交通事故は、世界的に見ても子供や若者の主な死因であり、毎年 130 万人が防ぐことが可能な交通事故で亡くなっています。さらに、毎年 5,000 万人が道路上で負傷しています。2020 年 8 月、国連総会は世界の交通安全に関する決議を採択し、2021 年から 2030 年を「交通安全のための行動の 10 年」と宣言し、2030 年までに交通事故死傷者を半減させるという目標を掲げました。この活動の一環として、 2022 年 6 月 30 日から 7 月 1 日にかけて、世界の交通安全に関するハイレベル会合がニューヨークで開催され、フォルクサム (Folksam,スウェーデン) のであるイルバ ・ウェッセン(Ylva Wessén)社長兼 CEO が招待され、保険会社や年金会社がどのように世界交通安全プロジェクトへの資金提供に貢献できるかについて講演しました。
ウェッセン氏の参加の背景には、2020年2月にスウェーデンで「第3回国連交通安全閣僚級会議」が開催されたことが挙げられます。2030 年に向けた世界的な交通安全の目標を策定することがその目的で、ウェッセン氏は、保険会社や年金会社は交通安全の向上を目指した投資を行うことで貢献ができることを講演しました。2020 年に戻ると、フォルクサムは、気候変動への取り組みを支援するために存在する、重要なグリーン ボンドと同様の交通安全ボンドを開発するべきであると提案しました。
「フォルクサムは交通安全の専門家です。50 年以上にわたってこのテーマを研究し、シートベルト着用の周知、むち打ち症予防、ガードレールなどの重要な進歩に深く関わってきました。残念なことに、世界の多くの国では、スウェーデンで当然のことと考えられているインフラの多くがまだ希であったり、存在していなかったりします。物事を改善するための知識の交換を提供できるのであれば、もちろんそうしたいと思います。」と ウェッセン氏は言います。
ウウェッセン氏は、「根拠に基づく交通安全能力の構築と開発支援のための持続的な国内投資と国際金融(Sustained domestic investments and international financing for capacity-building and development assistance in evidence-based road safety interventions)」と題する議論に参加しました。ウェッセン氏は、低・中所得国での現地プロジェクトへの世界的なな投資がどのようにしたら可能になるかを強調したいと考えていました。交通事故死傷者全体の 90% が低・中所得国で発生しています。
「人命を救うためには資本が必要です。私たちは資本を持っているので、変化をもたら方法で投資し、顧客に確実な利益を提供したいと考えています。私たちは責任ある投資に長い伝統を持っており、現在、すべての関係者にとって有益な方法で、交通安全のための民間資本の投資モデルの開発を支援したいと考えています. 交通安全を高める取り組みに必要な資金を地方レベルで得ることができる人々のために、フォルクサムはより持続可能な世界に貢献し、実際に命を救いながら顧客に代わって安全で魅力的な投資を提供したいと考えています。」と ウェッセン氏 は締めくくりました。
2030 年までにすべての交通事故死傷者を半減させるという目標を達成するためには、約 2,600 億米ドル(35兆2,794億円)の追加資金が必要であり、このためには民間資金が必要になると世界銀行は見ています。ウェッセン氏によると、現在持続可能な取り組みに投資するために存在するグリーン ボンドと同様の交通安全ボンドが今後の道筋になる可能性があります。
写真提供者: トーマス・ニルソン
※ 文中の金額は1米ドル=135.69円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2022.7.4