ギャラガー再保険(GallagherRe、旧ウィリス再保険)の最新レポート「2021年における自然災害イベントの概要」によると、2021年の保険損害額は1,160億米ドル(13兆4,084億4,000万円)で、平均より63%高く、2021年は2011年以来3番目に大きな自然災害による保険損失額 でした。これは、米国における一連の異常気象による災害と7月中旬にヨーロッパの主にドイツとベルギーで被害を及ぼした深刻な洪水によるものです。
地域別では、北米が損失の68%と最も大きな割合を占め、熱帯低気圧による損害が最も大きく保険損害額全体の35%を占めています。
これらは、今月初めに発表された「2021年における自然災害イベントの概要」の主要な調査結果の一部です。
災害と地域別状況など、保険損害と経済的影響の両方を網羅した2021年の主要な巨大災害の詳細については、こちらをクリックしてレポートをダウンロードしてください。
レポートの主な調査結果:
- 米国での一連の異常気象関連の災害とヨーロッパで発生した史上2番目に深刻な洪水により、2021年の年間保険損害額は1,160億米ドル(13兆4,084億4,000万円)と、2011年以来3番目に大きな自然災害による保険損害になった。これにより、2021年の保険損害額は、2011年以降の平均(710億米ドル、8兆2,068億9,000万円)を63%上回った。
- 地域別に見ると、北米が68%と最も多くで、次にヨーロッパ、中東、アフリカが23%、アジア太平洋が8%、ラテンアメリカとカリブ海が1%となっている。
- 災害別では、熱帯低気圧が最も影響が大きく、保険損害全体の35%を占め、続いて激しい雷雨(竜巻と雹を含む)が25%、洪水が18%となっている。
- 8月に発生したハリケーン・アイダ(Ida)による保険損害は370億米ドル(4兆2,768億3,000万円)で、2月の南部の州に影響を与えた冬の嵐や 12月の中西部で発生した竜巻など単一の事象による保険損害の中で最大となった。
- ヨーロッパでは、7月中旬に発生した嵐・ベルント(Bernd)により、主にドイツとベルギーで130億米ドル(1兆5,026億7,000万円)を超える保険損害が発生した。その影響は予想以上に大きく、美欧風が長くとどまった結果、この地域に最大の損害が発生した。
- アジアでは、2018/19年のシーズンに日本で観測された熱帯低気圧の被害とは対照的に、2021年のシーズンに日本に上陸した台風はなかった。
※ 文中の金額は1米ドル=115.59円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
https://www.icmif.org/news_story/gallagher-re-natural-catastrophe-events-report-2021/
掲載日付2022.2.11