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レポート

NAMICのレポートによると、再保険会社は困難な時期に相互扶助の構造が安定性を提供すると考えています

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米国の相互保険業界が 2023 年に目を向ける時、多くの相互保険会社は、再保険市場が過去 15 年間に経験した中で最もダイナミックな環境にあると考えています。その認識の正しさは、ダラスで開催された  第 127 回全米相互保険会社協会 (NAMIC)年次総会でNAMICと Aonが発表した「第 5 回年次相互保険要因レポート(Fifth annual Mutual Factor report )」で、今日の再保険市場について深く考察する中で明らかにされています 。

最新レポート「Mutual Factor 2022 – 5 Years Later: How Performance, Structure, and Focus Set Mutual Insurance Companies Apartは、AM ベスト (ICMIF 賛助会員)信用格付けの影響と新たな課題を加えて、過去12ヶ月と5年間の業績指標を比較しています。レポートには、業界の主要関係者に対する継続的調査の一環として、再保険の業界リーダーとの一連の詳細インタビューから得られた知見や意見が掲載されています。

NAMIC の社長兼 CEO であるニール・アルドリッジ( Neil Alldredge )氏は、2022 年販レポートが、今日の市場に特に関連するデータと考察の両方を提供すると考えています。「5 年間における相互保険分野の財務実績に関する総合分析に加え、主要関係者のからのフィードバックに基づいて、相互保険がどのように生き残ってきたかについての考察と展望を提供しています。」

「2022 年の市場見通し調査(Thought leadership study)から判ったことは、相互保険業界が再保険業界と理念や目標においていかに密接に連携しているか、ということです」「この最新レポートから得られる最大のポイントは、各分野が互いに相手を認識し、重視していること、そして保険契約者の生命や財産を守るために、いかにサポートし続けているかということです。」

2022 年レポートでは、米国、ドイツ、英国、バミューダの主要な再保険会社の 24 人の CEO と上級管理職に詳細なインタビューを実施しました。インタビューを行った再保険会社は、小規模な再保険者から超大手の世界的再保険者までさまざまで、上場企業と相互保険会社の両方が含まれています。具体的な注目点は次のとおりです。

  • ほとんどの再保険者は、異常気象がより頻繁に、より深刻になってきていると考えている。これらによる被害 (Derechos:中米等で発生する直進性暴風雨, wildfires:山火事など) の多くはモデル化されておらず、リスクの真の程度は不明である可能性がある。これらの事象は、近年、再保険会社の収益にマイナスの影響を呼ぼしている。
  • 経済インフレは短期的なものと予想されるが、年末の重要な検討事項である。社会的インフレは迫り来る懸念であり、再保険者はより狡猾な問題と見ている。
  • 再保険会社は、相互保険をポートフォリオが安定した望ましい存在と見なしている。しかし、一部の超大手再保険者は、小規模で地方の相互保険会社と取引するのは経済的ではないと考えており、大手相互保険会社との取引きを重視している。
  • 再保険者が相互保険会社の財務健全性を評価する際、成長率は重要な基準にはならない。実際、その成長の背後に確固たる戦略がない限り、急成長は危険信号である。一般に、再保険者は、業績、格付け機関、主要な比率(ソルベンシーマージン、コンバインドレシオ等)、経営陣を最も重要な要素と見なしている。

2022年版レポートによると、米国の相互保険業界は 2021 年を全体的に好成績で終え、13% を超える成長を遂げ、過去最高の黒字を記録しました。2022 年の上半期は厳しい状況でしたが、業界はパンデミック前の正常な状態に戻りました。2021 年の相互保険会社の 約30 の業績指標を他の保険会社のカテゴリーと比較して評価し、格付け機関の基準が相保険互会社に与える影響を評価しました。財務実績に関する主な調査結果は次のとおりです。

  • 2022 年第 2 四半期、相互保険会社の契約者配当率は、パンデミック前の水準である約 1% に正常化した。株式保険会社は、保険料控除(premium credits)として被保険者に還元したため、配当率はパンデミックの間を通して横ばいで推移した。
  • 業界にとって厳しい四半期となった結果、相互保険会社は引受損失を被った。2022 年第 2 四半期の相互保険会社のコンバインド・レシオ 113.8% に対し、株式保険会社は収益性を重視した事業運営を行なった結果、97.0% であった。
  • 2021 年、米国の保険業界の資本と剰余金は過去最高の 1 兆 5300 億米ドル(221兆4,675億円)に達し、2020 年から 13.3% 増加した。相互保険会社は 10.1% の伸び、株式保険会社は 15.8%の伸びであった 。剰余金の増加は主に、株式市場の上昇と金利の低下による含み益や保険収入の増加による。相互保険会社の 5 年間の複合平均成長率は 7.4% であるのに対し、株式会社の 5 年間の同成長率は2021 年の好業績によって押し上げられて 9.1% であった。
  • 資本と剰余金の増加ペースは、2021 年の保険料の増加ペースよりもわずかに遅かったため、業界全体でレバレッジが高まった結果、保険料 1 ドル(144.75円)あたりの資本額が減少した。2021 年の相互保険会社のレバレッジは株式保険会社よりわずかに低く、正味収入保険料の 1 ドルあたりの契約者余剰が1.49 米ドル(215.68円)であったに対し、株式保険会社は 1.45 米ドル(209.88円)だった。
  • 2021 年も保険業界にとって金利の低下と低金利が課題であり、運用利回りは相互保険会社と株式保険会社のいずれも 3.0%を下回り 、2008 年に金融危機が始まって以来の最低水準かそれに近い水準にとどまっている。相互保険会社の運用利回りがわずかに低く、やや保守的な債券ポートフォリオとなっていることを示唆している。しかし、2022 年前半には、利回りや金利の上昇により、この傾向に大きな変化が見られた。
  • 相互保険会社の平均剰余利益(Return on average surplus)が3.5% だったのに対し、株式保険会社の 8.5% となった。相互保険会社は通常、レバレッジの低いため、剰余金、つまり株式配当率が低状態で運営されている。また、保険契約者が会社の所有者であることから、契約者配当や価格設定など株式保険会社とは異なる方法で利益を得ているためである。

NAMIC は、米国の損害保険会社上位 10 社のうち 7 社を含む 1,500 社を超える会員で構成されています。NAMICは、全米の大通りにある地元や地域の相互保険会社だけではなく、多くの大手保険会社も支援しています。NAMIC の会員企業の年間保険料は 3,570 億米ドル(51兆6,757億6,000万円)で、住宅所有者の 69%、自動車の 56%、企業保険市場の 31% を占めています。

ICMIF の最新Global 500 for 2022レポートによると、世界の相互保険会社 500 社のうち 207 社(生命および損害保険)が米国に本社を置いており、2022年は上位10社のうち7社が米国社でした。

 

※ 文中の金額は1米ドル=144.75円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/reinsurers-see-mutual-structure-providing-stability-during-challenging-times-says-new-namic-report/

掲載日付2022.9.26