Business Council of Co-operatives and Mutuals (BCCM)は、一任勘定信託 (DMF) の使用を規定する行動規範を発表し、オーストラリア経済全体の手頃なリスク保護のためのより明確な枠組みを設定しました。
保険料の高騰や相次ぐ自然災害を受け、従来の保険に代わる保険として再びDMFへが注目されています。
BCCM の CEO であるメリナ・モリソン( Melina Morrison) 氏は、定期的な経済サイクルとショック、そして長期的な環境と社会の動向により、リスク管理がより難しくなっていると述べました。
モリソン氏は、「保険市場がハード化する中、適切なリスク対策を講じることが出来ず、経済全体に影響を及ぼすセクターが増えています。DMFは、様々な財産の損失や損害、第三者への賠償責任が発生した場合に、経済的な保護を提供する代替手段です。」
DMFの商品は従来の保険契約とは異なり、保障は任意で提供され、ファンドメンバーは自分の保険金請求を検討する権利を持ちますが、補償に対する自動的な契約上の権利はありません.
オーストラリアの中小企業および家族経営企業オンブズマン (ASBFEO、 Australian Small Business and Family Enterprise Ombudsman) からの要請に応えて、BCCM は、DMF の原則、行動規範、および優良慣行に関するガイドを発表しました。
ASBFEO は昨年、オーストラリアのアミューズメント、レジャー、レクリエーション の各部門が直面している保険危機について調査を実施し、DMF が最も耐久性があり実用的な解決策であることを明らかにしました。
「謙虚な田舎芝居(humble country show)は氷山の一角にすぎませんでした。」とモリソン氏は述べました。「従来の保険では手が届かない、あるいは不適切な分野や状況が増えています。」
カプリコーン(Capricorn Mutual)は、自動車業界の中小企業のために運営されている DMF で、今年、クイーンズランド州とニューサウスウェールズ州で洪水に見舞われた数百人の組合員に約 3,500 万オーストラリア ドル(30億7,790万円)を支払いました。
「DMF モデルの成功により、カプリコーン・ミューチュアル は 1 億オーストラリアドル(87億9,400万円)を超える総保険料収入を達成し、これが可能になりました。」とコプリコーンのジム・グロサット(Jim Glossat) CEO は述べています。
大学は、DMF モデルを採用したもう 1 つの部門です。
同じくオーストラリアのユニミューチュアル(Unimutual)の ジェフ・ヘンダーソン(Geoff Henderson)CEOは、この立ち上げは重要なステップであると述べています「この文書は、政策立案者、規制当局、業界団体、助言者、相互扶助運営管理者だけでなく、さらに広く地域社会など、このモデルに関心を持つすべての関係者にとって貴重な教育資料となります。」
地方自治体の共済団体の CivicRisk Mutual ( ICMIF会員団体) の アンドリュー・アーミステッド(Andrew Armitstead) CEOは、協同組合や相互組合は長期な視点に基づいているとし、「それらは短期的な解決策ではなく、困難な財政状況を乗り切る可能性が高い。」と述べました。
「これらの指導原則と実践規範は、その本質的な精神をさらに支えます」と彼は付け加えました。
DMF の新しい管理文書への署名者は、次のことを自発的に約束します。
- 一任勘定投資信託の具体的な運用状況に合わせて国際協同組合原則から採用された、8 つの原則(組合員による所有権と管理など)
- 行動規範に含まれる20の行動 (常に組合員を最優先することなど)
また、組合員重視の持続可能な一任勘定投資信託の運営を支える、構造、取締役会、経営、監査とリスク、財務とコンプライアンスに関する42の優れた慣行を遵守することも求めています。
オーストラリアには1,800 以上の協同組合と相互扶助団体があります。それらは、農業、住宅、健康、小売、交通、卸売、地域サービスなど、オーストラリアの経済のほぼすべての分野に存在します。
オーストラリアの上位 100 の協同組合および相互扶助団体の売上高は 340 億オーストラリア ドル(2兆9,899億9,000万円)を超えており、オーストラリア人の 10 人に 8 人が少なくとも 1 つの協同組合または相互扶助三体の組合員です。
※ 文中の金額は1オーストラリアドル=87.94円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2022.12.20