昨年のAOAセミナーホスト3団体を中心に、日本の共済団体のキャラクター活用について、ICMIF Voice 87 号のKnowledge欄でとり上げられましたので、以下にご紹介します。
なお、Voice 87号の日本語版も近日中に公開される予定です。
日本のICMIF会員団体は、斬新で楽しい方法で組合員との絆を深めています。キャラクターの活用です。キャラクターは販売キャンペーンや広報活動などで広く活躍しています。
日本では「かわいい」キャラクターがブームで、日本の「かわいい文化」は、日本発のマンガやアニメと並び、今や世界的現象となっています。全労済は、オリジナルキャラクター「ピットくんファミリー」を組合員との距離を縮めるために活用しています。ピットくんファミリーは、どこの家庭にも住んでいる優しい妖精のファミリーで、みんなが安心して暮らしていけるように、いつもどこからか見守っているという設定です。
JA共済には「ひとのわグマ」というオリジナルキャラクターがいます。ひとのわグマは、「人との輪(絆)」を大切に思っているツキノワグマで、JA共済に加入した人間たちを大事に思っています。
コープ共済は、コープ共済を広く知ってもらうために「コーすけ」というオリジナルキャラクターを活用しています。
JA共済連 普及部普及広報グループ課長の川村晃司氏によると、JA共済では1998年からキャラクターを活用しています。初代キャラクターはアンパンマンで、当初は子ども向け共済商品の販売促進を目的としたテレビCMに使ったり、アンパンマングッズを配布していましたが、2007年からはJA共済の顔として全商品に使われています。(※ アンパンマン公式ポータルサイト)
2011年に東日本大震災が発生した時は、アンパンマンが大活躍しました。JA共済のキャラバンカー「アンパンマンカー」が岩手、宮城、福島の被災地を回り、被災者を元気付け支援したのです。JA共済は、アンパンマン交通安全キャラバンが全国を回りステージショーを繰り広げる交通安全教室も開いています。子どもや保護者に楽しく交通マナーやルールを学んでもらうことを目的とするこの教室は、これまでに1,200回以上開催され、合わせて100万人以上の参加者を集めました。
ひとのわグマは2016年に登場したばかりの新キャラクターですが、すでに販売促進グッズやLINEのスタンプなどに広く使われています。川村氏によると、ひとのわグマは、JA共済に親しみやすさを持ってもらうためのキャラクターとして誕生しました。
JA共済にはアンパンマンとひとのわグマのほかにも、医療共済のマスコットキャラクターとして「あざらし3兄弟」がいます。
全労済も長年にわたりキャラクターを活用しています。「ピットくんファミリー」は各種ツールや広告に活用するほか、着ぐるみやぬいぐるみを各種イベントへの集客に役立てています。また、全労済の商品を紹介するためにピットくんファミリーが描かれたラッピング電車やラッピングバスが全国各地を走っています。全労済 普及推進部長の野中豊明氏によると、ピットくんは、20代~30代をターゲットとしたイメージ戦略として活用を始めました。「キャラクターには全労済に興味や共感を持つ切り口の一つになってもらいたいと考えています。全労済が生活者にとって身近なもの、親しみやすいものであることを表現したり、他社との差別化などに貢献しています。各店舗は親しみやすい空間づくりを行う中で、キャラクターを用いた装飾を積極的に行っています。」
「ピットくん」の名前は、こくみん共済が一人ひとりに「ピッタリフィット」してほしいという思いから生まれました。キャラクターが登場するアニメや、活用されている様子を示す動画、商品、ノベルティーなどの写真データは、www.zenrosai.coop/stories/pit.htmlで公開しています。
コープ共済連のオリジナルキャラクター「コーすけ」について、渉外・広報部広報グループの玉永香織氏は次のように説明しています。「金融商品は一般の人々にとって理解しにくいところがあります。しかし、キャラクターを使うと分かりやすい言葉で説明することができるので、金融サービスにとってキャラクターの活用は効果的です。金融商品が複雑化していくと、組合員や関係者などステークホルダーとの対話でキャラクターが役に立つと思います。コープ共済が主ターゲットの一つと考えている若い女性はキャラクターが大好きです。」
日本では30年以上前から企業や組織がマスコットキャラクターを活用しており、警視庁でも1987年に「ピーポくん」が登場しました。日本発のかわいいキャラクターでは、1990年代にたまごっちとポケモンが世界的に流行しました。スマホゲームのポケモンGOも大ヒットしています。高齢化が急速に進んでいる日本において、新世代の顧客をどう獲得するかが企業や組織にとっての大きな課題となっています。JA共済連、全労済、コープ共済連といった日本のICMIF会員団体にとって、キャラクターには若年層にアピールできるという明らかな価値があります。