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オーストラリアBCCM、財務省の相互扶助事業体の改正法案の公示を歓迎

Melina_MorrisonオーストラリアのICMIFの加盟団体、協同組合・相互扶助団事業協議会(BCCM)は10月4日(木)、同国の相互扶助団体のための連邦法の近代化プロセスの第一歩となる法案の公示を歓迎しました。

相互扶助団体に関する法改正は、事業環境の改善、そして投資家が所有する企業と同等の競争力をもたらす2段階の改正手続きが行われる予定ですが、今回はその第1段階となります。

今回公示された法案は、相互扶助事業体の定義を定め、会社法でもこれを認定するとともに、資本性商品の発行により資本調達ができる相互扶助事業体の範囲を規定するものです。

法案には以下2つのポイントがあります。

    • 会社法では長年、相互扶助団体の定義がありませんでしたが、今回初めて定義が盛り込まれることにより、様々な機会が生まれます。
    • 本法案ではこれに加え、よく誤用され相互銀行や共済組合に影響を及ぼしていた、株式会社化を促進する開示規定(会社法別表4第5項)も改正します。改正法成立後に、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)の規制ガイダンスノート(RG147)が廃止される予定です。

BCCMのメリーナ・モリソン(Melina Morrison)CEOは、こう述べています。「相互扶助団体についてオーストラリアの会社法が適正に運用され、他の種類の事業体と平等に競争できるようになるには、今回の法改正が必要です」

「BCCMは過去9カ月にわたり、政府によるハモンド・レビューの提言の法案化の過程で、会員団体と積極的な働きかけを行ってきました」

「当セクターに対する政府の約束を実現するための2段階の法改正のうち、最初の改正法案が公示されたことを喜ばしく思います」

「財務省のもう1つの法改正案により、相互扶助団体が発行可能な新たな資本性商品が規定され、セクターの成長と国民への貢献が可能となるとともに、協同組合としての所有形態が保護されることを期待しています」

英国のミューチュオ(Mutuo)は、協同組合/相互扶助団体を擁護し、BCCMと共に法改正の働きかけを3年にわたって続けてきました。ミューチュオも、オーストラリアにおける相互扶助団体に関する連邦法の改正に向けた第一歩となる今回の法案公示に歓迎の意を表しました。

ミューチュオのピーター・ハント社長は、次のように述べています。

「今日はオーストラリアの協同組合と相互扶助団体にとって重要な日です。当社がBCCMを通じて国内13の相互扶助団体と共に進めてきた政府への慎重な働きかけが功を奏したといえます」

「BCCMは2013年に設立されたばかりですが、メリーナ・モリソン氏の強力な指導力の下、この5年間で国内の相互扶助団体を団結させ、ビジネスの場で正当な地位を獲得するに至りました」

「BCCMはビジネス環境の改善を主張し、まずオーストラリア連邦議会上院で政治的支援を得ることに成功し、その結果、連邦政府による法改正という画期的な成果へとつながっています。この働きかけは常に、政党横断的な政治家からの熱心な支持がありました。これは世界の協同組合セクターにとっても良い事例といえます」

セセリャ(Seselja)副大臣による報道発表はこちら

今回の法改正を最初に提言した上院の協同組合/相互扶助団体/組合員が所有する組織に関する諮問報告書はこちら

ICMIFサイトの英語ニュース記事(以下にリンクを表示)を許可を得て翻訳・転載しています。
記事日付 2018.10.5