コーポレーターズ(Co-operators)は、前エドモントン市長のドン・アイブソン(Don Iveson)氏を気候投資と地域社会回復力のエグゼクティブ・アドバイザーに任命したことを発表しました。この役職は、カナダ全土の地域社会における気候適応プロジェクトと気候変動に強いインフラを支援する、カナダへの新たな投資の波への機運と能力を高めるために設けられました。
新しい役職は、カナダにおける持続可能な投資を促進するためのコーポレーターズの取り組みを前進させるものです。現在、運用資産の21%以上(26億カナダドル(2,558億1,400万円)以上)が、環境・社会的な緊急課題への解決策を提供するインパクト投資に投資されています。コーポレーターズは、2030年までに持続可能で回復力のある低排出社会への移行を支援するために、総資産の60%を投資することを目標としています。
コーポレーターズとアイブソン氏は、カナダ国内の自治体において気候変動に適応するためのインフラに資金を提供するために必要な条件を整えることでカナダの地域社会におけるリスクを軽減することを目指しています。このような投資は、財政的にも、環境の回復力や精神的な安心の観点からも、地域社会に大きな利益をもたらすことでしょう。
「保険会社として、私たちは気候変動が組合員、顧客、地域社会に与える経済的・感情的な影響を認識しています。」と、コーポレーターズの社長兼CEOであるロブ・ウェセリング(Rob Wesseling)氏は述べています。「投資家として、私たちはインフラの構築や地域社会の回復力を向上させるための取り組みを支援することができます。自治体が直面する課題と気候変動対策に存在する機会についてアイブソン氏が直接理解した上で協力することにより、カナダにおける気候変動に強い投資の新しいモデルの基礎を築くことができます。」
アイブソン氏にとって、戦略的パートナーシップは直感に理解できる次のステップであり、カナダで最も気候変動に敏感な都市の1つであるエドモントン市長としての彼の経歴をさらに発展させるものです。
「エドモントン市庁舎にいる間、そしてカナダの大都市市長会の議長として、私は気候変動のような複雑な課題に取り組むための連携を構築することに力を注ぎました。また、地方自治体が直面している、インフラの老朽化、資金不足、そして能力のギャップも知っています。」とアイブソン氏は述べています。
「地域社会の回復力に関して強い目的を共有するコーポレータースののウェセリング氏と彼のチームのような先見の明のある人たちと一緒に仕事ができることを感謝しています。ビッグデータのリスクモデリング、エンジニアリングソリューション、民間投資を活用して、町、郡、都市が気候変動リスクと戦うことを支援するには、まさに私が大好きな問題解決と連携の構築が必要です。」とアイブソン氏は締めくくりました。
ヴェッセリング氏とアイブソン氏は、 2022年3月30日にバンクーバー(カナダ)で開催されるGLOBEフォーラム2022で、レジリエンス投資の話題についてのパネルで話します。このパネルには、ICMIFのパートナー組織である国連防災局(UNDRR)の水鳥真美事務総長特別代表が参加されます。また、カナダ地方自治体連盟とカナダ・インフラストラクチャー銀行の代表も登場します。パネリストは、カナダの地域社会をより気候変動に強く、持続可能にし、気候変動の影響の増大に立ち向かうためのより良い準備を整えるプロジェクトに向けて投資を進めるための能力と協力を構築することの重要性を、カナダの幅広い分野の利害関係者に訴えます。
セッションでは、パネリストは次のような項目について検討を行います。
- 「気候回復力への投資」とは何ですか?なぜそれらが必要なのですか?
- 気候変動に強いインフラへの民間資本の流れを増やすには、どのような障壁を克服する必要がありますか?
- 気候回復力投資に民間資本を導入するために政府は何ができるでしょうか?
- 世界をリードする実践から何を学ぶことができますか?
※ 文中の金額は1カナダドル=98.39円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2022.3.29