国際協同組合保険連合(ICMIF)は、フィリピンのマイクロ保険団体 Kasagana-Ka Mutual Benefit Association, Inc. が、290団体を超える協同組合/相互扶助組織からなる ICMIF ファミリーの一員に新たに加わることを歓迎いたします。 当団体は、一般的には KMBA として知られ、貧しい女性やその家族に手頃な価格の保険商品やサービスを提供しています。
2006年設立の KMBA は、Kasagana-Ka Development Center, Inc. (KDCI)の姉妹組織で、KDCI の顧客(受益者)やスタッフが KMBA の主要な組合員となっています。 さらに KMBA は、パートナーとなっているマイクロファイナンス組織などの顧客(受益者)に準組合員の資格を与えています。 なお、KMBA の設立資金は KDCI からの助成金で調達されました。
KDCI は社会開発のための非政府組織であり、その事業の中核は、都市部の貧しい地域社会に活気ある経済的・社会的な基盤を構築することを目的とした、複数のサービスの受益者への直接的な提供です。 KDCI では、マニラ首都圏とその周辺都市部の恵まれない人々や脆弱な家庭にさらなる生計機会を提供する重要な戦略として、マイクロファイナンスを活用しています。 KDCI は、サービスの提供者として、都市の貧困層の状況を改善するには多面的な事業が必要との考えをもっており、このため貯蓄と貸付の活動を、基本的な社会的保護、教育、医療、シェルターの提供サービスと組み合わせるとともに、KMBA を通じたマイクロ保険もこれに統合しました。 女性はKDCI の主要な受益者ですが、その女性たちの家族、特に学齢期の子供たちも、提供される様々な商品やサービスから直接的な利益を得ています。
KMBA は、2006年6月に証券取引委員会に登録され、2007年4月には政府の保険委員会から共済組合(mutual benefit association)のライセンスが与えられました。 KMBA は株式会社形態をとらない非営利団体であり、組合員により所有・管理されています。 また、リマンジ(RIMANSI Organization for Asia and the Pacific, Inc.)(ICMIF会員)からは技術援助を受けています。 リマンジは、組合員が所有するマイクロ保険団体、特に共済組合(mutual benefit association)のためのリソース・センターとして、これらのマイクロ保険団体の発展を支援し、リスク管理ソリューションを提供しています。
KMBA は、フィリピンの貧しい家庭における家計リスクの管理ニーズに応えるために積極的かつ適切に対応する自立した共済組合となることを目指しています。 この目的のため、困窮時に直ちに財務的支援ができるマイクロ保険商品・サービスを提供しています。 基本的な生命保険に加えて、KMBA は貧困層のセーフティ・ネットを拡げるマイクロ保険のパッケージを提供しています。 また、組合員支援促進のための主張を行ない、ネットワーキング活動に従事するとともに、貧困層にマイクロ保険を届けるためのコスト効率の良いメカニズムの開発にも継続的に取り組んでいます。
KMBA の実務トップ(General Manager)の Silvida Reyes-Antiquera 氏は、2016年10月に東京で開催されたICMIF アジア・オセアニア協会(AOA)の AOA セミナーに出席しました(左写真)。 セミナーには、Kasagana-Ka Savings & Credit Cooperative(K-Coop)のオペレーション・マネージャー、Dexter Flores 氏や、KMBA 以外のフィリピンの ICMIF加盟団体の代表者も参加しました。
【KMBAのデータ】2016年10月末現在 ※ 1ペソ=2.24円で計算
総資産 160,540 千ペソ(約359,729 千円) 総負債 114,578千ペソ(約256,741 千円)
自己資本 45,961 千ペソ(約102,988 千円)
組合員数 44,979(正: 35,000、準: 9,979)
支払保険金 6,794 千ペソ(約15,224 千円):BLIP(生命保険)およびCLIP(信用生命保険)の合計
その他の取扱商品・サービス:K-Kalinga(火災保障付帯の個人傷害保険)、SICAT(災害後の住宅居住支援プログラム)、Kuya Jun Scholarship Program(高校生・大学生対象の奨学金制度)
(KMBAホームページをもとにAOAが作成)
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