無人の完全電気自動車が西オーストラリア州で始まります。これはRACが継続的に進めている自動運転車の試運転プロジェクトで、州都パースにおいてオーストラリア初また世界でも先駆的な自動運転サービスの実証・体験を行うものです。
ICMIFに加盟するRACは、ナビア(NAVYA)および西オーストラリア州政府と提携して、スマートフォンから予約可能なオンデマンド型のカーシェアリング向けに設計された自動運転の乗用車「AUTONOM」数台の試運転を行います。
RACグループのテリー・アグニュー(Terry Agnew)CEOは、すでに2台で試運転を進めているRACインテリバス(Intellibuses)を超える画期的な実証実験となるとともに、オーストラリアは世界で最も早く最新の自動運転技術を体験できる国となるであろうと述べました。
パースは、ナビアが開発した初回生産車両が走る3都市の1つとして世界に発表されました。同市ではすでにサウス・パース地区で、同社が製造したRACの無人シャトルバス2台が実証実験を行っています。
実証用車両には最大6名を載せることが可能で、最高時速は90キロですが、実証実験では時速20~50キロでの走行が推奨されています。
またライダー(LiDAR)システム10台、レーダー4台、カメラ6台、オドメトリなど、最新のマルチセンサー技術を搭載し、3D認識が可能となっています。こうした技術により、周囲状況のマッピング、障害物の発見、意思決定ができるため、自律的な走行が可能となるのです。また、常に正確な位置を把握するために全地球航法衛星システム(GNSS)のアンテナを2台搭載し、監視サービスとも接続されています。
この実証実験は数段階に分かれており、2018年4月の同市への車両納入後より開始されます。
ナビアのクリストフ・サペ(Christophe Sapet)CEOは、「オーストラリアは、新テクノロジーの実証、紹介、展開を行う上で、地域内でも戦略的な場所といえます。新しい車両技術に対する政府やRACの熱意、イノベーション、そしてスマートモビリティのソリューションを世界の中でもこの地域で提供したいという当社のニーズが揃って、ここ西オーストラリア州での実証実験の実施が決定しました」と述べました。
実証実験の詳細は現在作成中であり、RACは政府当局による承認手続きを進めています。数カ月後には詳細が発表される予定です。
RACは、この一歩がさらなる実証や研究、協力のきっかけとなることを期待しています。それらはすべて、今後オーストラリアがいかにして無人自動車を輸送システムに組み込むか、また究極的には、このテクノロジーが100万人近くのRAC会員そしてより広範な地域の人々の、西オーストラリア州内の移動方法にどのような影響を及ぼすかということに対する準備や理解を深めていくことにつながるためです。
ICMIFのショーン・ターバック事務局長は、「加盟組織であるRACとテクノロジー企業ナビアとの間の非常に面白い協力であり、実証の今後の進捗を楽しみにしておりますし、新技術がRAC会員やより広範な市民の方々に恩恵をもたらしていくことを期待しています。RACは、多くの事故は人為的なミスによるものが多いことを受け、自動運転車技術の実証実験において、無人自動車が交通事故による死者や重傷者の削減に役立つ可能性を重視しており、この点も興味深く受け止めています」と述べました。