AOA

ICMIFサイトへ

AOA会員ニュース

BCCM (オーストラリア)がMonash大学と Mutual Value Lab の研究提携を開始しました

BCCM - Mutual-Value-Lab-Launch-1

8月初め、 BCCMとモナシュ大学(Monash University)が協同組合や相互扶助団体が組合員や地域社会のために生み出す価値を測定するための協同研究を行う相互扶助価値研究所(Mutual Value Lab)が、メルボルン (オーストラリア) で正式発足しました。

この研究所は、モナシュ ビジネス スクールの先駆的なインパクト ラボに新たに追加されたもので、ダイナミックな学際的研究機関で構成され、外部パートナーとインパクトのある研究を共同で行ないます。Mutual Value Lab は、この種の研究ユニットとしては世界初です。モナシュ ビジネス スクール、BCCM、オーストラリアの協同組合・相互扶助団体セクターの間で進行中の研究協力関係を活用し、画期的なパフォーマンスと影響の測定ツールである相互価値測定フレームワーク© の展開につながりました。

BCCMの年次報告書「National Mutual Economy report 」のデータによると、オーストラリアには 活発に活動している1,848 の協同組合・相互扶助団体があり、76,000 人を直接雇用しています。その上位 100 団体の総売上高は 404 億オーストラリア ドル(3兆8,222億4,400万円)に達します。協同組合や相互扶助団体の事業活動は、活動する地域社会に多くの利益をもたらします。協同組合や相互扶助団体の事業で1オーストラリアドル(94.61円)が使われるごとに、76 セント(71.91円)が地元地域社会に再投資されると推定されます。しかし、このビジネスモデルの認知度は低く、オーストラリア人の 10 人中 8 人が協同組合や相互扶助団体の組合員であるにもかかわらず、自分が組合員であることを知っているのは 10 人中 3 人だけです。

「測定されるものは監視されます。監視されたものは評価されます。協同組合や相互扶助団体がその組合員、顧客、地域社会、そしてより広い社会に与えるプラスの影響を評価することは、長い間待ち望まれてきました。Mutual Value Measurement© は、協同組合が生み出す価値が見過ごれたり、無視されたりすることがないようにするフレームワークです。」と BCCMのメリーナ・モリソン氏(Melina Morrison、CEO)は述べています。

Mutual Value Lab には調査窓口(リサーチ・キオスク:ResearchKiosk)が設置され、協同組合や相互扶助団体が広範なコミュニティで組合員のためにインパクトを生み出し、提供するための多くの課題や機会への取り組みに熱心な研究者のチームを利用できるようになります。

モナシュ大学のポール・タンバー(Paul Thambar)准教授とマシュー・ホール(Matthew Hall)教授は、 10月にブリスベン(オーストラリア)で開催されるBCCMリーダーズサミットのリーダー ダイアログ シリーズの一環として、相互価値測定フレームワーク©が測定手法と事業戦略のより良い連携を通じて協同組合や相互扶助団体の成功にどのように役立つかを紹介します

最近では、Mutual Value Lab の博士課程奨学金告知が発表されました。

Care Together は、オーストラリアの地方、地域、遠隔地に焦点を当て、現在のアプローチが機能していない社会的ケアの分野において、協同組合や相互扶助団体が持続可能なサービス提供を展開できるよう支援する教育、助言、支援プログラムです。詳細はこちらをご覧ください

写真: Mutual Value Lab 立ち上げにあたり、協同組合や相互扶助団体の事業活動が経済や地域社会にもたらす貢献について語る。左から、ローハン・ミードCEO(Rohan Mead,Australian Unity )、リズ・トーマスCEO( Liz Thomas, Common Equity Housing Limited:CEHL、アンソニー・デ・ファジオCEO( Anthony De Fazio、BankVic)。

 

※ 文中の金額は1オーストラリアドル=94.61円で換算

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。

https://www.icmif.org/news_story/bccm-launches-the-mutual-value-lab-research-partnership-with-monash-university/

掲載日付2023.8.31