NTUCインカム( NTUC Income)は、今月初めに初のサステナビリティ(持続可能性)・レポート「Because We Madefor Purpose」を発表しました。
このレポートは、環境、社会、ガバナンス(ESG)への配慮を事業全体に組み込むことによりより良い財政的幸福を実現するという、NTUCインカムの持続可能性に関する将来像の概要を説明しています。また、気候変動が環境や社会に与える影響に対処するだけでなく、事業の回復力性を実現するための利用についても触れています。
レポートでは、シンガポールに肯定的な影響をもたらすための重点分野と長期的な持続可能性の目標を示すNTUCインカムの持続可能性戦略を詳しく説明しています。
NTUCインカムの持続可能性にかかる長期目標のポイントは次のとおりです。
- 2050年までに温室効果ガス(GHG)排出量正味ゼロを達成する
- 2040年までに石炭産業に関する損害保険事業の引受を停止する
- 2030年までに投資ポートフォリオから石炭セクターをすべて売却する
- 2030年までにすべての資産を、国連(UN)の責任投資原則署名を行なった、あるいはESGを考慮した外部のファンドマネージャーによって運用管理させる
- 環境関連のリスクと機会を特定したうえで、商品開発を行なう
- 2021年から10年間で1億シンガポールドル(96億8,700万円)を拠出し、シンガポールの恵まれない子供や若者の教育、高齢者問題、環境保護活動のための教育に取り組む
また、気候関連のガバナンス、リスク管理、戦略、金融安定理事会が立ち上げた「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿った指標と目標も詳述に説明されています。
NTUCインカムのアンドリュー・ヨー(Andrew Yeo)CEOは、次のように述べています。「目的志向はNTUCインカムの基本であり、我々の初の持続可能性ほぷこくしょに反映されています。私たちは1970年に設立され、労働者階級に手頃な保険を提供することによりシンガポールの差し迫った社会的な必要性を解決しました。今日、私たちはあらゆる階層の人々が保険に加入できるようにすることに引き続き注力しています。今年、保険協同組合から会社に移行する際にも、私たちの揺るぎない目的となっています。」
「保険業界を活用して世界をより良い場所にするための話し合いを確実に進めるために、私たちは財務上の成果だけでなく、私たちが奉仕する地域社会にもたらす好影響の程度によっても企業業績を評価して説明責任を果たします。NTUCインカムの持続可能性戦略は、利害関係者と地域社会のに長期的な価値をもたらすために、私たちのESG要因への配慮を研ぎ澄まし、より戦略的かつ全体的に働くための考え方と枠組みを示す青写真です。」とヨー氏は付け加えました。
2021年に定めたNTUCインカムのサステナビリティ戦略は、「環境への取り組み」、「責任ある事業運営」、「より強靭な地域社会の構築」という3つの戦略的柱を軸に策定されています。それぞれの柱は、事業の指針となる重要な行動で構成されています。これらの柱は、NTUCインカムがどのように持続可能な価値を創造し、組織とその利害関係者の利益のために事業運営を行うかについて説明しています。
NTUCインカムは、持続可能性戦略を通して、最も有意義に貢献できると信じている7つの国連持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。
ヨー氏は、次のように述べています。「私たちは長期的な視点で持続可能性の旅を続けていきます。成功するために、長期的な持続可能性にかかる目標を設定しました。SDGsは、私たちがすでに行っていることに加えて、私たちが一緒に達成できると強く信じている目的を提供しています。保険会社、資産所有者、投資家として、NTUCインカムは低炭素経済への移行において果たすべき役割を担っています。この面では、温室効果ガス削減と持続可能性へのアプローチに影響を与え、進化し、成熟し続ける将来の指針と方法論を念頭に置いた取り組み優先しています。しかし、すでに実績がある分野では、その強みを活かし、長期的に良い影響を深めていきます。」
「2021年の業績は、私たちの明確な目的意識と責任ある持続可能な事業としてどのように結集したかを示すものであり、誇りに思います。当社のサステナビリティ・レポートとパフォーマンスに関する利害関係者のフィードバックは、サステナビリティ・パフォーマンスと情報開示の改善の参考になることから歓迎します。」とヨー氏は締めくくりました。
サステナビリティ・レポートは、ここからダウンロードしてください。
※ 文中の金額は1シンガポールドル=96.87円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2022.6.10