アフリカン・リスク・キャパシティー African Risk Capacity(ARC)Limitedは、国連のNet-Zero Asset Owner連合に参加したアフリカで最初の企業です。
Net-Zero Asset Owner連合は、世界をリードする8つの保険会社と再保険会社によって2019年に設立され、2050年までに保険ポートフォリオをネットゼロの温室効果ガス(GHG)排出量に移行するという歴史的な取り組みです。
先月発表されたNet-ZeroAsset Owner連合に参加することにより、ARCは、気候変動などの持続可能性の配慮を管理するための総合的なアプローチを採用し、経済部門の低炭素移行を目的とした企業および業界の行動を守ることを約束しました。
ARCのCEOであるレスリー・ンドロフ(Lesley Ndlovu)氏は、組織がネットゼロ経済への移行を支援するという役割を非常に重要視していると述べています。
「最近、サステナリティックが評価する、環境、社会、ガバナンス(ESG)の総合スコアで世界の保険業界で最高位を獲得した当社にとって、Net-Zero Asset Owner連合に参加は当然のステップでした。金融セクターと世界経済のネットゼロ排出への移行を加速するために、同盟に参加した最初のアフリカ企業であることを誇りに思っています。」とンドロフ氏は述べています。
「COP26に向けて、気候変動の非常に現実的な影響について戦略的な警告を発するために保険業界が果たす役割を認識しています。アフリカは、干ばつ、洪水、サイクロン、その他の気候変動に起因する気象現象の影響を受けやすい大陸として、実際には炭素排出量にほとんど影響を与えていませんが、気候変動の影響を受けやすいのです。」とンドロフ氏は述べています。
「6年前のパリ協定を支持し、これらの壊滅的で破壊的な気候の根本原因に取り組むことにより、経済と雇用について農業部門に大きく依存しているアフリカ大陸への気候変動の影響を緩和し、管理する上で指導的役割を果たすことがARCの義務であると信じています。」とンドロフ氏は締めくくりました。
2014年に設立されたARCは、アフリカ諸国を自然災害保険の提供により救済しています。
保険会社は、プレミアムサポートを提供するパートナーとともに、すでに7か国の政府に6,500万米ドル(73億8,075万円)以上を支払い、干ばつの被害の救済やこれらの国の最も弱い立場にある国民が直面する経済的な問題に対処しています。
2019/2020年、ARC はコートジボワール政府に220万米ドル(2億4,981万円)を支払い、2018/2019年にはさらに74万米ドル(8,402万7,000円)を支払いました。また、同年には、気候変動の影響を受けたこれらの国の国民の食料安全保障のニーズに応えるため、セネガル政府に1,250万米ドル(14億1,937万5,000円)、セネガルのSTART NETWORK(人道的支援のための資金調達等を行うNGO)に1,070万米ドル(12億1,498万5,000円)、ジンバブエ政府に150万米ドル(1億7,032万5,000円)、ジンバブエのWFP(国連世界食糧計画事務所)に110万米ドル(1億2,490億5,000円)、モーリタニアのWFPに17万米ドル(1,930万3,500円)を支払いました。
「パラメトリック保険(インデックスベース保険。トリガーイベントに基づいて保険金支払いを行う、非伝統型保険)会社としてのARCの役割は、回復力を構築し、国が自然災害の後で迅速に立ち直ることができるようにする上で非常に重要です。」とンドロフ氏は言います。
彼は次のように付け加えてました。「これに加えて、私たちは意思決定の際に気候変動を考慮に入れ、信頼できるネットゼロ移行戦略を確立することで、解決策に貢献すると同時に、気候変動によって引き起こされた災害の影響を軽減するために迅速な財政支援を行い、アフリカの最も弱い立場にいる人々を支援することは、私たちの組織にとって重要である認識しています。」
※ 文中の金額は1米ドル=113.55円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2021.10.28