ICMIF が本日発表した「ICMIF 会員団体の持続可能な投資に関するレポート 2022年(ICMIF Members Sustainable Investment Report 2022) 」によると、ICMIF 会員団体は、持続可能な投資枠組みに沿った投資で 7,590 億米ドル(97兆1,595億9.000万円)の資産を運用しています。
レポートのデータは、ICMIF会員団体(以降、会員団体)が持続可能な投資枠組みに沿って、グリーンボンド、ソーシャルボンド、レジリエンスボンドなどへ総額7,590億米ドルを運用していることを示しています。その多くは、気候変動とその影響を対象としたものになっています。これは、2021 年の会員団体による総投資額の5,760 億米ドル(73兆7,337億6,000万円)から 32% 増になります。
相互保険会社と協同組合保険会社は、世界の保険市場のほぼ 30% を占め、10 兆米ドル(1,280兆1,000億円)の資産を有しています。保険業界は、投資する資産と、人々と地球を豊かにするためにマクロ レベルとコミュニティ レベルの両方で軽減する必要がある多くのリスクに関する深い知識の両方を持っているため、気候変動対策の実施を支援する独自の立場にあります。
ICMIF のショーン・ターバック(Shaun Tarbuck)事務局長（CEO）は、次のように述べています。「このレポートは、2022年のICMIFにおける持続可能な投資に関する調査結果をまとめたもので、2019年の調査開始以来、会員団体がいかに力強く前進してきたかを示しています。最新の調査結果は、より環境に優しい未来に向けた相互保険・協同組合保険セクターの継続的で堅調な勢いを示しています。」
ターバック事務局長は次のように続けています。「持続可能な取り組みは、組織の財務パフォーマンスを向上させ、効率性を高め、コストを削減し、変化を促すことが実証されています。これにより、事業は競争力を得るだけでなく、従業員、潜在的な従業員、契約者や投資家などの利害関係者に対する組織のイメージを大幅に向上させることができます。協同組合・相互保険部門は、持続可能性と持続可能な投資の分野で主導権を握り、「有志連合」を形成し、模範を示す理想的な立場にあります。」
このレポートは、会員団体が持続可能な枠組みに沿った投資において模範的な行動を続けている事例を特集しています。協同組合や相互扶助組織は、短期的な意思決定や短期的な利益、あるいは投資家の要求に左右されることはありません。組合員である保険契約者が所有することで、むしろ、より戦略的で長期的な視点に立ち、社会的、環境的、倫理的に正しいことを行うことができます。
主な調査結果:
- 会員団体は、運用資産 (AUM) のうち7,590 億米ドルが持続可能な投資枠組みに沿った投資であることを確認した。これは、2021 年の調査で報告された 5,760 億米ドルから32% 増であった。
- 7,590 億米ドルの投資は、調査に回答した会員団体の 運用総資産 の 51%に相当し、昨年の 38% と比べ高くなっている。
- 投資枠組みは複数存在するが、「国連環境計画金融イニシアチブの責任投資原則 (UNEP FI PRI)」 と「持続可能な保険原則 (PSI) 」が最も一般的であった。
- 会員団体の 55% がインパクト投資に投資しており、2020 年の 46% から増加した。
- 調査に回答した会員団体の 58% がグリーン ボンド、ソーシャル ボンド、レジリエンス ボンドを含むサステナブル ボンドに投資しており、2021 年の 121 億米ドル(1兆5,489億2,100万円)から 40% 増加して 169 億米ドル(2兆1,633億6,900万円)に達した。
- ネットゼロへの取り組みを行っている会員団体は、昨年の 18% から37% に増加した。
- 会員団体の 75% は、何らかの方法で持続可能性について積極的に報告を行っている。
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※ 文中の金額は1米ドル＝128.01円で換算
ICMIFサイトの英語ニュース記事（以下にリンクを表示）を許可を得て翻訳・転載しています。
掲載日付2023.1.16
