国際協同組合保険連合(ICMIF)に加盟するフィリピンの農業・農村開発相互保険(CARD MBA)は、加入者の支払請求から24時間以内に保険金を給付することを目指す「8-24」戦略という新たな支払体制を発表しました。これにより現行の支払体制(支払請求から1、3または5日以内に保険金が給付される「1-3-5」戦略)が改善され、危機的状況における保険金給付がさらに迅速化されます。
CARD MBAのメイ・ダワト(May Dawat)ジェネラル・マネジャーは、「1,410万人を超えるCARD MBAの加入者の多くは恵まれない地域に住む方々であり、不確実な状況に陥った場合に頼れるのは保険金給付です。私たちは、こうした人々の経済状態を考慮し、支払戦略を従来の「1-3-5日」方式から新たに「8-24」戦略へと強化し、加入者からの支払請求に8~24時間以内に対応できるようにします。これは信頼してくださるお客様に対する、私たちのお約束です」と説明します。
「1-3-5」として知られるCARD MBAの支払戦略は、加入者(同国の最貧困層を含む)が不運な出来事に見舞われた際、必要な資金を直ちに給付できるようにすることを目的としたものです。2013年の台風ハイエンの際には、CARD災害対応チームは「1-3-5」方式の支払戦略を適用し、被災した加盟者に即時支援を行い、加入者の95%が同方式の目標期間内に給付を受けることができました。
フィリピン保険委員会の公表データによると、2017年第1四半期時点でマイクロ保険の加入者は2,660万人にのぼり、その大部分が貧困層となっています。農業・農村開発相互補強機構マイクロ保険機関CaMIAのヴェナー・アベレラ(Vener Abellera)理事長兼ジェネラル・マネジャーは、「保険給付に期待を寄せる国民の数は増加しており、加入者やその家族に不測の事態が起こった際には、適切で迅速なサービスを受けられるようにするべきです」と語ります。CaMIAは、フィリピンにおける貧困撲滅と生活向上を共通目標とする相互補強機関の集合体であるCARD MRI傘下のマイクロ保険部門です。
CARD MRIは「8-24」戦略の目標を達成すべく、認定支払査定人(C3A)の認定を進め、加入者に迅速なサービスを提供できるよう努めています。CARDのマイクロ保険グループ(CARD MBA、CaMIA、CARDパイオニア・マイクロ保険会社(CPMI))は2017年末までにC3Aが十分な数に達することを目標としています。
CARD MBAは農業・農村開発相互補強機構(CARD MRI)の保険部門として、CARDの銀行部門のローンを対象とした簡単な融資保険や、その他の手頃な生命保険商品を提供していますが、加入者の多くは低所得の女性です。
写真:台風ハイエン発生後の救助活動を支援するCARD MBA災害対応チーム