100周年を迎えた現在では60か国の198の組織を代表しています。多くのICMIF会員団体の活動は、すでに気候変動との闘いに大きな影響を与えており、国連パネルディスカッションで、フェルナイレン氏がICMIFの第1回持続可能な投資報告の調査結果を紹介します。この報告書によると、ICMIF会員団体はグリーンボンド、ソーシャルボンド、レジリエンスボンドなどの責任投資に5700億米ドル(65兆598億円)以上を投資しており、その多くは、気候変動とその影響を対象としています。

2014年9月、ICMIFのショーン・ターバック(Shaun Tarbuck)事務局長がニューヨークで開催された国連気候サミットで講演し、世界の保険業界全体が2015年末までに気候変動対策への投資を420億米ドル(4兆7,938億8,000万円)から840億米ドル(9兆5,877億6,000万円)に倍増し、 そして2020年までに10倍に増やすことを約束しました。この公約は、世界の保険業界にて投資されている金額が10倍になることを予測したため、当時、大きな注目を集めました。来月、ICMIFは「持続可能な投資報告書(Sustainable Investments Report)」を発表しますが、保険市場全体のほぼ10%を占めるICMIF会員団体だけでも、責任投資に5,700億米ドル(65兆598億円)以上を投資しており、ターバック氏の約束どおり10倍の増加という公約を達成したことを示します。

※ 文中の金額は1米ドル=114.14円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/mutual-and-cooperative-insurers-demonstrate-targeted-climate-change-impact-at-the-76th-president-of-the-united-nations-un-general-assembly/

掲載日付2021.10.26