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レポート

AMベスト(賛助会員)の特別レポート:保険リンク証券市場における引受け見直しとリスク削減

Data analyzing in Forex, Commodities, Equities, Fixed Income and

AMベスト(AMBest、賛助会員)の最新レポートによれば、世界の保険リンク証券(ILS:Insurance-linked securities)市場は、今年も記録的なキャットボンドの発行があったにもかかわらず、過去の大災害による損失を抱え、一部の著名ILSファンドの運用資産の減少し、ILSファンドの全体的なパフォーマンスも低下に悩まされ続けています。

保険リンク債券市場における再引受とリスク軽減:Re-Underwriting and De-Risking in Insurance-Linked Securities Market」というタイトルのAMベストの特別レポートは、2021年も大災害による損失の経験は重要で、二次的な危険に関連する損害はその規模が大きいため、再保険会社やILSマネージャーから引き続き注目を集めているとしています。近年の大きな損失により金利の上昇だけでは、ILSマネージャーや再保険会社にとって引受結果を改善するには不十分であることが明らかになりました。また、これらの損失は、特に再保険(aggregate reinsurance) や再再保険(retrocession)のために利用可能なキャパシティの減少にもつながりました。その結果、レポートによると、2022年1月の再保険契約更改ではILSと再保険業界は条件交渉に焦点を当て、イベントごとの支払い上限の追加設定(adding per-event caps in aggregate covers )、や再保険発動点(attachments and deductibles)の引き上げなどの再保険プログラムの見直し交渉を行っています。

同時に、2021年の144Aキャットボンド市場での発行額は約125億米ドル(1兆4,836億2,500万円)となり、2020年に記録したこれまでの年間記録を約20億米ドル(2,373億8,000万円)上回りました。一部のILSファンドのパフォーマンスの低さは、キャットボンドのパフォーマンスの良さとは対照的です。

AMベストの保険リンク証券のマネージングディレクターであるエマニュエル・モドゥ(Emmanuel Modu)氏は、次のように述べています。「ILSファンドマネージャーは、金利上昇がもはや引き受け成績の改善や投資家を満足させる万能薬ではないため、ポートフォリオの引き受け見直しとリスク削減を進めています。」

レポートによると、COVID-19関連の保険金支払準備金は引き続き横ばいで安定しています。20221月の再保険契約更改では保障範囲の引き締めと伝染病の排除が引き続き要因となりましたが、価格と再保険発動点の上昇ははるかに大きな影響を及ぼしています。

AMベストの保険関連証券のシニアディレクターであるワイ・タン(Wai Tang)氏は、次のように述べています。「損失にもかかわらず、ILS市場は、より広い資本市場との相関性が低いため、投資家にとって魅力的であり貴重な分散投資先となっています、しかし、当然のことながら、投資家が一部のILSセクターのパフォーマンスの低さに疲れているのは当然です。」

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AMベストの分析担当シニアディレクターであるアンジェラ・ヨー(Angela Yeo)氏は、2022年5月16日月曜日から18日水曜日までヴィースバーデン(ドイツ)で開催されるICMIF再保険役員会議(MORO)で、再保険市場の現状(パネルセッション)に参加します。

再保険市場セッションで議論されるトピックには、以下が含まれます(ただしこれらに限定されません)。

  • 更新のレビュー:価格と引受けキャパシティー
  • インフレ上昇が市場に与える影響
  • Covid-19パンデミックが私たちのビジネスのやり方をどのように混乱させたか

※ 文中の金額は1米ドル=118.69円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/bests-special-report-re-underwriting-and-de-risking-in-insurance-linked-securities-market/

掲載日付2022.3.17