ウクライナでの戦争から逃れ、ドイツに避難する絶望的な人々が日々増えています。この状況に対し、R+V(R + V Versicherung)は、難民自身や難民の支援活動をするボランティアを非拠出型保険(non-contributory insurance cover)で支援しています。
R + Vは、ドイツの人々の支援意欲は非常に高く、支援物資の輸送を手配する人もいれば、難民を個人の家に受け入れる人もいます。「協同組合である私たちにとって、人々を支援することは言うまでもありません。」と、R +Vの取締役会メンバーであるクラウス・エンドレス(Klaus Endres)氏は述べています。「それが、R +Vが官僚的でない解決策を提供する理由です。R+Vの顧客が同じ世帯に受け入れた難民は、自動的に個人賠償責任保険、住宅建築保険、家財保険で保障されます。」
「この例外的な状況がいつまで続くかは誰にもわかりません。」とエンドレス氏は言います。「EUが官僚的でない方法でウクライナ難民を受け入れていることを嬉しく思います。」EU理事会の決定によると、難民はまず1年間の保護資格を付与され、それを延長するオプションがあります。「私たちはヨーロッパの決定に倣って提案しています。」とエンドレス氏は説明します。彼は続けます。「保険期間は最初の1年間が有効ですが、EUの決定次第で延長することができます。」
難民は無料で保険をかけられます
R + Vは現在、個人賠償責任保険では、契約者の世帯内の被保険者の範囲を追加保険料無しで拡大しています。R + Vの契約者と同じ世帯に住んでいるウクライナ難民すべては、自動的に被保険者になりります。これは、難民が契約者自宅の別棟や別荘に収容されている場合にも適用されます。難民は保険契約者と同じように扱われます。つまり、人身事故、物的損害、経済的損失など、それぞれの保険契約で保障される完全な保護を受ることができることを意味します。この規定は、民個人賠償責任保険が企業賠償責任保険や専門職賠償責任保険の一部として加入されている場合にも適用されます。
R + Vの契約者は、住宅建築保険についても心配する必要はありません。保険の補償範囲に影響を与えることなく、難民を簡単に世帯に受け入れることができます。家計保険では、難民の財産にも無期限の保険がかけられています。
難民支援者への支援
R + Vは、ウクライナの支援物資輸送を企画するボランティアも支援しています。彼らがドイツに永住権を持っている場合、非拠出型傷害保険に加入することができます。たとえば、バンの積み下ろし、現物寄付の配布、難民ステーションでの活動時に保険が適用されます。
ボランティア活動に加えて、その行き帰りの事故も保障対象となります。この保険は、EU域内からウクライナ国境まで適用され、当初は2022年4月30日まで有効です。
R + Vはまた、寝袋、離乳食、医薬品などの救援物資をウクライナ国境まで輸送するためにトラックを使用する企業の補償範囲も拡大しています。フォワーディング商品保険の契約者は、無料で援助物資の輸送輸送にも保険を付保することもできます。このフレームワーク契約では、個々の輸送に対する通常の保険料は適用されません。前提条件は、登録時に輸送品を商品カテゴリ「救援物資」で申告されていることです。最も簡単な方法は、KRAVAGオンライン・プラットフォームを使用することです。保険は、ウクライナ、ベラルーシ、ロシアには適用されません。
自家用車の保険適用
ドイツ保険業協会(Gesamtverband der Deutschen Versicherungswirtschaft – GDV)は、自動車でEUに入る難民に対する規制を設けています。ウクライナの自動車によりイツ国内で事故が発生した場合、賠償請求はすべての保険会社に伝えられ、保険会社間でカバーされることになります。それはドイツのグリーンカード事務所によって規制されています。この規定は当初、2022年5月末に限定されています。
R + Vは、難民に自家用車を提供する場合は、保険契約を確認し、必要に応じて、許可されたドライバーの範囲を拡大することを勧めています。さらに、所有者は、ドライバーが有効な運転免許証を持っていることを確認する必要があります。そうしないと、保険の適用が危うくなる可能性があります。連邦デジタル運輸省からの情報によると、滞在が一時的である限り、ウクライナの運転免許証はドイツ語の翻訳なしでも有効とのことです。
ウクライナに80万ユーロ:R+Vと従業員が困っている人々を支援
R + V とその従業員は、ウクライナ戦争の犠牲者に80万ユーロ(1億261万6,000円)以上を寄付しました。この金額は1週間強でまとめられ、キャンペーンは継続されます。
「ウクライナからの写真に私たちは非常に心を動かされます。」とR+VのCEOであるノルベルト・ロリンガー(Norbert Rollinger)氏は言います。「私たちの中には、戦争の影響を個人的に受けている同僚もいます。」そこで、R + Vは戦争の勃発直後に募金活動を開始し、現在、最初の中間評価が行われています。
- R+Vは緊急援助として250,000ユーロ(3,206万7,500円)を提供しました。寄付は国連難民高等弁務官事務所UNHCRに贈られました。
- R + Vは、Volksbanken Raiffeisenbanken cooperative financial networkによる共同募金キャンペーンに、さらに70,000ユーロ(897万8,900円)を寄付しました。この寄付は、ドイツ赤十字に贈られました。
- R + Vの従業員は、合計254,520ユーロ(3,264万7,280円、3月14日現在)を寄付しました。そのの一部は、戦争犠牲者の医療のための支援団体である「Humedica」に寄付されました。
- R + Vは、上限250,000ユーロを従業員の寄付に上乗せしました。
「私たちにとって重要なのは、支援が本当に届くことです。」とロリンガーCEOは言います。「そこで私たちは国連難民高等弁務官事務所であるUNHCRや赤十字などの大規模な支援組織を支援しています。これらの組織は現地活動しており、地元の人々を迅速かつ効率的に支援するためのインフラを備えています。」
R+Vの従業員からの多大なサポート
非営利のR+V財団が始めた従業員の募金キャンペーンは無期限で継続されることになりました。毎日、数万ユーロが集まりました。
「私たちの同僚による支援は非常に驚くべきことです。」とR+VのHRディレクターであるジュリア・メルケル(Julia Merkel)氏は言います。「1週間強で、25万ユーロ(3,206万7,500円)以上が集まりました。また、同僚による印象的な取り組みもあります。援助物資や救急車の輸送を企画したり、輸送用車両を貸出す人もいれば、難民を自宅に迎えたり、ドラッグストアや食料品店の引換券を提供する人もいます。おそらく、すべての支援を把握できているわけではありません。」
※ 文中の金額は1ユーロ=128.27円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2022.3.11